偏差値最低、品性最悪の不良学生が集まる鈴蘭高校では、多数の派閥が覇権をめぐって勢力争いを繰り広げていた。現在の最大勢力は、3年の芹沢多摩雄(山田孝之)率いる“芹沢軍団”だった。そこへ、鈴蘭制覇を本気で狙う滝谷源治(小栗旬)が転入、鈴蘭OBで早秋一家矢崎組のチンピラ片桐(やべきょうすけ)と友人になり、勢力を拡大する。
いつもどおり原作の事は何も知りません。そんなこんなで大勢のキャラクターに頭が混乱しながらの鑑賞です。監督は相変わらず多作の三池崇史。
映画の感想
血気盛んな若者達が学校の天下を取るための抗争劇で、話は殆ど無いに等しく2時間10分は辛い。とにかく原作を知らない者にとって大勢のキャラクターの判別が難しく、誰が誰だかの整理から入るので感情移入しづらい。
三池監督らしいド迫力の乱闘シーンは素晴らしく、ただの殴り合いだけではなく、殴られた奴はただひっくり返るのではなく、机やロッカーや扉など物を巻き込んで派手に倒れるのが見ていて面白い。乱闘には飛び蹴りや足技なんかも入り立体的なアクションが凄い、クイック&スローを駆使した映像は「300スリーハンドレッド」並みの迫力だ。しかし、映画はそれだげで話が浅く、源氏とルカの関係も中途半端であるし、ヤクザの描写もイマイチだ。唯一良かったのは片桐の存在で、彼のおかげで何とか話が一本調子にならなかったのが救いであった。
それにしても山田孝之って背が小さいんですね。長身の小栗旬と一緒に写ると小ささが際立っちゃて可愛そうだった。それから小栗旬っておとなしいイメージだったんだけどアクションも旨いです。大勢の敵を相手に大暴れで、動きの切れも良く長い手足がアクションを大きく見せていて絵図らが良い。
ラストの大乱闘の前、決戦の地へ向かうGPS達が無言で傘を差して群集が増えてゆく様子は、任侠モノを彷彿させて映画的なカタルシスを感じた。学生の大乱闘と言えば73年の『愛と誠』の大乱闘で、本作は30年以上も前の作品とは比べ物にならない乱闘シーンで興奮した、演出と映像クオリティの高さは特筆する。
ただ学校を舞台にした作品には教師の描写が不可欠になると思うのだが、本作では少しだけしか教師が描かれていないのも作品の面白みに欠けると個人的に思うのだが・・・。
まぁ、話はエピソードゼロなので、これから話が進む内に面白くなっていくのだろう。そんな事を思わせるエンディングだったので、今後の『クローズ』シリーズに期待をするとしよう。
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