崖の上にずらりと並ぶ磨崖仏
この崖の下が凹んでいて、そこにも大きめの磨崖仏がありました。
十一面観音だそうですが
確かに、頭の上にお顔がいっぱい
脇侍も彫ってあり、左に持国天
右に多聞天
横にはくぐり抜けられる穴があって
その向こうの崖にも石仏が続いていました。
ここのは顔が傷んでいます。この壊され方は廃仏毀釈の爪痕でしょうか。
他の所は大丈夫でした。
奥の方まで磨崖仏は続いているのですが、崩落の危険があると言うことで途中で通行止めに。
引き返して
案内板を読むと不動明王も彫ってあるとのこと、さっそく見に行きました。
ここです。
案内板がなかったら見過ごすところでした(石仏が多数あるので)
不動明王
左に制多迦童子(せいたかどうじ)
右に…
不動三尊なので、右には矜羯羅童子(こんがらどうじ)を従えているはずなのですが…
じーっと見ていると何となくお顔が見えてきました。
風化で消滅しかけています。
もう一度制多迦童子に目をやると
驚きの発見です。
手に蛇を持っているではありませんか。
ふつう制多迦童子は金剛杵と金剛棒を持っているのですが、蛇を持った制多迦童子は初めてです。
仏教の世界では、制多迦童子は性悪な少年ですが、ここの制作者は蛇を掴んだ腕白少年にすることで制多迦童子を表現したということになります。
作者が意図したのは、蛇を振り回して女の子達をキャーキャー言わせている意地悪な童子か、それとも仏教で執着、嫉妬、淫欲の象徴とされる蛇をも恐れずに捕まえて不動明王をお守りしているやんちゃな童子か。
蛇を手にした制多迦童子は他にもあるのでしょうか?
もし他にないのであれば、これは鵜殿窟だけのユニークな制多迦童子ということになります。
これは調べてみる価値があります
新たな課題発見です。
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