阿里山の日の出
前回から引き続いて、日本企業が台湾進出及び中国進出への足掛かりとしての台湾進出の重要性に関して参考になる情報等を記します。
最近の日台関係
・2008年5月 日本人の台湾90日間ノービザ開始
・2008年10月 運転免許の相互承認
・2009年6月 Working holiday実施
・2010年10月 羽田と台北・松山空港の直行便実施
中国を取り巻く日台同盟の背景にあるもの
・世界的な政治経済の変化――中国が世界貿易の中心になりつつある
・中台経済貿易政策の緩和――台湾企業のメリットが増加している
・中国における台湾企業の経営戦略が成功している
・台湾は華僑ネットワークのテストマーケット的位置にある
・日台の経済貿易協力関係は深くて強い実績・歴史がある
このように中国への進出第一歩としてまず台湾へ進出してからという構図が見えてきます。
それでは日本と台湾でビジネス同盟を組む場合のお互いの補完関係はどうなるかとの回答として次のように考えられます。
日本企業 台湾企業
経営管理力 経営力
・組織管理力 ・意思決定のスピードの速さ
・組織への強いロイヤリティ ・効率的な生産・管理・技術
・品質管理 ・資本力
技術力 国際力
・研究開発力 ・中国・アジア地区での事業展開、
・品質管理力 ビジネスノウハウ、経験、華僑ネットワーク
・言語力
・大陸におけるブランド力
ブランド力 ビジネスセンス
・全世界における信頼性の高さ ・ビジネス感度の高さ
・サービス・品質の安定性 ・変化に対する適応力
・リスクテイキング
(出典:交流協会「日台ビジネスアライアンス成功事例研究」より
日本と台湾企業にはいくつかの共通点があります。
・ 世界のIT製品の生産と開発拠点のトップにいる
・ モノづくりが基本である
・ 積極的に輸出を目指している
・ 積極的な海外進出――本社・工場の海外進出
・ 地元同業者との激しい競争にさらされている
逆に日本と台湾企業の相違点としては、
日本企業 台湾企業
分業: 特定の関係(総合会社、系列) 独立会社による工程別分業い
ブランド:自社ブランド OEM
技術開発:摺り合わせ型 モジュール型
競争:仕切られた競争 つながれた競争
製品戦略:製品差別化戦略 量と価格の追及
部品調査:独自部品指向 競争的共同購入
市場:国内市場で育ってから海外へ 初めから海外市場
資金調達:間接金融 直接金融
雇用:終身雇用 頻繁な転職
こうして見てくると、日本企業が中国や他のアジア諸国へ進出を考えている場合には、まず台湾に進出するか台湾の企業をチームを作り一緒になって、アジアや中国に進出するのが、一番良い方法だと考えられます。
次は台湾の貿易協会副理事長の経験に基づく談話から纏めた、日台中の管理職の適応性と優劣を比較したものです。
項目 台湾 中国 日本
製造業の経験及び技術 ○ △ ◎
基礎技術、先端技術、開発能力 ○ △ ◎
商品開発能力 ◎ × ○
グローバル的な視野 ◎ △ △
資本把握能力 ◎ ○ ○
会社への忠誠心と信頼度 △ × ◎
現地の人材教育、訓練力 ◎ △ ×
職場チームワーク ○ × ○
積極性と個人競争力 ○ ◎ ○
創造力と改善能力 △ × ◎
研究開発応用技術 ○ ○ ◎
中国に関する産業情報の収集能力 ◎ × △
中国市場における業務担当能力 ◎ △ ×
政府との交渉能力 ◎ △ ×
なお△は普通、×は不足を意味してます。
これとは違うと考えておられる方々もいらっしゃると思いますが、このデータはあくまで一個人のこれまでの経験や考えに基づくものである事をご了解願います。
次回に続く
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