尿石

　「尿石」と聞いてピンとくる人は少ないだろう。もしかして胆石や腎結石と同じようなもので、いよいよそんな病気になったのかと思われた方もいるのではないだろうか。これは半分正しくて、尿路結石のことを尿石と略すこともあるのだが、私が言いたいのはトイレの悪臭の元となっているもののことである。尿の中にはカルシウムイオンが含まれており、これが炭酸などと反応してカルシウム化合物となったものを尿石という。よく古いトイレで茶色っぽくこびりついたものがあるが、あれのことである。でまあ、これが便器についているだけなら汚らしいとか臭いというだけなのだが、徐々にパイプにも付着して詰まりの原因になったりするのである。そういう現象が自宅のトイレで発生したのである。
　我が家はもう築40年を超える老朽木造住宅であるが、祖父が商売をしていた関係で、最近の一般家庭には珍しくトイレには男性用小便器がある。これが目詰まりしたのである。もともとずぼらな性格なのでめったにトイレ掃除なんかしないのが原因だから自業自得と言うしかないが、最近どうにも流れがよくないので意を決して本格的に掃除をしてみた。普通に掃除をしてから、あれこれと配管を調べてみたのだが、どうもパイプの壁にびっしりと石のようなものが貼り付いている。太い針金やらなにやらでできる限り剥がし落してはみたものの、こびりついている石はそう簡単には落ちてくれない。仕方がないので、ある程度のところで作業は終了し、いつものようにネットで調査を開始してみた。結果、これが尿石と言うものであることが判明したのである。さらに調べていくと、尿石はやっぱり専用のクリーナーを使わないとなかなか落ちないらしいということも判明したのですぐに注文。それが冒頭の写真「尿石バン（４kg）」である。私が見た限り、同種の商品が５～６種類はあったが、どれがいいのかよく分からないので、あんまり安いものは避け、業務用のものを選んだらこれになったのである。なにしろ「工場用ケミカル用品キシロン化工」の製品である。なんだかこの名前だけでも霊験あらたかなような気がするではないか。
　ともあれ、まだ到着してはいないが、今週末もまた神戸にレッズの試合を見に行くのはお休みして、トイレ掃除をしてみようかと思っている。まあ、あれだけこびりついていると、いっぺんに落とすのは無理だとは思うけれどね。