時折強く降る雨、小雨になった所で、それーーーーっとばかりに近所のスーパーに買い物に出かけた、【高齢化】そんな言葉通りに年老いた夫婦が多い、長年連れ添った夫婦は仲良く買い物、たまに意見の食い違いでの痴話喧嘩も見かけるが、そこは妻の一喝で『ハイです』そんな姿を見てると微笑ましいものだ。
参加中シンプルライフ
私は1人気ままに、今日は何にしようかな?カートを押して夕食食材を吟味、商品の入った袋をひっくり返して、国産である事を確認して籠に入れる。いつもと変わらない1日の始まりだったが。
『早くしろよ』けたたましい声に顔を上げたら、小さなお婆ちゃんがカートを押して魚の切り身を指差し
『これ食べる?』
『いらね~よ、それより早くしろ』
そう言って、陳列棚を蹴った
ドドンと音が響いた
お婆ちゃんは悲しそうな顔をして思うように動かない手で冷凍の魚を籠に入れた。足も丈夫じゃないのか?必死にカートを押して次の商品を籠に入れた。
『早くしろって言ってんだろ、置いてくからな』
乱暴な言葉を再び放ち、陳列棚を蹴る、他の買い物客もスーパーの店員も見て見ぬ振り、その男は20代後半に見える、何度も何度も店内に轟く声で『早くしろ、テメ~置いてくぞ』陳列棚が壊れるかと思う程蹴る。
怒鳴り散らす男の側に居るのは祖母に違いない、血の気のない顔(今にも泣きそうな表情)の祖母に『早くしろって言ってんのがわかんね~のか?』何度も陳列棚を蹴る。
『ちょっと、お年寄りに何て乱暴な態度なの、しかも陳列棚を蹴るなんて』と勇気を出して言ってやろうと、その男の真正面に私は立った。けど言葉じゃなくて、ただただ涙が溢れて子供のように泣いた。
そのお婆ちゃんが可愛そうで涙が出たのか?怒鳴る孫らしき男が情けないのか?訳が分からないが涙が止まらない。(本当は怖くて泣いたのかも?)
目の前で涙を流す私に驚いたのか、レジに向かって歩き始めた、お婆ちゃんも孫らしき男の後を必死に付いてった。
あのお婆ちゃんは雨が降ってなければ、1人で買い物にきていたのかもしれない、大雨だった為に一緒に暮す孫に頼んで買い物にきたのだろうか?
『早くしろ、置いてくからな』怒鳴りながら陳列棚を蹴る孫らしき男
自然と大量に涙した私、何であんなに泣いたんだろう?
きっと
あれでも可愛い時代があったんだよね
今でも可愛いから孫の為に買い物してるんだよ
けど
オラ~あんな孫イラネ~