今回はやや抽象的な「区分」について書いてみようと思う。
牡羊座から始まる、いわゆる「黄道12星座」はそれぞれ3種類の区分分けがされていて、それにより異なる性質を帯びている。
- 男性と女性、陽と陰を表す2区分(ポラリティ)
- 行動傾向を表す3区分(クオリティ)
- 価値観を示す4区分(エレメント)
ホロスコープ上におけるサインを見る際は、この区分というのが読み方の基本の部分となっている。私が人の占いを行う際に、真っ先に確認するのがこれだ。
いくつかの例を挙げると
牡牛座:2区分→陰 3区分→固定宮 4区分→地
天秤座:2区分→陽 3区分→活動宮 4区分→風
魚 座:2区分→陰 3区分→柔軟宮 4区分→水
といった具合だ。2区分は陽と陰で6ループ分、3区分は活動・固定・柔軟で4ループ分、4区分は火・地・風・水で3ループ分だ。
今回も具体例と共に見てみようと思う。私の出生図ではなく、別な人の出生図から区分分けについてを考えてみる。
こちらは1989年9月11日、島根県佐田町に生まれた人を想定したホロスコープだ。現在33~34歳であろうか。
区分の対象になるのは太陽☉、月🌙、水星☿、金星♀、火星♂、木星♃、土星♄、天王星♅、海王星♆、冥王星♇の10個。
それぞれが示すサインを見てみると
太 陽:乙女座 ♍ 月 :山羊座 ♑
水 星:天秤座 ♎ 金 星:天秤座 ♎
火 星:乙女座 ♍ 木 星:蟹 座 ♋
土 星:山羊座 ♑ 天王星:山羊座 ♑
海王星:山羊座 ♑ 冥王星:蠍 座 ♏
となっている。これを区分けすると、以下の通りだ。
2区分:陽→2個(水星、金星)
陰→8個(太陽、月、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星)
3区分:活動→8個(月、水星、金星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星)
固定→0個
柔軟→2個(太陽、火星)
4区分:火→0個 地→6個(太陽、月、火星、土星、天王星、海王星)
風→2個(水星、金星) 水→2個(木星、冥王星)
上記のようにまとめ終わったら、今度は実際に読んでみよう。
まず2区分は陰の要素が強く出ている。
2区分は「陰と陽」という古来中国から続く思想が元になっている。万物には全て陰と陽の要素が存在するという考えから来ている。
陰が強いということは、女性的な性質を帯びているということだ。
単語にすると「女性的、暗い、冷たい、静か、実感」などがあげられる。マイナスなイメージの方が強い印象を受けるが、内で感じて現状をじっくり味わう性質を持っている。
次に3区分だが、こちらは活動の割合が極めて高い。
3区分は主に「行動傾向」を表すのだが、この方は活発に行動していくタイプだと考えられる。偏り具合をみても、行動力の高さが一つの武器になる。
柔軟が2つでわずかながら機転も聞くのだが、固定が0というのも気になるところだ。じっとして構えているのが苦手で、忍耐力や継続力の無さが際立っている。極端なので、解釈は行いやすいのだが...。
最後に4区分。こちらは地が優勢で、次に風・水が続いている形だ。
4区分は「その人の価値観」を表している。地の要素が多い場合は、現実的で地に足ついた価値観が強く出る。少々頑固だったりいじっぱりな面もあるが、自身の感覚・経験を頼りに行動出来る点が魅力的だ。
火の要素が0となっているが、これは積極性や自分から切り開く能力などを示す。行動力自体はあるものの、自分から新たに切り出したり開拓していく能力が弱いと考えていい。
現実を見据えた改善能力や支えていく力が強く出るだろう。
それぞれを纏めて読む必要はないのだが、ここまで見て来ただけでもこの人の持つ「人間性」というのが見えてくる。
例えるなら、化粧における「ベースメイク」となる部分だ。
そしてここから、各惑星の性質について詳しく見ていく事になるわけだ。
占星術の本で各惑星の話に移る前に、必ずと言っていいほど持ち上がるのがこの区分。
基本であるからこそ、しっかりと形を捉えて理解していきたいものだ。