最近、通いなれていた店が2軒店を閉めた。
ともに新宿にある店だが、一つは親子がやっていたスナックで、そろそろお母さんの方が年齢的にしんどくなってきていたところに、入居しているビルの周辺に風俗関係の店が増えて客足が遠のいたり、家賃の値上げがあったりという諸事情が重なっての閉店である。私自身もかなり行く回数が減っていたのであるが、それでもたまに一人でぶらりと入って、ほとんど酒も飲まずにお母さんと一緒にご飯を食べてあれこれ話をしたりすることのできる貴重な店だった。初めて店に通った頃は高校生だった娘が今では結婚して子供もいるのだから、どれくらい長いこと通っていたかは想像できると思う。ある日突然と電話がかかってきてツケがたまっている分を払って欲しいと言われた。確か2~3万円くらいのものだったので、いつもならそんなこと言わないのに珍しいなと思って聞いたら、急に更新料を払わなければならなくなったのであわてて資金を集めているのだと言う。その日の夜、私は店に行き、とりあえず10万円ほど置いてきた。もともと他のお客さんより結構安く飲ませてもらっていたから、返したければ返してくれてもいいし寄付だと思ってくれてもどっちでもいいので当座の資金にしてくれればいいからと言って渡したのである。そんな家族というか親戚みたいな関係だったので、閉店は本当に残念である。娘の方とはたまにメールのやり取りがあるのだが、このまま疎遠になっていくのかと思うと寂しい限りである。
もう一つの方は、私のホームページの「ムーミン谷集会所」をご覧になっている方なら分かると思うが、あ一心という日本酒の店である。こちらはちょっと頑固というか偏屈なマスターが酒と食材にこだわってやっていた居酒屋で、私は年に100日以上通っていたくらいの店である。このブログに出入りしてくれている人の何人かはこの店で知り合った人だから、私にとっては生活の一部となっていたと言っても過言ではない。こちらはそのマスターが大病を患い手術をしたのが原因の閉店である。マスターは11月の入院直前まで店を開けており、2月には復帰するからと言っていたのだが、病気が病気だし、そんな簡単にいかないんじゃないかなと心配していたら、案の定、手術そのものはうまくいって回復しているものの、休業期間が長くなりすぎて復帰まで店を持ち続けるのは困難になってしまったのである。うすうす覚悟はしていたとはいえ、現実になってみると辛く悲しいものである。
こうして僅か一ヶ月足らずの間に2軒の行きつけの店を失ってしまった私は、もう新宿では一人で飲みに行ける店がなくなってしまったのである。どっちの店も随分と長いこと通っていたので、こうなってみると本当に行くところがない。そんなことを思いながら、仲間と飲んだりして時を過ごしていたのだが、そうそうみんなを巻き添えにするわけにもいかないので、何とか一人で行けるような本拠地が欲しい。そんなことから、先日意を決してかねてから目をつけていた店に入ってみた。ところが、店に入った途端に一人の席はご用意できませんと言われてしまった。カウンター席はなさそうだったから、店選びを間違えた言えばそれまでなのだが、すごすごと退散した私は何ともいえない寂寥感に襲われた。
「ああ、故郷を失うっていうのはこういう感覚なんだろうなあ。」
たかが飲み屋のことくらいでとは思われるかも知れないが、ただもう本当に悲しくて、もう別の店を探す気力もなくなってしまったのである。夜の新宿をぶらぶらと遠回りしながら歩き、ここにはこんなに店があるのに私が入れる店は一軒もないんだなああと思いながら、家に帰った。
明日また新しい週が来ても状況は変わらない。私の新宿漂流記はまだまだ続きそうな気配である。このままどこにも港が見つからずに漂流し続けるのではないかと思うと、仕事が忙しいとか大変だというようなこと以上に出社が憂鬱になるのである。
ともに新宿にある店だが、一つは親子がやっていたスナックで、そろそろお母さんの方が年齢的にしんどくなってきていたところに、入居しているビルの周辺に風俗関係の店が増えて客足が遠のいたり、家賃の値上げがあったりという諸事情が重なっての閉店である。私自身もかなり行く回数が減っていたのであるが、それでもたまに一人でぶらりと入って、ほとんど酒も飲まずにお母さんと一緒にご飯を食べてあれこれ話をしたりすることのできる貴重な店だった。初めて店に通った頃は高校生だった娘が今では結婚して子供もいるのだから、どれくらい長いこと通っていたかは想像できると思う。ある日突然と電話がかかってきてツケがたまっている分を払って欲しいと言われた。確か2~3万円くらいのものだったので、いつもならそんなこと言わないのに珍しいなと思って聞いたら、急に更新料を払わなければならなくなったのであわてて資金を集めているのだと言う。その日の夜、私は店に行き、とりあえず10万円ほど置いてきた。もともと他のお客さんより結構安く飲ませてもらっていたから、返したければ返してくれてもいいし寄付だと思ってくれてもどっちでもいいので当座の資金にしてくれればいいからと言って渡したのである。そんな家族というか親戚みたいな関係だったので、閉店は本当に残念である。娘の方とはたまにメールのやり取りがあるのだが、このまま疎遠になっていくのかと思うと寂しい限りである。
もう一つの方は、私のホームページの「ムーミン谷集会所」をご覧になっている方なら分かると思うが、あ一心という日本酒の店である。こちらはちょっと頑固というか偏屈なマスターが酒と食材にこだわってやっていた居酒屋で、私は年に100日以上通っていたくらいの店である。このブログに出入りしてくれている人の何人かはこの店で知り合った人だから、私にとっては生活の一部となっていたと言っても過言ではない。こちらはそのマスターが大病を患い手術をしたのが原因の閉店である。マスターは11月の入院直前まで店を開けており、2月には復帰するからと言っていたのだが、病気が病気だし、そんな簡単にいかないんじゃないかなと心配していたら、案の定、手術そのものはうまくいって回復しているものの、休業期間が長くなりすぎて復帰まで店を持ち続けるのは困難になってしまったのである。うすうす覚悟はしていたとはいえ、現実になってみると辛く悲しいものである。
こうして僅か一ヶ月足らずの間に2軒の行きつけの店を失ってしまった私は、もう新宿では一人で飲みに行ける店がなくなってしまったのである。どっちの店も随分と長いこと通っていたので、こうなってみると本当に行くところがない。そんなことを思いながら、仲間と飲んだりして時を過ごしていたのだが、そうそうみんなを巻き添えにするわけにもいかないので、何とか一人で行けるような本拠地が欲しい。そんなことから、先日意を決してかねてから目をつけていた店に入ってみた。ところが、店に入った途端に一人の席はご用意できませんと言われてしまった。カウンター席はなさそうだったから、店選びを間違えた言えばそれまでなのだが、すごすごと退散した私は何ともいえない寂寥感に襲われた。
「ああ、故郷を失うっていうのはこういう感覚なんだろうなあ。」
たかが飲み屋のことくらいでとは思われるかも知れないが、ただもう本当に悲しくて、もう別の店を探す気力もなくなってしまったのである。夜の新宿をぶらぶらと遠回りしながら歩き、ここにはこんなに店があるのに私が入れる店は一軒もないんだなああと思いながら、家に帰った。
明日また新しい週が来ても状況は変わらない。私の新宿漂流記はまだまだ続きそうな気配である。このままどこにも港が見つからずに漂流し続けるのではないかと思うと、仕事が忙しいとか大変だというようなこと以上に出社が憂鬱になるのである。
ものでもないでしょうから寂しいですよね。
といってもむーみんぱぱさんなら
もう新しいお店を見つけているかな!?
先日、新宿近辺で、おつまみの美味しい、
とっても小さなお店を教わりました。
今後ご紹介しますね(^^)。
お酒が好きでよく通っていました(笑)
福岡支店時代には1週間に3.4日通っていたと思います、大体は同僚と
二人でしたが一人でも行ける、ご夫婦で経営されておられるお店で
今でもお付き合いがあり、退院してから我が家にお見舞いにも来て頂きました。
もちろん大阪にも一人でいけるお店がありました
今はお体を壊されたのと母さんの介護もあり故郷へ帰られましたが
今でもお付き合いをさせていただいています(笑)
最近レスがつかないとのぼやきに反応して頂き、
ありがとうございます。
新しいお店も近いうちに教えてくださいね。
>クロちゃん
そうですかあ。そうやって任地を離れたり、
店を閉めてからも付き合いがあるっていいですね。
きっとクロちゃんの人柄なんでしょう。
なんかカッコいいですねえ。
馴染みのお店が無くなるのはやっぱり寂しいもんですね。
私は最近は西荻窪にあるもう一つの隠れ家に避難しています。
こちらも日本酒屋さんで、十四代がメインのお店で、1年通して通うと十四代が全種類頂けます。
ま、新しいお店探しはまた各自のこととして、せめて「花見」くらいは何とか開催できませんかね?
パパさん、仕切ってくださいよ~。
で、花見やる?集まるかねえ。
どっちにしても第2回BBQっていう感じかなあ。
一心に月に2度ほど顔を出していた末席の常連です。トラックバックさせていただいたのでご報告までに。