8/26(日)~27(月)の2日間、十勝の上士幌町で木育マイスター育成研修を実施しました!
この研修は、平成22年から北海道庁水産林務部の委託を受けて実施しています。
「木育」とは、「子どもをはじめとするすべての人が『木とふれあい、木に学び、木と生きる』取り組みです。
木育プログラムを作成したり、コーディネートしたりできる人材(木育マイスター)を育成するのが
この研修の目的です。今年は、十勝会場と道南会場の2会場で実施します。
今回は、十勝会場第1回目!会場は上士幌町の糠平温泉文化ホールです。
8/26(日)
1.「木育の理念」 10:00~12:30 煙山泰子講師(KEM工房主宰・木育ファミリー代表)
まずは、煙山講師による、「木育」の理念についての講義です。
「木育」とは、「木」で人の心を「育」むこと。
「木」には「立ち木(緑)の木」と、「木材(茶色)の木」があり、その二つはメビウスの輪のように
つながっていること。
木育マイスターとは、そのことを理解し、その二つをつなげていける人であること。
木と、人を、つなげていける人になること。
そして「木育の玉手箱」で、実際に木にふれてみます。
↑10倍のルーペで木の断面を見ているところ。
木の種類により、重さも、固さも、色も、においも、違います。木には、ひとつとして同じものはありません。
自分の五感を目覚めさせ、木にふれていきます。
2.体験学習法の理解 13:30~15:00 宮本英樹講師(NPO法人ねおす理事)
午後からは、ねおす理事の宮本による講義です。
「聞いたことは忘れる、見たことは覚える、やったことはわかる、見つけた(発見した)ことはできる」
↑老子の言葉です。実際にやってみて体験することで、人は理解を深め、記憶に残り、行動していきます。
木育マイスターが木育プログラムを行う時に、この「体験」がとても重要になってくるわけですが、
それを実際に体験するため、受講生は外に出ました!
実際に木にふれ、葉っぱにさわり、においをかぎます。
トドマツの幹のふくらみを押すと、マツヤニが出てきました!受講生はそのにおいをかぎ、
五感を刺激されます。実際に体験したマツヤニの清冽な香りは受講生の記憶に今後も残り、
「体験学習」が重要なことを身をもって学んでいただけたと思います。
アイスブレイクも兼ねたこの講義で、受講生もだいぶリラックスしてきたようです!
3.木と生きる~人の成長と木の関係~ 15:00~17:00 上田融講師(NPO法人ねおす理事)
次は、ねおす理事の上田による「人の成長と木の関係」の講義です。
「知ることは感じることの半分も重要ではない」(レイチェル・カーソン著「センス・オブ・ワンダー」より)
感じること、感覚的に刺激を受けることで、子どもたちは感性を育み、成長していきます。
刺激にあふれた自然は、子どもたちの感性を育む最高の遊び場なのです。
上田講師は、日頃から子ども達を自然に連れて行く、自然体験活動を行っています。
今日は、その導入の手法を見せてもらいました。歌やタンバリン、絵本、絵本の中に登場するキャラクターの
人形などを使って、子ども達を上田ワールドへ引き込み、自然に森の中へ誘導します。
生まれて初めて、と言っていいくらい森が初体験の子ども達を森へ連れていくには、まず導入が大切!
上田講師の導入で、大人の受講生も事務局の私も、そのまま森に入って行きたい気持ちになりました。
1日目の研修はここまで!この日の夜は懇親会を行い、朝起きたら2日目の研修の始まりです☆
8/27(月)
4.木とふれあい、木に学ぶ 9:00~11:30 河田充講師(NPO法人ひがし大雪自然ガイドセンター)
2日目は、河田講師の北海道の森林の特徴などについての講義です。
長靴をはき、ぬかびらの森の中に出かけます!
森に入ってすぐ、風倒木がありました。木が倒れることでそこに空間ができ、新しい稚樹が育ちます。
光を求め、日陰にある針葉樹は横に葉を伸ばします。森の中は光を求める植物たちのせめぎあいです。
森の中の案内板に、クマの歯形がありました!クマとヒトとの距離をとても近く感じるぬかびらの森で、
木のこと、種子のこと、菌や動物のこと、森の成り立ちのこと、などなど…盛りだくさんな内容でした。
三国峠の方へ移動し、森を上から眺めます。上から眺めると、森が、針葉樹と広葉樹が混じった
「針広混交林(しんこうこんこうりん)」であることがよくわかります。木の上の方にあるエゾマツの実も
よく見えました!上から森を見ることはなかなかないので、貴重な経験となりました。
5.木とふれあい、木に学ぶ 12:30~13:30 上島信彦講師(キタヂカラ木材店)
午後からは、上島講師による、木材の性質の講義です。
まずは、木はストロー??!
写真ではわかりにくいですが、ボウルに入れた水に木材をつけ、ふ~っ!と、力いっぱい息を吹き込むと、
反対側からプクプクと小さな泡が…!木には、ストローのように穴があいているんですね!!
そんな楽しい話題から入り、木に含まれる二酸化炭素の話、材が乾く時の伸縮・反り・割れなどの話など、
なかなか難しい話題まで、いろんな木の性質についての講義を受けました。
6.木と生きる~暮らしと産業~ 15:00~17:30 工場見学(オムニス林産協同組合)
最後は上士幌町から幕別町に移動し、工場見学です!森から切り出された木が、どのように
製材されているのかを見学します。見学させていただく工場は、幕別町のオムニス林産協同組合さんです。
オムニス協同組合さんは、数社の企業で構成された組合で、カラマツ材の有効利用に取り組んでおられます。
高次加工システムラインにより、常に一方向に原木を送り、戻り時間がないので、とても効率よく製材できる
そうです。
↑原木のサイズや強度などが測定され、選別されます。結構な早さで木が流れていきます。
↑すごい速さで、木が角材に製材されていきます。切り離された部分は、チップになります。
製材された材は、乾燥室に入れて乾燥させ、必要ならば塗装加工して出荷されます。
なかなか製材工場を見学する機会もないため、受講生のみなさんは興味津々で見学していました。
最後にまとめをして、2日間にわたる十勝会場第1回目の研修は終了しました。
次回の第2回目研修では、「木と生きる」の続きと、実際に自分たちで木育プログラムを作成する、という
カリキュラムです。次回もよろしくお願いいたします!
(酒井)
※今回使用したテキストは、北海道・木育プログラム等検討会議で作成された、「木育達人(マイスター)入門」
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/rrm/mokuiku/mokuikumaisuta-nyuumon.htm
と、平成22年度の研修を受けてねおすが作成した、「木育活動ガイド」
http://www.mokuiku.net/4_katsudou/4_katsudou_35.htm
です。
8月は「おとまりようちえん」のみでしたが、9月のイエティくらぶ(下記)は森と山を楽しみます
小学生向け → もりの秘密基地づくり 9月1日(土) ユースの森にて
幼児親子向け → 秋色やまのようちえん 9月9日(日) 三角山・あっぷる山荘にて
会員でない方も参加でき、参加費にプラス1,000円になります。
お申し込み・お問い合わせは、NPO法人ねおすまでどうぞ。
TEL:011-615-3923 FAX:011-615-3914
E-mail: yeti-club@neos.gr.jp
今日は幼稚園の自然探検で小樽ドリームビーチへ。
カニはいなかったものの魚影をみんなで追いかけたり、
貝殻を拾ったり楽しみました。
気温も高かったのでみんな最後まで楽しく海遊びしていました!
カツオこと高野克也