誠意

　家に帰ると一通の分厚い封筒が届いていた。差出人はとあるコミック誌の編集部である。ただのダイレクトメールにしてはなんだか大きいし、かといって最近懸賞に応募した覚えもない。まあ、いきなり爆発することもないだろうけれど、一体なんだろうと思いながら封を開けた。中から出てきたのはCDとテレフォンカードがそれぞれ一枚。それにお手紙が一通。

　たいへんに月日がたっており、お詫びの言葉もないところですが、弊誌2004/○号～○号にて募集いたしましたCDプレゼント版にご当選され、賞品がようやく出来上がりましたので、ここにお送りいたします。（一部筆者編）

と書いてある。なにやら海外の楽曲のため著作権の許諾に時間がかかって制作が遅れたらしい。同封の女子アナ(？)のテレフォンカードはお詫びの品だそうだ。私としてはビックリと言うよりも何だかいろいろな考えが頭の中をぐるぐるとする。
・確かに、当時応募したような気はするけど、当たってんだあ。へえ～。雑誌に当選者として名前とか載ってたのかな？
・それにしても２年も前のプレゼントを送ってくるとは律儀なもんだ。しかも、お詫びの粗品付きとはねえ。別にそこまで気を使わなくてもいいのに。
・送らなくてもよさそうなものだが、そんなことすると内部告発とかされちゃうのかな。あ、それとも担当者の意地ってやつですかね。
・今時、テレフォンカードなんかもらっても使わないしなあ。でも、この種のカードはマニアに売れるかも。ヤフオクとかに出品してみるかな。
などなど。
　最近は余り懸賞に応募なんかしないけれど、こんなこともあるんですねえ。そのうち実は２年前のtotoはこちらの手違いで１億円当選になってましたなんて通知が来ないかなあ。