9日、北の丸公園内 科学技術館
サイエンスホールにて「
ドリームガールズ」を鑑賞した。主権はTBSのパーソナル6。
話題作と言う事で開場10分前に到着したら長蛇の列。会場は大混雑で開映前には客席は満席、席に座れないお客さんまで出てしまったが、主権者が機転を利かせてパイプイスを空きスペースに並べて対処、皆さんイスに座れたようだ。
映画の話
仲の良い女性コーラストリオ“ドリーメッツ”は、野心家のマネジャー、カーティスの戦略で栄光をつかんだ。彼は曲調を軽いものに変え、美しいディーナを前面に押すが、歌唱力では一番のエフィーが傷つき脱退してしまう。
映画はアメリカのショービズ界の光と影&栄光と挫折を描いた音楽作品で、モータウンレコードのシュープリームスをモデルにした話である。なので実在の人物と思われる人物が多数登場するので、多少音楽の知識のある人が見ると映画を見ながら無駄な回路が働いてしまうのが難点。
例えば、ザ・ドリームス=シュープリームス、ディーナ=ダイアナ・ロス、カーティス=ベリー・ゴーディー、とまぁこの辺はいいのだけれど、一番問題はエディ・マーフィーが演じたジェームスは多分ジェームス・ブラウン(モータウンレーベルではない。)をベースに、マーヴィン・ゲイなど様々な人物の要素を取り入れた複合体だったり、エフィーの兄のC.C.は作曲家と言う事で、モータウンの作曲家集団ホランド/ドジャー/ホランドを一人の人物にしたようだ。更に問題はエフィー、彼女はシュープリームスから脱退したフローレンスをベースに多分物語の為の創作した人物ではないかと推測する。
少し前置きが長くなってしまったので、
映画の感想。
面白かった。音楽ファンの目から見てもよく出来ているし楽しめる。素晴らしい楽曲に映像。特にいいのはエフィーを演じたジェニファー・ハドソン。ドリームスから脱退して、成功して行くドリームスと平行して、落ちぶれてゆくエフィーの姿が描かれ、所々に歌が挿入されるのだが、このエフィーの歌がいい。聴いていて何度も目頭が熱くなる。ジェニファー・ハドソンは完全に主役のビヨンセを喰ってしまう役柄で、映画の中では虐げられる役ではあったが、実際の世界では各賞を総なめをしているので、映画の中で栄光を掴むビヨンセは面白くなく思っていることだろう。
それから久々にエディー・マーフィーがおいしい役を演じている。歌と踊りでエディの存在感を感じさせられる。
監督のビル・コンドンは「シカゴ」で脚本を書いているだけあり、ステージのシーンなどは「シカゴ」を継承したようなゴージャスな演出。
余談になりますが、映画の中の楽曲のホーンアレンジがEW&Fに似ていると思って聴いていたら、EW&Fやクインシー・ジョーンズ、松任谷由実などのホーンアレンジをしている私の大好きな
ジェリー・ヘイが本作のホーンアレンジとしてクレジットされていているのをエンドクレジットで発見出来て嬉しかった。それからアレンジといえば映画の中で同じ曲が全く違うアレンジで演奏されるシーンがあるのですが、これもまた音楽のマジックを感じさせるので面白いです。
もし、この作品を見てモータウンに興味を持ったなら、モータウンサウンドを作り上げたバックバンド「
ファンクブラザーズ」のドキュメンタリー作品「
永遠のモータウン」をおススメします。こちらも素晴らしい傑作ドキュメンタリー作品です。
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