映画の話
夏樹(大沢たかお)と寛子(伊東美咲)は、サーフィンを通じて知り合い、お互いに一目で恋に落ちた。意気投合した2人は付き合い始め、やがてハワイで挙式する。プロ・ウィンドサーファーの夫とともに世界中を回っていた寛子も、妊娠後にサーフィンを引退。子宝にも恵まれ、幸せな日々を送っていた彼らだが、ある日、夏樹が肝細胞ガンだと診断され……。
自在のプロウィンドサーファーの飯島夏樹のエッセイを元に映画化した作品だ。
映画の感想
映画全体が綺麗事ばかりに終始していてもどかしい。
私は原作を読んでいないので映画を元に書きますが、まず構成に難がある。
映画は起承転結で言う結の部分から始まり、話がさかのぼり時系列に進み、起承転結の起の部分で終わる。この構成の意味している部分は判らないが、時系列通りに描いた方が素直に感動出来たと思う。
映画は二人の出会いをバッサリとカットして、それまでの経緯を伊藤美咲演じる寛子にセリフで言わせて誤魔化しているのが気に入らない。ちゃんと大事部分なのだから短くてもいいので絵で見せて欲しかった。
ウィンドサーフィンのシーンも大沢たかおが演じているのか、スタントの人が演じているのかは不明だが、ウィンドサーフィンをする姿を映す引きの絵と、大沢たかおの上半身と顔のアップを多用した絵作りが嘘くさくて駄目だ。
私が本作で一番気になったのは「お金」の話が映画から見えてこない。映画の始めこそ海外で金も無くホームレス同然の夫婦の生活が描かれているのだが、オーストラリアのワールドカップに優勝した後は、ハワイ在住のリッチな暮らしで、夏樹が病気になり日本に帰国して闘病生活を送るのだが、セリフによると「一年間に大きな手術を2回受けて、入退院を17回繰り返した。」と言っていたが、そのお金のやり繰りが見えてこない。ガン保険に入っていたとか、蓄えがあったとかセリフでもあれば良いのだが、主人が病に倒れたのに相変わらずリッチな生活だし、奥さんが働いている様子も見えてこないし、最後はまたハワイに移住している。
次にお父さんが難病なのに子供達がヒョウヒョウとしていて、長女の小夏だけが動揺していたが、下の子供達は終始楽しそうだし、葬式でも泣いてなかった。
それから奥さんの寛子もセリフで「あなたの下の世話も出来て良かった。」みたいなことを言っていたが、ちゃんとそのシーンを作れよ!そのシーンが入る事で映画として奥行きが出るのに汚いことには蓋をする姿勢が駄目だ。伊藤美咲ではセリフで言うのが限界か?
それでも一つだけいいシーンがあった。夏樹が死の恐怖に耐えられず、町を徘徊して道路に飛び出し大型ダンプにはねられかけられるシーンがあるのだが、大抵このようなシーンはトラックの運転手が高圧的に「バカヤロー!何処見てんだ!」とか怒鳴るパターンが多いのだが、本作の運転手はトラックから降りてきて「おい、大丈夫か?」と相手を気遣うシーンがあったのが唯一の救いか・・・。
映画は一人の人間の人生の大事な部分だけを汲み取りダイジェスト的になるのは仕方が無いとしても、ちゃんと負の部分も描かないと駄目だ。綺麗事だけ見せて感動しろって言うのもどうかと思う。監督の力量不足をヒシヒシと感じる作品であった。
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夏樹(大沢たかお)と寛子(伊東美咲)は、サーフィンを通じて知り合い、お互いに一目で恋に落ちた。意気投合した2人は付き合い始め、やがてハワイで挙式する。プロ・ウィンドサーファーの夫とともに世界中を回っていた寛子も、妊娠後にサーフィンを引退。子宝にも恵まれ、幸せな日々を送っていた彼らだが、ある日、夏樹が肝細胞ガンだと診断され……。
自在のプロウィンドサーファーの飯島夏樹のエッセイを元に映画化した作品だ。
映画の感想
映画全体が綺麗事ばかりに終始していてもどかしい。
私は原作を読んでいないので映画を元に書きますが、まず構成に難がある。
映画は起承転結で言う結の部分から始まり、話がさかのぼり時系列に進み、起承転結の起の部分で終わる。この構成の意味している部分は判らないが、時系列通りに描いた方が素直に感動出来たと思う。
映画は二人の出会いをバッサリとカットして、それまでの経緯を伊藤美咲演じる寛子にセリフで言わせて誤魔化しているのが気に入らない。ちゃんと大事部分なのだから短くてもいいので絵で見せて欲しかった。
ウィンドサーフィンのシーンも大沢たかおが演じているのか、スタントの人が演じているのかは不明だが、ウィンドサーフィンをする姿を映す引きの絵と、大沢たかおの上半身と顔のアップを多用した絵作りが嘘くさくて駄目だ。
私が本作で一番気になったのは「お金」の話が映画から見えてこない。映画の始めこそ海外で金も無くホームレス同然の夫婦の生活が描かれているのだが、オーストラリアのワールドカップに優勝した後は、ハワイ在住のリッチな暮らしで、夏樹が病気になり日本に帰国して闘病生活を送るのだが、セリフによると「一年間に大きな手術を2回受けて、入退院を17回繰り返した。」と言っていたが、そのお金のやり繰りが見えてこない。ガン保険に入っていたとか、蓄えがあったとかセリフでもあれば良いのだが、主人が病に倒れたのに相変わらずリッチな生活だし、奥さんが働いている様子も見えてこないし、最後はまたハワイに移住している。
次にお父さんが難病なのに子供達がヒョウヒョウとしていて、長女の小夏だけが動揺していたが、下の子供達は終始楽しそうだし、葬式でも泣いてなかった。
それから奥さんの寛子もセリフで「あなたの下の世話も出来て良かった。」みたいなことを言っていたが、ちゃんとそのシーンを作れよ!そのシーンが入る事で映画として奥行きが出るのに汚いことには蓋をする姿勢が駄目だ。伊藤美咲ではセリフで言うのが限界か?
それでも一つだけいいシーンがあった。夏樹が死の恐怖に耐えられず、町を徘徊して道路に飛び出し大型ダンプにはねられかけられるシーンがあるのだが、大抵このようなシーンはトラックの運転手が高圧的に「バカヤロー!何処見てんだ!」とか怒鳴るパターンが多いのだが、本作の運転手はトラックから降りてきて「おい、大丈夫か?」と相手を気遣うシーンがあったのが唯一の救いか・・・。
映画は一人の人間の人生の大事な部分だけを汲み取りダイジェスト的になるのは仕方が無いとしても、ちゃんと負の部分も描かないと駄目だ。綺麗事だけ見せて感動しろって言うのもどうかと思う。監督の力量不足をヒシヒシと感じる作品であった。
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