コリーの大家族が棲む家

ラフコリーの大家族が暮らすマザーレイク犬舎。7世代にわたるラフコリー達との日々の暮らしを画像で綴ります。

犬の膀胱癌

2013-11-27 | 病気・健康管理

コリー専門 マザーレイク http://homepage3.nifty.com/mother-lake/

検索ワードで「犬 膀胱癌」で検索して、このブログにたどり着く方が多くいらっしゃいます。ローズが膀胱癌だったので、その頃の記事にヒットするからだと思いますが。

ローズが膀胱癌と診断された時の私もそうでした。何か情報が欲しくて、必死に検索をしました。けれど、犬の膀胱癌に関する記事はとても少なく、症例や治療経過などを記述した記事は数件しかありませんでした。

それもそのはず、膀胱癌は犬の癌全体からいうと、それほど多いものではないからなんです。けれど、コリーとシェルティーに限って言えば、そうとは言えないみたいで、コリーとシェルティーは膀胱癌発症率が他の犬種より高いということなのです。

ローズの闘病記録は、最後の2か月ほどの間、ほぼ毎日、詳細に記事に残してあります。けれど、一部の方達に限定公開にしてあるので、 検索してこのブログに来てくださった方には、申し訳ないのですが、公開することはしていません。

ネットでは、誰もが同じ視線で見ていてくださっているとは限りません。闘病の記録は、当時の私の思いやいろんなことを正直に書き留めておきたかったので、限定公開記事にしました。

でも、藁をもつかむ思いで検索して来てくださっている方のお気持ちは良くわかります。なので、当時私が膀胱癌について調べた範囲の事を、一通り書き並べてみようと思います。

膀胱癌の発症リスクについて
先に述べたとおり、膀胱癌は犬の癌の中では少ないということですが、コリー&シェルティーには多く発症するがんです。発症リスクが高い要因としては「10歳以上の高齢で、避妊済みの牝」だそうです。避妊済みの子は、そうでない場合の数倍の発症率になるそうです。ローズはこのすべてに当てはまっていました。

膀胱癌の症状
初期のうちは膀胱炎と同じ症状で、しかも、膀胱炎の治療(抗生剤や消炎剤など)で一時的におさまるため、膀胱癌と気づかないのだそうです。ローズもその通りで、年に数回膀胱炎になっていましたが、その都度、抗生剤で症状がおさまっていましたし、膀胱炎は再発しやすいので、まったく疑っていませんでした。

症状が進んでくると、頻尿や血尿が酷くなったり、それまでの治療に対する反応が鈍くなります。ローズの場合もそうでした。夜間は一度も排尿はしなかったのに、1,2度シーツに形跡があり、ごくごくわずかに血液のようなものが混ざっていたので、いつもの膀胱炎だと思って病院に行きました。
そしていつものように、抗生剤が処方されたのですが、1週間続けても頻尿は止まらず、薬を代えて更に1週間続けても治りませんでした。その時初めて、「まさか・・・」という思いがよぎり、エコー検査をお願いしたのです。

膀胱癌の診断
膀胱癌は重度になると、尿の中に癌組織がでてくるので、尿沈渣の検査をすれば診断できます。ほとんどは酷い血尿になるそうですが、ローズの場合は見た目にはほとんどわからないくらいで、検査値を見るとツープラスくらいになっている程度でした。

通常の尿検査では、膀胱炎か膀胱癌かの診断はできませんし、血液検査をしてもわかりません。CTやMIRなら確実ですが、エコー検査でもわかります(ただし、ごく初期の場合はわからないと思います)。

エコー検査は膀胱に尿が溜まっている状態で検査します。もちろん、麻酔などはいりません。エコー検査機器があれば、その場でやってもらえるはずです。ローズの場合、エコー検査で膀胱内に何か塊があることが判明し、おそらく膀胱癌であると診断されました。その時の大きさですが、およそ1.8×1.5cm位だったと思います。

膀胱癌の多くは悪性です。膀胱のどこにできているか?により、手術が可能かどうかわかれるそうですが、ほとんどの場合、手術してもしなくても寿命は変わらないのだそうです。よほど運が良く、ごく初期に発見できて、しかも尿道や尿管に近い場所でない場合に限って、手術可能なのでしょうけど、予後は良くない事が殆どだそうで、結果的に手術してもしなくても、余命は変わらない・・・ということになるようです。

膀胱癌には大きく2種類あり、悪性度がより高く、転移しやすいタイプと、悪性だけど転移は比較的少ないタイプがあるそうです。ローズのように、盛り上がっているタイプは見た目には悪そうなのですが、転移は比較的少ないタイプということでした。

膀胱癌の治療
残念ながら、手術は不可と考えたほうがいいと思います。MRIやCTでやっと見つけられるような、ごく初期の段階なら可能なのでしょうけど、その頃はまだ症状がでていないので、何かの偶然でもない限り、難しいでしょう。
ですので、治療・・というより、延命治療と言った方がいいと思うのですが、幸い、膀胱癌にはある程度の効果が認められている薬があります。
ローズもずっと使っていたのですが、バキソという消炎鎮痛剤が、膀胱癌には一定の進行を抑える効果がみとめられています。もちろん、すべての症例に・・というわけじゃないのですが。バキソは飲み薬です。
他に、抗がん剤を膀胱に注入する治療などもあるそうですが、コリーは薬に対して副作用が出やすいということもあり(特に抗がん剤は)、ローズの場合は選択肢にいれませんでした。

膀胱癌が尿道に転移したりして、尿が排出できず、膀胱が破裂してしまう可能性がある場合、ステントを入れることにより、症状を緩和する治療もあるそうです。ステントは動脈硬化などの治療に用いられる、コイル状のものです。これを挿入して内壁を広げることにより、通りをよくします。

膀胱癌の予後
残念ながら、膀胱癌には確実な治療法はなく、延命が精いっぱいです。多くは血尿などの激しい症状が続き、膀胱癌と診断されてから3か月くらいが余命なのだそうです。
ローズは診断から8ヵ月生きました。激しい血尿などの症状は最後までありませんでしたが、頻尿は悪化していました。最初の半年間は安定していて、頻尿と、検査でやっとわかるくらいのわずかな血尿だけでしたので、ごく普通に生活していました。たぶん、発見したのが比較的早かったので、バキソが功を奏していたのかもしれません。

ローズが膀胱癌と診断されてから、2つの病院にかかりましたが、どちらも「末期になれば、場合によっては安楽死も・・」と言われました。それだけ、普通はかなり辛い末期なのだと思います。膀胱が癌で満たされ、尿道や尿管が閉鎖することにより、腎臓破裂、膀胱破裂などに至る・・と言われました。
ローズの癌は腎臓から尿が届く尿管に近い場所にできていたようです。亡くなる1か月ほど前に急に症状が悪化し、それまで旺盛だった食欲が落ち、腎臓の数値が悪くなりました。癌が大きくなったために、尿管が狭くなり、尿が腎臓に逆流し、水腎症を起こしていたのです。

それでもローズは、最後まで好きな物なら喜んで食べてくれました。腎臓の数値が悪かったので、当初は療法食を与えていたのですが、それはすぐにたべなくなりました。無理に療法食を食べさせるより、食べたいものを食べさせてあげようと思い、それからはお菓子でもから揚げでも、何でも食べられるものを食べさせてあげました。

最期は公開記事に書いてある通り、私がそばにいない間に、眠るように旅立っていきました。その2時間前まで、朝ごはんのお肉をぺろりと平らげ、大好きな芋けんぴもオヤツに食べていたんです。ヨダレもなければ、苦しそうにもがいた形跡もなく(毛が乱れていませんでした)、おそらく、心不全だったと思います。その数日前から、少し動くだけでチアノーゼを起こしていましたから。腎不全が心臓に負担をかけていたからだと思います。

ローズが教訓として残してくれたこと。

シニア世代になって膀胱炎を繰り返すようになったら、エコー検査を半年に1回は必ずやること。
ガンと診断されても、すぐに手術と考えず、慎重に調べること(これはつっちゃんにも教えてもらいました)。
避妊について相談を受けた場合、膀胱癌についての説明を必ずすること。

 

以上ですが、もう3年前の事なので、書き忘れていることもあるかもしれません。膀胱癌に限りませんが、10歳を過ぎて犬が癌になったら、そのまま静かに見届けることも重要な選択肢であると思っています。それは決して「見捨てる」ということではなく、「選択」です。

    

それでは、今日は先日のお客様写真をUPします(^_^)v

 

 

 前日の疲れはどこに?元気いっぱいケースケ君。

 

なんと、みおちゃんが王子に転がされてる??

 

・・・な、わけないよね~。早速、倍返しされていました(^_^.)

  

 逃げるフィリップ王子!いつもながら、情けない奴。

 

 それを見て、続々と参加してくるみなさん。

 

 

誰が誰を追っているのやら・・・・(*_*;

 

ますますヤバい、王子君(+o+)

 

 

みおちゃんに追いつかれた!!というところで、ケッケが妨害に入り、なんとか逃げ切った王子でした(T_T)

 

 

こっちではジロちゃん(フェザー)がワカチーにパンチ攻撃中・・・

 

 

みなさん、家の中と外を自由に行き来して、走り回っていました。

 

コリーって、本当に鬼ごっこが好きだよね~。

 

 

あっちでは「王子狩り」、手前では「みお狩り」(^0_0^)

  

もう、ごちゃごちゃです(゜o゜)

 

 

ワカチー以外、全員参加してます。

 

 

ヴィー婆ちゃんまで張り切って参加していました(*_*;

 

休憩中のレインとりんちゃん。生後5か月まで一緒にそだったので、この二人は喧嘩をしたことがありません。

 

 りんちゃんとジロちゃん(フェザー)。知る人ぞ知る、異母姉妹!

外見は似てないけど、なにかと挙動がそっくりで笑える(^_^.)

 

 

オカマになったおかげで、ラムさんに付き纏わなくなったワカチー。

おかげでずっと一緒に遊べてご機嫌♪

 

 

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18 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
興味深く拝見しました・・・ (シェリーのパパ)
2013-11-27 17:40:28
私が今飼育している避妊済み♀も、一時膀胱炎なのか、出し渋る症状を何度か見せた時期があり、心配した事がありました。今はそんなそぶりは見せませんが、知識として頭に入れて置こうと思います。
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尿石症予備軍 (メイの母)
2013-11-28 00:18:34
やはり、シェルティやコリーは比較的、膀胱関係がよわいんですかね?
我が家は、みんな避妊手術をしてるけど、避妊手術が多少なりとも影響してるのか、フレア以外尿石症予備軍です
キアラが原因不明の炎症数値の異常があったり、尿漏れをきっかけに、尿検査をしてもらったら、ストラバイト結晶が
遺伝ということもあるので、つきもしてみようということになって、そのついでにアンリーもしてもらったら、これまたストラバイト結晶が(-.-)
それ以来、3匹とも定期的に尿検査をしてます
直接膀胱から採尿(注射器で)して、検査をした方が正確な検査結果が出るということで、何回かに一回は、エコー&採尿で検査をしてもらってます

3匹とも、全く膀胱炎などの症状がなくて、たまたまの尿検査で判明したのだけど、早期に判明してるので、早めに対処できて良かったです
キアラは常に低比重で、尿漏れをしょっちゅうおこすし、でも尿検査も血液検査も外部検査にだしても、異常は見られず、でも腎臓にいずれは異常が出ると思っておいた方が良いと言われました

つきはストラバイトが2回出ただけで、いつも異常なしです

なので、フードもいろいろ試してみたけど、PHケアやコントロール食でないと、ph値が上がったり、結晶が出たりなので、キアラもアンリーも体質なんでしょうね
なので、予防を兼ねて3匹とも療養食です(-.-)

膀胱がん、将来的になる可能性があると、頭に入れておかないといけないですね


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Unknown (マグノリア)
2013-11-28 00:19:59
大分ご無沙汰しています。
本当に久々にゆっくりPCを見る時間が取れたので
ブログ拝見しましたが…。

パーちゃん…逝ってしまったのですね。
いつも思いますが、KISAKIさんは本当に凄いです。
最期の最期まで、最善を尽くし、看取ってあげる。
(あげる、というのは悪い意味ではありません)
パーちゃん、とっても幸せだったことでしょう。
KISAKIさんのところに生を受け、また、来た子は
本当に幸せ犬だと思います。

ガンの記事、タイムリーだったので参考になります。
≫「見捨てる」ということではなく、「選択」
この言葉に本当に救われました。
(知人のワンコがリンパ腫になってしまったので…)
余命わずかですが、8歳ですし、抗がん剤の効果も
やってみないことには分からないようですが
相当辛いようですので、迷っているのです。
この言葉を教えてあげようと思います。

KISAKIさんのブログがご縁で迎えた我が家のコリーも
顔が白くなり、黒い部分にも白い差し毛もチラホラと、すっかりお爺さんの域(推定8~10歳)になりました。
大型犬は本当に足腰に出ますね。
昔はビッコを引くことがなかったのですが
最近は時々足取りがおかしくなってきています。
それでも気持ちは若いつもりなので、急いで歩こうとして
ガクンと片足が急にヘンになったりします。

KISAKIさんのブログを参考に、大型犬の老犬との過ごし方を勉強したいと思います。

ここのところ、すっかり寒くなってきましたので
どうかお体ご自愛くださいね。
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癌に限らず (スコルママ)
2013-11-28 15:20:53
看取ることは精神力と体力を要するものだと思います。
KISAKIさんは短い期間にローズママに始まり、最愛のコリーズを看取り、虹の橋をわたらせていらっしゃいました。
つらいことも悲しいこともたくさんたくさん経験されていると思います。
我が家のコリーズもいずれは年を取り、病に侵されるかもしれません。その時はきっとコリーズにとっても、自分にとっても良い「選択」をしたいと思います。

これからもいろいろ教えてください。よろしくお願いします。
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Unknown (KISAKI)
2013-11-29 15:26:05
シェリーのパパさん
犬の癌は発見した時には末期ということが殆どなので、少しでも早く発見するにはどうしたらいいかが課題ですね。過剰な検査は負担を強いるだけですし。
9歳を過ぎたら、エコー検査位は毎年やってもいいかもしれませんね。
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Unknown (KISAKI)
2013-11-29 15:31:33
メイの母さん
避妊した子は膀胱炎や尿結石になりやすいということなので、膀胱癌の発症とも関係しているのかもしれませんね。
牝独特のホルモンが、尿結石を防ぐ作用があるみたいで、避妊によりそのホルモンが亡くなってしまうため、結石ができやすくなるようです。
確かに、卵巣癌や子宮蓄膿、乳腺腫瘍はなくなりますが、骨肉腫などの悪性の癌は避妊した場合の方が発症率が上がります。
尿石は体質にもよるので、遺伝も関係していると思いますが、フードなど、気を遣いますね。
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Unknown (KISAKI)
2013-11-29 15:37:51
マグノリアさん
こちらこそ、お久しぶりです。
パーは慢性気管支炎でしたので、いつどうなるか・・と覚悟はしていましたが、まさか夏に。。。という感じです。てっきり、冬に体調を崩すんじゃないかと思っていましたから。
ハジハジもパーも、今年のクリスマスはいないのだと思うと、とても寂しいです。
ハジメ日記にも書きましたが、犬の癌はよほど運が良くないと完治は難しく、手術をしても苦しむだけになってしまうので、結果的には何もせず、穏やかに自宅で看取るのが一番という事も少なくないと思います。
ただ、その「静かに最期を見届ける」というのは、飼い主にとってはとても辛い決断でもあるわけです。
結局・・どうしたらよかったのかなんて、誰にもわかりません。神のみぞ知る・・ということでしょうか。
ただ一ついえることは、犬はすべてを受けいれるということですね。どんな決断でも・・・
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Unknown (KISAKI)
2013-11-29 15:41:28
スコルママさん
愛犬の最期を看取るという事は、誰しもが願うことですよね。見たくない・・なんてい人は少ないんじゃないでしょうか。
けれど、看取ってしまうと、それはそれでとても辛いものです。残された方は、その覚悟をして、看取ってあげなくてはならないのだと思いました。
マーキュンの面影を思い出させてくれたスコル君には、最低でもマーきゅんと同じくらい長生きして欲しいと願っています。
返信する
勉強になりました (スヌベル)
2015-03-12 13:19:47
シェルティで二歳4ヶ月です。
昨年の膀胱炎の時は、お薬3日で治りましたが、先月膀胱炎が再発し一週間で治ったかな?位で様子をみましたら、すぐ再発し昨日エコーにより腫瘍が発見されました。二週間抗生剤飲んで再度検尿とエコーで、カテーテル手術かどうか相談になります。そんなに、生存率が低いとはびっくりしました。
読ませて頂き勉強になりました。
ありがとうございまし。
返信する
貴重な情報ありがとうございます (ルル)
2015-06-30 18:00:07
思い出すのも辛のに文章にしていただきありがとうございます。
わが家の犬だけなんで!と、泣いてばかりでした。
心構えや覚悟ができました。
返信する

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