ここにある国東塔は「百数十基あるといわれている国東塔の中でもっとも優美である」と写真集「国東半島」(写真:堀内初太郎 文:戸井田道三 毎日新聞社)に書かれていましたので、ぜひとも見てみたとの思いにかられ訪ねた次第です。
仁王様のお出迎え
仁王様の後ろに鳥居が見えるところが神仏習合発祥の地らしいです。
仁王様はお寺の表門に立って仏敵の侵入を防いでいるといわれています。
「よく来たね」とばかりに片手を上げてのお出迎え
吽形なので口はとじたままで…
鳥居の右手が岩戸寺です。
岩戸寺
境内をくまなく探したのですがお目当ての国東塔が見当たりません。
それならばと神社の奥へと石段を登っていくと
石段の脇にありました!
これが写真集に「もっとも優美」と紹介されていた、最古の国東塔です。
別の角度から
境内にはこれ以外にも
さて、岩戸寺は修正鬼会で有名なのですが、その舞台になる茅葺きの講堂がこの奥に建っていました。
中をのぞくと
薄暗い中に
木造の薬師如来様がいらっしゃいました。
国東市のホームページには
「 12世紀前半頃の制作と思われる。榧材・螺髪彫出、髪際一文字彫眼、頭体部は一木で彫られる。前腰・膝はよせかけている。衣分流麗で線は浅いがノミ跡は強く鋭い。(高さ 95.4cm)」とありました。
上から見た講堂
茅葺きの屋根が周囲の緑とよく調和しています。
石段を登り切ったところに六所権現がありました。
今度は狛犬様のお出迎え
邪心あらば咬むぞとばかりに聖域を守っているようです。
社の前の立派な檜
この斜め下に建つ薬師堂
こちらの堂には鍵が掛かっていて扉が開きません。
扉の格子から中をのぞくと
ここにも薬師如来がいらっしゃいました。
先ほどの講堂は鍵が掛かっていなかったのですが、こちらは厳重です。
そのわけは、薬師堂の薬師如来は作られた年代が古く平安末期と推定され、県指定の有形文化財に指定されているそうです。
(講堂のは作られたのが鎌倉時代で、市の文化財)
お堂の裏手
アーチ状の岩
裏側から見たら
境内は実に厳かな雰囲気が漂っていて、心が洗われる思いがしました。
大満足で石段を下ります。
これで岩戸寺見学は終わりの予定でしたが、出発前にトイレに立ち寄ったらその前に説明板がありました。
なんと
「石幢」と書いてあります。
何ということでしょう、不覚にも見落としているではありませんか。
私は石幢に、とりわけ「六地蔵石幢」に大変興味があり、一昨年は諫早中の石幢を訪ね歩いたものでした。
石幢を見るには、またあの石段を登ることになります。
連れに
「どうする」と尋ねたら、
「ここで待っているね」と予想通りの答えでした。
一人、再び石段を駆け上がり石幢を探しました。
国東塔にばかり目がいっていて、石段右手の石幢を見落としていました。
ふつうの石灯籠と思っていたらとんでもありません。
それはそれは、きれいな石幢でした。
六地蔵
そして阿弥陀如来
さらに閻魔大王
これはもう興奮ものです。
私がこれまで見てきた石幢は「六地蔵石幢」の名前の通り、龕部が六体の地蔵様(六地蔵)だったのですが、ここのはさらに阿弥陀如来と閻魔大王も加わり、龕部が正八角形の構造なのですから。
帰ったら史跡探訪でお世話になっている先生にさっそくお尋ねしようと思いました。
さらば石幢
興奮を抑えながら駐車場に戻ると車内の温度を下げるために、連れがドアを全開で待ってくれていました。
それにしてもガランガランの駐車場
さらば岩戸寺
ステキな空間で、満ち足りた時間を過ごすことができました。
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