リカッソ ricasso剣身の根元、鍔から十数センチ-数十センチのところでここはわざと刃をつけていない。手入れのとき、不用意に怪我をしないため、また、鍔近くで切ることはないので刃が不要であること、ハーフグリップ、ハーフソードというリカッソを持って使う棒術的な扱いがあることが理由。とくにロングソードにおいてイタリア剣術では「リカッソを長く取るように」とある。実際刃の付いた部分は切っ先から1/3ほどであった。
切れ味
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西洋剣は切れないといわれる。確かにロングソード等甲冑用の剣は切れない。甲冑相手では刃が有ってもあまり意味がないからで、槍など貫通力のある武器の方が有用視され、剣の用途は殴打などになる。従って、「切れなかった」というよりも「切れる必要がなかった」と見るべきである。そのほかの剣は実は非常に切れ味が良い。
- 実験映像ではスコティッシュ・ブロードソードやナポレオン時代の騎兵サーベルは片手で直径40cmほどのつるされた肉塊を両断できる。
- 水を入れたペットボトルを下半分を残したまま、切とばす。サーベルは手首の返しだけで肉に裏刃を10cmほど切り込ませる。
- レイピアは片手の突きだけで肉の裏から切っ先が30cmほど突き出る。
- 両手剣(ツーハンドソード)の突きは自動車のドアを貫通させる。
- ロングソードは一撃で平らに置いた電話帳を両断し、吊るした牛の大腿部(大腿骨)を切断する
剣の持ち方
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十字鍔のあるブロードソードでは十字鍔に人差し指を引っ掛ける持ち方がある。中華の剣も同様にして持つ。これは安定はよいが指が危険なので指環ができた。
実存するいくつかの片手剣のグリップはとても短い。また握りにあるグリップは指の凹凸と一致しない(たとえばグラディウスなど)それゆえ当時の人は手が小さかった。などという説もあったが※これは遺骨などの研究によって否定されている。いまではロングソード同様に、親指を立てて剣の峰に沿わせて持っていたと考えられている。しかし、残された絵画ではこのような表現は発見されておらず、論争になっている。
※ローマ時代のローマ人は150cmほどだったといわれる。そしてゲルマン人は180cmほどだった。ローマ人から見ればゲルマン人は巨人であった(人間の眼の位置は頭頂部から20センチ下がる)。
レイピアは、手の甲を上にして、ポンメルが手首に下から押し上がるようにして持つ。こうすることで、手首が作用点、指が支点となり、重い剣先でも水平に保てることができる。初期では普通に柄を持っていたが、中期では人差し指を鍔にかける持ち方が登場し、指を守る指環がつくようになった。ルネサンスのレイピアでは、左右に付いたこの指環に中指、人差し指を引っ掛け、V字の間に柄を挟みこむような持ち方や、指環に人差し指一本もしくは人差し指・中指の二本を、銃の引き金にかけるように、引っ掛ける持ち方が出てきた。前者はイタリア式の持ち方で、一時期フェンシングでも使われたが、指の負担が大きく廃れた。
ドイツ剣術におけるロングソードの持ち方には、二つある。一つは親指の付け根、人差し指と親指のV字型になっている谷の部分(手相の知能線の入口)に、柄の裏刃側(片刃でいう峰側)をあわせて持つ方法。もう一つは、四指の付け根の関節、つまり手の甲に四つ突きでた関節の裏側(手相でいう感情線)に、へりを合わせて、親指を立てて持つ方法。親指を左右にスライドさせることで、剣の表刃、裏刃を滑らかに切り返せる上、親指で支えることで握りが安定する。このイメージは替え刃カッターの送り刃スライドを親指でチキチキと押し出した時と同じ持ち方で、親指で剣を支えるのだ。
バックラーとブロードソード
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バックラーは直径25cmほどの小さな盾であり、ルネサンス時代まで、とりわけ弓兵や一般兵に好んで使用された防具である。
軽く小さいバックラーは機動性が高く、中型以上の盾とは全く異なり、自分から相手の剣に当てていく使い方をする。そのため、盾の欠点である死角が生じないが、相手の攻撃を正確に読んで当てていく技術が要求される。気持ちとしては二刀流に近いが、バックラーを小剣にすると防御が難しい。これは腕を伸ばすことで盾の影が多く取れること(剣だと通常腕を曲げて構える)拳を中心とした前後左右で受けられるので目視誤差が少ない(小剣だと拳から上だけに限定される)が理由かもしれない。あるいは切っ先を相手に向けるとその分、ガード面積は少なくなる。
剣とバックラーのコンビネーションを扱った「I.33」においては、基本的にバックラーは柄をしっかりと持ち、腕を伸ばして、拳を相手に突きつけるように構える