Hello the Masking Face 店主敬白&番頭日記

釣具を扱うビンテージタックルウェアハウス「Hello the Masking Face」の主と番頭が綴る日記です。

番頭日記20140321 「Abumatic 70」を出品。

2014年03月21日 23時28分17秒 | 日記
どうもどうもどうも。
いよいよ21日よりみなとみらい・パシフィコ横浜を会場に、「国際フィッシングショー/Japan Fishing Festival 2014」がはじまりましたね。
23日に行く予定の番頭です。

東京はやっと暖かくなってきたかな?と思ったら冷たい雨が降ったりと、まだまだ春本番って感じじゃないな、とぼやいていたら、仙台や根室の釣り友達からはえっらい勢いで降りしきる雪の写真がアップされていました。
東京はまだマシなのかもしれません。
皆さんのお住まいの地域はどうですか? 春らしい釣り、できていますか?

さて。
本日、ヤフオク!にまた新たにリールを1台出品しました。
クローズドフェイスリール「Abumatic 70」です。

http://page4.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/d153231793

クローズドフェイスリールの代名詞とも言える「Abumatic 170」の、ひとつ前の世代のリールになります。
外側の赤いベルカバーや、内側のラインを巻き取るワインディングカップのシルエットが若干違うほか、ワインディングカップに回転を伝達するメインシャフトの構造などなど、細部を見ていくとそれなりに差違はあるのですが、ぱっと見ただけでは「Abumatic 170」とまず見分けがつきません。
もっとも、ハンドルを逆転させることでドラグが緩む「シンクロドラグ機構」も搭載されていますし、ラインの巻き取りに合わせてスプールが前後に往復する「オシュレート機構」も搭載、スプールサイズもほぼ同じ、と、仕様の面から見ても「Abumatic 170」とほぼ同じ感覚で使用することができます。
1969年に発行されたAbuのスウェーデン版カタログを見ると、すでに「Abumatic 170」に切り替わっているので、この「Abumatic 70」はそれ以前に流通していたものと思われます。
つまり製造されてから少なくとも45年ほど経過している、というわけです。
約半世紀前に作られた釣具がこうして現存し、ちゃんと実釣にも使えるコンディションにあるって、スゴいことだと思いませんか?

もっとも、当店が入手した時点ではコンディションはかなりひどい状態で、ハンドルはびっくりするくらい重く、とてもじゃないですが、実用レベルとは言えませんでした。
開けてみると、生キャラメルよりも粘度が高くなった古いグリスがべっとりと各部品にまとわりつき、汚いこと汚いこと(笑)。
さらにそのねっとりしたグリスを除去すると、完全に“固体”となったグリスが部品の表面を覆っていることが発覚しました。
その硬さは精密ドライバーなどでひっかくと砕けるほどで、もとが潤滑油だったとはとても思えない物質へと変わり果てていたのです。
また、ボディ表面もこれまでの年月で汚れが何層にも積み重なっていたようで、クリーナーで拭くたびに、白っぽくなったり、茶色くなったりと色が変わるほど。
いやぁ、今回ばかりは半世紀に渡る時の長さを労力として痛いほど実感いたしました。
そうして苦労しただけに、愛しさもひとしお。
見違えるように綺麗になった(?)、「Abumatic 70」をぜひよろしくお願いします。
これ以外にも、フライリール「Abu diplomat 278」や新品未使用の「ダイワ ハリヤー120M」など8台のリールを出品中です。

http://openuser.auctions.yahoo.co.jp/jp/user/shok914

皆さまのご入札、心よりお待ちしています。

それでは、「Hello the Masking Face」をどうぞご贔屓に。


◆「Hello the Masking Face」については、以下のページをご覧ください。

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http://themaskingface.wix.com/themaskingface

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番頭日記20140318 初釣行。

2014年03月18日 15時24分22秒 | 日記
どうもどうも。
春一番になるんでしょうか。外はえっらい強風が吹き荒れています。
お元気ですか? 番頭です。

先日、今年初となる釣行へ行ってきました。
と、言っても管理釣場なんですけどね。
それも、私がふだんやってるルアーではなく、昨年はじめたばっかりのフライフィッシングでの釣行です。
思いどおりに投げることもままならず、フライパターンの名前もわからない超のつく初心者ながら、健気なニジマスが遊んでくれました。
改めて思ったのは、釣りってやっぱり、道具の準備からはじまるプロセス込みではじめて「おもしろさ」が成り立つ遊びですね。
皆さん、釣り、行ってますか?
もし釣行先でいい写真が撮れたら、ぜひこのページに投稿してくださいませんか?
大きくても小さくても、どんな魚でも構いません。
ここをご覧になっている皆さまが、ふだんどんな釣りをされているのか、とても興味があるのです。
よろしくお願いします。

さてさて。
先日ヤフオク!に出品しましたFoxfireのチェストハイウェーダーは無事、落札者様のお手元に届いたようです。
ストッキング部分のサイズがほんのちょっと合わないためにほとんど使ってあげられなかったものの、非常によくできたウェーダーでした。新しいユーザー様のもとで活躍してくれるといいな、と思っています。

当店では、現在、8つのリールを出品中です。

http://openuser.auctions.yahoo.co.jp/jp/user/shok914

どれも必要と思われるものはすべて分解して注油しなおしてありますし、逆に入手した時点で調子のよいものについては、不必要な分解などはしていません。
どれも機関はかなり調子のいいものばかりですよ。
皆さまのご入札、お待ちしています。

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店主敬白20140314 少年釣具酔夢譚 その四

2014年03月14日 22時26分36秒 | 日記
少年釣具酔夢譚 その四

私が六年生になった1980年、シマノに水を空けられたダイワはいよいよ反撃に出ます。言うまでもなくファントムシリーズの展開です。ベイトキャスティングのリールとロッドは勿論のこと、スピニングリール及びロッド、更にはフライリール及びロッドと、舶来フィッシングブームの匂いを嗅ぎ取ったダイワの、大胆なファントムブランドを打ち出したハイエンド戦略でした。

正確に言えばその前年にアメリカのバスプロのビルダンスを開発アドバイザーに迎えて最初のファントムSM-2というベイトキャスティングリールが発売されましたがこれはアメリカダイワで開発された(と当時聞きました)せいか釣具店で売られていたのを見たことがなく、翌1980年にその後継機種のSM-20がリリースされた際のカタログの宣伝文句で初めてSM-2の文字を見たのみでした。
(ここでファントムSM-20画像検索どうぞ)

形としてはやはりシマノバンタムに思い切り影響を受けたロープロファイル形状に重さはこの形になっても300gくらいあって随分重いなあと思ったものでした。また、同じブランドの名前が冠されたロッドが実にかっこ悪かったのです。色は茶色。リールはバネ式の押さえで固定するワンタッチ式で便利ではありましたが、とにかく硬いロッドで閉口しました。まあダイワに限らず当時の国産のルアーロッドは軒並みガチゴチに硬いものばかりで、現在のようにトップウォーターロッドはスローテーパーでなどという考え方は誰も知らなくて、このファントムは勿論、ダイコーのスピードスティック、ウエダスーパーパルサーと、皆どれも硬いロッドばかりだった記憶があります。当時へドンの輸入元をやっておきながらルアータックルをあまり積極的に開発していなかったオリムピックにはあまりデザインのよくないグラスロッドが作られており、私のそのミディアムライトの6ftは地味ながら良いロッドでした。

ファントムシリーズはバンタムに勝てたかというと、私たちの周りではファントムを買った人は誰もいなかったのでシマノの圧勝という印象がありました。形はバンタムの方が未来っぽいし、軽いし、値段も安く、わざわざファントムを買う理由はどこにもありませんでした。(そういいながらも私はファントムSM-2, SM-20, SM-15、更にフライリールまで持ってるんですけどね)

因みにリョービもキャスプロシリーズでやはりロープロファイルベイトリールをリリースし、世界の新しいトレンドを日本のメーカーが一気に牽引していく時代になり、BB/BMから始まったパーミングカップはABUも4600CBで真似する程主流になりました。因みに4600CBは定価41000円でバンタムの三倍以上の値段でしたね。

そして中学になった1981年。いよいよあの本が発売されます。

つづく



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番頭日記20140313 チェストハイウェーダー出品。

2014年03月13日 22時25分49秒 | 日記
どうもどうも。
なかなか暖かい日が来ないですね。
なんか本日は太平洋側地域は荒れ模様のお天気だとか。
東京は高波と強風及び雷なんて予報が出てますね。
お出かけのかたは十分ご注意ください。番頭です。

えっと、ひさしぶりにリール以外のものを出品しました。
Foxfireの「GORE-TEX スパイラル・チェストハイウェーダー」(サイズXL)です。

http://page7.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/g131246352

なにせGORE-TEXですし、ちょっとお高いFoxfire製ですし、とぉてもよくできた製品なのですが、ただ1点、ネオプレーンのストッキングが他社製の同サイズよりも若干小さめな作りになっているのですね。
この点がなんとかの大足な番頭にはいまいちフィットせず、ずっとサブとして保管していたものです。
そんな事情なので、若干、古めの製品ではありますが、実使用の回数は10回にも満たない状態です。
もっともあくまでも中古品ですので、その辺りをご理解くださいませ。

また、ヤフオク!にはこれ以外にもフライリールの「Abu diplomat 278」や「Abu Ambassadeur 5500C」、「ダイワ ハリヤー 120M」など、8台のリールを出品しています。
ご入札、お待ちしています。

それでは皆さま、「Hello the Masking Face」をどうぞご贔屓に。


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店主敬白20140309 少年釣具酔夢譚 その三

2014年03月09日 09時12分29秒 | 日記
少年釣具酔夢譚 その三

一つお断りしておきますが、このシリーズ連載は全て店主石田の少年時代の記憶によって記述しています。
今の時代便利なもので何か調べ物をしたければインターネットで簡単に検索が出来、それが正しいか間違っているかの検証もされないまま勝手に転載して知ったかぶった記事が書かれるなんてことも日常茶飯事です。
どの機種が何年に発売になったなんていう話もその時代のカタログがあれば検証も出来ますがそこを正確に書くかどうかはここでは問題にしていませんし、静岡の田舎町の私達少年がどんなものに触れ出会って来たかを実体験に基づいて書き記すものです。
同様に、大人になってから知ったことも極力書きません。当時の記憶だけです。悪しからず。


何才の時だったか忘れましたが、箱根の芦ノ湖にマス狙いで釣りに行きました。箱根湾の岸からルアーを投げていた時、ちょっとお洒落な帽子と銀ブチの眼鏡のお兄さんが6フィートくらいのベイトロッドにABUの2500Cをつけており、ラインの先には見たところ5g程のスプーンがぶら下がっておりました。
そんな軽いルアー、ベイトリールで投げれるわけないじゃん、バックラッシュして終わりだよククククとほくそ笑んだ私の目の前で、ビュンとロッドを振る音がしたかと思うとシューっと綺麗な放物線を描いてスプーンは40m程も飛んで行きました。

びっくりしました。

当時のダイワのベイトキャスティングリールしか知らない私達からしたらそれは魔法のようでした。
絶対に不可能と思われました。それ程までにダイワとABUの性能は乖離しておりました。どんなにABUのリールを寸法だけ真似ても性能は足元にも及ばないのがダイワのリールでした。

ここで一つ大きなポイントがあるのですが、80年代くらいまでの日本では欧米のものを真似るということは別段恥ずかしいこととは思われておらず、言って見ればコピー品を作ることは当たり前のこととされていた節があります。
例えば楽器。アメリカ製のギブソンやフェンダーのエレキギターをどれだけ正確にレプリカント出来るかという今思えば盗作と思えるようなことが堂々と産業化されていましたし、その技術の特化によってフェンダージャパンなる本家のオーサライズによる国産メーカーまで出来た程です。音楽の世界では欧米の作品をパクるなんてことは90年代でも横行しておりました。
それくらい、日本という国は欧米の産業には元々敵わないと深層心理的に誰もが思っており、釣り具などでも当たり前にコピー品が作られ、その筆頭がダイワでした。
考えてみれば日本のリールのコピー技術が評価されてアメリカのメーカーのOEMをダイワ、オリムピック、大森工業などが担っていたわけですから、楽器と同じことが起こっていたわけですね。丁度今現在、世界中の工業製品の製造を中国が一手に担っているような、そんな存在がかつての日本でした。

さて。ABUと国産との圧倒的な性能差。一気にその間合いを詰めたのがシマノでした。シマノの躍進はアメリカのLew'sの依頼によって生産したBB/BMから始まります。
(ここでシマノBM1で画像検索どうぞ)
まずは言うまでもなく圧倒的なスプール回転の滑らかさ。ラインを巻いていない状態でクラッチを切り指でスプールをクルッと回すと、ABUのリールならしゅるるるるるっと一秒か一秒半くらい回るところを、シマノはしゅるるるるるるるるるるーっと三秒も四秒も回転し続け、子供ながらにびっくりしたものでした。
因みにダイワはしゅる、で終わりでした。

これはクラッチを切った時にスプールからレベルワインダーが分離することによる完全なスプールフリーの実現も大きく貢献していたでしょう。
レベルワインダーの分離機構はそれ以前にもへドンのリールにありましたが、これはレベルワインダーが前に倒れるような構造だったと記憶しています。(へドンのリールとは言え製造していたのは日本のオリムピックでしたのでその性能はダイワと似たり寄ったりでしたし。)レベルワインダーが止まるということは、ラインが出て行く時に左右の端に巻かれていたラインに対しては抵抗になってしまいます。
その為BM/BBはレベルワインダーを前方方向にぐっとせり出す形でラインとの角度を浅くし抵抗を減少させるという、それまでの円形や楕円のベイトキャスティングリールの常識から一歩先に進んだ構造の革命でした。

更にシマノはバンタムで目ん玉が飛び出るくらいの軽量化を実現します。
(ここでシマノバンタム100で画像検索どうぞ)
アンバサダーの5000番台は軒並み300g強だったところにBM1/BB1は少し軽いくらいでしたが、バンタム100はなんと210gという超軽量化の快挙を成し遂げます。しかもシルバーに輝くボディには蔦柄の美しいレリーフと品のあるローズウッド(!)のハンドル、右側についたメカニカルブレーキの為に三本足になったスタードラッグ、どこまでも個性的で美しい機能美。勿論スプール回転はしゅるるるるるるるるるるー。
あまりにも唐突に世界を追い越し突き放したのがバンタム100/200/100EXでした。
ロッドのほうでもヒノウエ社が同じアルミシルバーに蔦柄のレリーフのデザインでレスターファインシリーズを併せてリリース、圧倒的かつそれまでになかった新しい様式美が聳え立つように完成しました。78年か79年のことだったと思います。記憶では79年。

さて。ダイワがこれを黙って見ている筈はありませんでした。歯軋りしながらダイワが仕掛けた必死の攻撃とは一体何だったのか。

つづく。


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