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映画「敬愛なるベートーヴェン」を試写会にて鑑賞。

2006-11-30 11:59:50 | Weblog
敬愛なるベートーヴェン - goo 映画

 昨日は久しぶりの試写会で「敬愛なるベートーヴェン」を有楽町の朝日ホールで見てきた。

 昨日の試写会は、試写券をバラマキ過ぎたのか席に座れない客まで出てしまい、係りの人たちが手分けして空席探しが始まり開映したのは予定より10分遅れの上映になった、男女比は女性8割、男性2割の客入りの大盛況。

 さて映画の話は、1824年のウィーン。“第九”の初演を4日後に控えるベートーヴェンの元に、作曲家を志すアンナがコピストとしてやってくる。最初はアンナを疎ましく思っていた彼だったが、次第に彼女の才能を認め、写譜の仕事をまかせることに。

 音楽の授業で誰でも知っているベートーヴェンの話である、だがベートーヴェンその人を知っている人は少ないのではないか?私の乏しい知識だと、耳が聞こえないが、頭の中で音を鳴らせて作曲した人って事ぐらい、演ずるのはエド・ハリス。

 しかし、この映画の中のベートーヴェンは、難聴ではあるが音は聞こえて、普通に会話も出来るし、作曲する時は背中に鉄板のような物を背負って頭の後ろに音を集める事をしたり、耳に直接チャルメラのラッパみたいな物で音を聞いている。

 更に、この映画のベートーヴェンは、セリフの中でも言っていたが「粗暴で下品」な人間として描かれている、アパートの部屋は散らかり放題でネズミがうろつき、部屋の中で水浴びをするものだから下の階の住民から文句はくるし、昼夜問わずの作曲活動でピアノを弾いたり大声で歌ったり、さぞかし近隣住民は迷惑をしているかと思って見ていたら、隣の部屋のおばあちゃんが「誰よりも早くベートーヴェンの作曲した新曲が聞けるから光栄」みたいな、泣かせるセリフがいい。

 この映画のもう一人の主役はコピスト(写譜師)アンナ・ホルツ役のダイアン・クルーガー、「トロイ」でヘレン王女役の人、映画はアンナの目線で描かれているから真の主役はアンナになる。

 最初、ベートーヴェンはアンナを毛嫌いするが、アンナの音楽家としての才能を認め、やがてベートーヴェンにとって無くて成らない存在に変わって行く過程が丁寧に描かれている。

 この映画は『交響曲第9番』の初演の4日前から始まるのだが、私はクラッシックの事はよく判らないけど、ベートーヴェンとアンナの関係を見ていると作曲家と編曲家の関係に似ているなぁと思った、アンナはベートーヴェンに対して間違えを指摘し直した譜面を渡したりしていたので、アンナも捕作曲していた事になる。

 圧巻は12分に渡る「第九」のダイジェスト演奏、耳が聞こえないベートーヴェンの指揮を助ける為に、アンナが客席から見えない場所からベートーヴェンの耳となり、ベートーヴェンを指揮するシーンの、ハリスとクルーガーの演技がいい、お互いアイコンタクトを取りながら、どこか愛情を確かめ合うような姿と圧倒的なオーケストレーションで演奏後は目頭が熱くなった、映像もベートーヴェンの気持ちの高ぶりを現すように小刻みに激しく揺れる。

 映画の感想、チラシやポスターを見るとかなり堅苦しい印象を受けるが見ると面白い、話の中心も日本人の大好きな「第九」の話なので年末やお正月に見るにはうってつけの作品、ベートーヴェンの人物像も豪快で粗暴な性格で面白いし、エド・ハリスもボサボサの髪型とメイクでタイトルに名前が出なければ判らない位の変貌で旨く化けている、ダイアン・クルーガーの好演と、アニエスカ・ホランドの確かな演出で1時間44分を飽きず楽しく見れたし感動した、これはおススメ。


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