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中国・天津 北寧公園
前回は昼食時の話し方、もてなされ方、お酒の飲み方について書きましたが、今回は昼食も終わり、午前の交渉の続きについて書いてみます。
昼食にお酒が入ると相手側も休憩をしますから、午後3時ごろから再開になります。
午前中に散々日本側をコキ降ろす意味は、日本側に提示価格も安くしろと圧力をかける為
です。
機械製品などの場合は、まずCIF価格で総額はいくらかとの提示要求があり、日本側提示価格が安くても高くても顔色一つ変えないで受け取ります。
その価格をメモにとる人は稀です。それぞれ担当者が一瞥して、眼で合図を出し合い、おもむろに、「こんな価格ではとても高くて検討に値しないので、今後も商談を続けたいなら、○○%価格を下げなさい。」と、きまったように言われます。
値引き割合は其々の業種や業界によって違うでしょうが、機械製品の場合は2割から5割位が多いのではないでしょうか。
日本側としては散々知恵を絞り、本社等に連絡して値引きした額を提示します。(この時点ではまだまだ最終ではありませんので、最終想定価格よりも2割以上は値引き代を含んでおくべきです)
そうすると次の要求は、
1)この日本側提示価格はCIF価格であり、日本から中国への輸送は中国側が手配するから
FOB日本港価格とCIFの費用で分けてくれ。
2)機械台数を更に増加したいので、(もし、これまでの1台の場合の価格であったら)3台
購入した場合の価格を出してくれ。
当然3台の場合の方が単価は下がるはずですねと念を押される。
3)機械の場合ですと、標準予備品・付属品とか特別予備品とかが一緒になって見積もって
ありますが、機械の其々のユニット毎の価格と予備品類の単価を出してくれ(いわゆる
ブレークダウン価格)と要求される。
これらの順序はどの商談でも変わる事はありません。
特に付属品とか予備品を一点一点ブレークダウンして見積書を作成する作業は実務上大変です。
一点一点の合計が既に提出してある見積書の合計と合致する事も必要です。
しかし、ここが辛抱のしどころです。
いい加減頭に血が上り、ほっぽり出して帰りたくなる頃ですが、じっと我慢しなくてはいけません。
しかし、ここまで来れば、ほぼ80-90%の確率でこの注文は決まったと思って間違い
ありません。
とにかく、中国人・華僑は非常に演劇の天性があるという事を認識しておくことです。
現在40歳代以上の方々の場合、演劇が国民の最大の娯楽であったし、殆どの人は芝居が好きであります。
たった数人の前でも、大げさなセリフやジェスチャーで交渉話しが演説調になります。
喋っている人は得々として次第に事実からかけ離れた話しになり、他の同僚はも身を入れて話しは話しとして聞いています。
立派な演説をすれば芝居の役目は済むし、聞く方も芝居だと知りながら拍手をします。
日本側の相手に合わせて拍手をしなければなりません。
芝居が上手く成し終えれば、その方の面子は保った事になります。
また、まずはこのような演説調から始まり、時として意表をつく動きに出ます。
常に相手に疑いと期待を持たせるファジーな部分を漂わせます。
話しを100%信用する事は出来ませんし、しない方が良いと思います。
表向きは紳士でも、蔭では違背する”面従後言”。(このような人は日本の会社でも多くいると思いますが)
他には”笑裏蔵刀”、”洗礼後兵”などもあります。
このような商談ではあくまでもゲームを楽しむ余裕が必要です。
ふと立ち止まって、相手の立場になって考えてみる事も必要です。
相手としたら、外国から高額な商品を買う事になります。GDP比較で10倍とした場合、
1000万円の価格としたら、相手にとっては1億円位の物を買う事になるわけです。
その様な物を買う場合に、相手(日本側)に言いなりの価格で買うわけにはいきません。
値引きを強硬に要求する事によって、仲間内或いは社内での立場を高めたいという人もいる
でしょう。
相手側(日本側)に対して、なかには私憤・怨念を持っている人もいるでしょう。
家族内、親戚、先祖が戦争中に日本軍から被害を受けたという人もいます。
私の経験でも、交渉相手の母親が日本軍から銃撃を受けて足に怪我を受けた、日中戦争時に遊撃隊で日本軍と撃ち合いをしたという人もいました。
特に最近の尖閣諸島問題などもあり、愛国主義や反日教育を受けた20歳代、30歳代の若手からは厳しい言葉を浴びせられる覚悟が必要です。
まだまだ交渉は終わりません。
続きは次回にします。
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