Hello the Masking Face 店主敬白&番頭日記

釣具を扱うビンテージタックルウェアハウス「Hello the Masking Face」の主と番頭が綴る日記です。

番頭日記20140531 MIMIXのルアーをご紹介。

2014年05月31日 11時22分08秒 | 日記
どうもどうも。
未だ釣りに、いや、なんでもないです。
番頭です。

えっと。
ろくに釣りに行けないでいるくせに、手持ちの釣具だけはなぜか増えていく、というのは、釣り人にはよくあることです。
よく、あることです。
ですよね?
……。
あ、あるんですっ。

で、番頭、日本ではまだなかなか見ることのない、珍しいルアーを手に入れました。
タイのMIMIXっていうルアーメーカーの、「Scuba Frox(Light Green)」と「Poppersaurus(Raptor/Stegosaurus)」というルアーです。
泳がせてみないことにはわかりませんが、シャロークランクと、ペンシルポッパーです。たぶん。いや、まず間違いなく、そうです。

MIMIX Corporation
http://mimixcorp.com/

番頭、実のところ、こういう方向、つまり、グロテスクなリアルさはあんまり得意ではありません。
とは言うものの……。
ここのメーカーの製品については、好みとかどうとか、そんな細かいことを突き抜けちゃったところにあるように感じられて、ついつい買ってしまいました。
日本のメーカーの製品と比較しても、ほとんど遜色のない出来。
何より、この強烈に主張してくる個性が素晴らしいじゃないですか。
YouTubeでは、同社製品のプロモーションムービーも見られます。

https://www.youtube.com/user/Mimixcorp/videos

どの動画も、撮影から編集まで、たったひとりのかたがすべての作業を行われているんだとか。とてもそうは思えないクォリティで、これまたびっくりです。

タイではここ数年、急激にルアーフィッシングが普及してきていて、バンコクでは毎年、フィッシングショーがなかなか盛大に開かれたりしています。
日本製の釣具もけっこうな人気で、それらを輸入することはもちろん、自国のメーカーもこうして育ってきているのです。
今でこそ日本は“先進国”と言わんばかりのスタンスでタイへと進出してはいます。
しかし、ひとつヒット作が出たら、右にならえでどこもかしこも似たようなルアーを出してくる、そんな日本メーカーの「常識」を見慣れた者の目には、このMIMIXのような他にない強固な独自のスタイルを持ったメーカーの存在は、とてもまぶしく映ります。
没個性な日本のメーカーの現状を見るに、こっち方面でもうかうかしてられないんじゃないか?そんな危惧を覚えずにはいられません。

ちなみに今回入手したこれらのルアーですが、「Scuba Frox」のほうは若干軽すぎ&小さすぎな気もしますけど、どっちもシーバスで使うつもりでいます。
こんなんで釣れたら、楽しいですよね、きっと。


さて。
当店は現在、ヤフオク!に、1台目のクローズドフェイススピニングリールとして最適な「Abu Garcia 1044」や、落ち着いたカッパーブラウンのベルカバーが素敵な「Abu 520」、軽量で使い勝手のよいベイトリール「Shakespeare ∑ 002」など、10台のリールを出品中です。

http://openuser.auctions.yahoo.co.jp/jp/user/shok914

皆さまのご入札、心よりお待ちしています。
それでは、「Hello the Masking Face」をどうぞご贔屓に。


◆「Hello the Masking Face」については、以下のページをご覧ください。

Webページ
http://themaskingface.wix.com/themaskingface

Facebookページ
https://www.facebook.com/themaskingface



いちばん上のルアーの情報がわからず、現在調査中。
2番目から、「Poppersaurus(Stegosaurus)」、「Poppersaurus(Raptor)」「Scuba Frox(Light Green)」です。


「Poppersaurus(Raptor)」


「Poppersaurus(Stegosaurus)」


「Scuba Frox(Light Green)」
んべー、っと開いた口の下唇が文字通りのリップになってる構造。表情がいいです。
両脇にちゃんと前後の足が彫り込まれているところもポイント(笑)。

番頭日記20140526 「RYOBI VARIUS F200 Spectrum」

2014年05月26日 14時54分50秒 | 日記
どうもどうも。
春先に管釣りでフライをやって以来、未だに釣りに行けずにいる番頭ですか?
はい、そうです。番頭です。

ビンテージ、と呼ぶには新しすぎる感はあるものの、現在お持ちのかた以外にとっては思わず「懐かしい」と言ってしまうような、そんなリールを友人から一時的に預かっています。
いつもと違ってこれはお売りするワケにはいかないのですが、せっかく手元にあることですし、今回はこのリールを紹介しようと思います。
2000年前後に発売されていたリョービのベイトリール「VARIUS(バリウス) F200」です。

「Abu Ambassadeur」で言うと「2500」とほぼ同等のサイズで、標準スペックは重量250g、ギア比は6.1:1で、PEの1.5号を100m巻くことができます。
アルミの鍛造マシンカットフレームを採用しているために剛性感があり、当時としてはギア比がかなり高く、糸巻き量も十分。また、ハンドルを巻かずとも、クラッチボタンの右側を押し込むことで、ON/OFF状態をいつでも自在に切り替えられるほか、レベルワインダーにはラインを傷めないようSiCリングがあしらわれていたりと、今改めて見ると、非常に実用的で悪くない、どころか、かなり魅力的なスペックです。

ちょっと変わった色合いをしているのは、この個体が「スペクトル」という限定モデルであるため。
両サイドプレートがイオン処理されたチタン製で、虹色に光る、いわゆる「オーロラカラー」というとても個性的な外見をしています。
そういえば、Abuの「Revo」というリールにも「オーロラ」という虹色に輝くモデルがありましたね。
あれは確か「チタンコーティング」でしたけど、この「バリウス スペクトル」の場合はプレート自体がチタン製のようです。

今となっては釣具事業部が上州屋の一部門となってしまったリョービですが、昭和40年代前後から日本の釣具業界を牽引してきた大メーカーのひとつ。優れた製品を数多く世に送り出してきました。
この「バリウス」は、ロープロファイルな「イクシオーネ」という姉妹機が先行発売されていて、機構的にはそれとほぼ同じ。おもしろいのはモデルによって、「マグネットブレーキ」と「フライングアームブレーキ」という2種類のブレーキが使われていた点です。
写真の「F200」の“F”はまさにフライングブレーキを搭載していたモデルであることを意味しています。

「フライングアームブレーキ」というのは、当時としてはなかなかに珍しい、「制動力を調整可能な遠心ブレーキ」です。
遠心力によって浮き上がったブレーキアームがプレートに押しつけられて制動力を得る構造で、サイドプレートにあるダイヤルを回転させることで、アームとプレートの距離が変わり、ブレーキ力の調整ができるようになっています。
ブレーキ力を最大にしたときの絶対的な制動力がもう少し高くてもいいようには思いますが、それにしても、アイデアは秀逸で、なかなかよくできたブレーキシステムだと思います。
※追記:調べてみたら、標準状態ではダイヤル中央でもブレーキが効きすぎて微調整が難しく、4本あるフライングアームを2本に減らすのが当時流行りのチューニングだったそうです。「絶対的な制動力」は十二分だったんですね。

はっきり言って、若干重いかな?という以外は、最新のリールにも引けを取らない使い勝手。サイドプレートのねじ穴の位置や、リールフットの取り付けかたなど、設計として垢抜けないところも散見されはするものの、いや、いいリールです。
すでに補修用パーツが底をつき、メーカー修理に出しても修理不能で戻ってくることもあるようですが、状態のいい個体があれば、個人的にも欲しくなってしまいました。

さて。
当店は現在、ヤフオク!にクローズドフェイススピニングリールの名機「Abu Garcia 1044」や、落ち着いたデザインが素敵な「Abu 520」、軽量で使い勝手のよい「Shakespeare ∑ 002」など、10台のリールを出品中です。

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皆さまのご入札、心よりお待ちしています。
それでは、「Hello the Masking Face」をどうぞご贔屓に。

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SiCリングが装着されたレベルワインダー。PEラインの仕様もまったく問題ありません。


この「F200」はダイヤルで微調整可能な「フライングアームブレーキ」が搭載されています。臍下部には「TITANIUM」の文字。


クラッチボタンの右側だけが上方に伸びているのがわかりますか? ここを奥に押し込むことで、ハンドルを回すことなく切ったクラッチを戻すことができるのです。


4カ所のリベットで固定されたリールフット。
サイドプレートのビスは、サイドプレートをフレームに固定するためのものではなく、フライングアームブレーキのシステムを取り付けるためのもの。このマイナスのネジを外しても、サイドプレートは外れません。


ハンドル側のネジを外すと、反対側のサイドプレートが外れるという、初めて手にした人にはちょっと戸惑ってしまいそうな構造なのも、この機種の特徴です。
当時流行っていた「シャフトレススプール構造」を採用しています。


スプール側面に見える2つの黒い突起が「フライングアームブレーキ」のアーム部分。遠心力で浮き上がり、サイドプレート側のステンレスプレートに押しつけられることで制動力が発生します。
記憶ではアームは4本あったと思うのですが、2本しかありませんね。
調べてみたらやはり標準では4本で、2本に減らすチューニングを行うことで、より微調整が効くようになる、とのこと。なるほど。



4本のネジで固定されているステンレスプレートにアームが押しつけられて、制動力が発生します。
サイドプレートのダイヤルを回すと、このプレートの高さが変わるのです。
なんという秀逸なアイデア。

番頭日記20140525 ご無沙汰してました。

2014年05月25日 02時35分13秒 | 日記
どうもどうもどうも。
いやぁ、長らくご無沙汰していました。
まだ私たちのこと、覚えていらっしゃいますか?
覆面、クローズドフェイスなリール好きの酔狂2人で営んでおります「Hello the Masking Face」、私、番頭でございます。

主も私もそれぞれにこう、ばったばったしてまして、思えばずいぶんと長い間、更新が滞ってしまいました。
もっともこの静かだったあいだにまったく何もしてなかったのか、というと、そうでもなくて、主は「Shakespeare President II」のベアリングとブレーキをチューンして実用性を高める工夫をはじめたり、私も以前にご紹介したどろっどろの「Abumatic 170」を組み上げたりしてました。

やっぱりベイトリールの使い勝手はといえば、「いかにバックラッシュを回避するか・できるか」、そして「クラッチを切ったときにスプールがいかに軽く滑らかに回るか」という2点に尽きると思うのですね。
ビンテージリールの場合、その多くはブレーキシューが遠心力でリムに押しつけられて制動力を得る「遠心ブレーキ」が装備されています。
原理や構造は単純ながら、回転に応じてブレーキ力が高まるというのはキャスティング、それにバックラッシュ発生のメカニズムを考えると、とても合理的。
ただ、絶対的な制動力の高さで言うと、特にビンテージリールの場合、いささか足りていないんじゃないかな?と思うことが少なくありません。
この足りない制動力をどうやって補うか?
これを主は純正のブレーキシューの変わりに使えそうな、他社製のパーツやもっと重い別の素材をいろいろ試してみているようです。

一方、私が組んでた「Abumatic 170」は、内部の調整にちょっと時間をかけたことと、この固体が持つそもそもの素性の良さから、とても気持ちよく回るリールへと生まれ変わりました。
あんなにどろどろでハンドルもギクシャクとしか回らなかったリールが、よくもここまで、と、ついにやにやしてしまったり。


こちらは近いうちにヤフオク!に出品する予定でいます。

ちなみにヤフオク!には現在、国産クローズドフェイススピニングリールの代表選手「ダイワ ハリヤー120M」やフライリール「Abu Garcia diplomat 278」、黒いボディがカッコいいベイトリール「Shakespeare ∑ 0002」など、10台のリールを出品中です。

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番頭日記20140508 “昭和”という時代。

2014年05月08日 12時58分45秒 | 日記

どうもどうもどうも。
とうとう連休も終わってしまいましたね。
ここをご覧の皆さまはどんな風に過ごされたのでしょう?
よい釣りができたのであれば、ぜひ報告していただけたら、なんて思います。
番頭ですよ。そうですよ。 
今回は友達に教えてもらった動画をご紹介してみます。



1960年。
アポロが月へと降り立つたかだか9年前、日本ではこんな風景が見られたワケですね。
いつくらいまで続いたんでしょうね、こんな状況が。

ラッシュ時の山手線や京浜東北線なんかは今も大して変わらない気もしますけど、映像は「高崎から東京へ向かう列車」という点が興味深いところ。
高度経済成長で少しずつ裕福になっていくと、こんな列車で通勤していた人たちは東京へと引っ越し、そして昭和の終わり頃からは、交通の便がよくなることで、逆に人々は郊外や近郊都市へと拡散していった、ということなのでしょう。
もっとも、拡散とは言っても結果として「23区を中心に人が密集している地域が劇的に広がった」だけではあるのですけれど。

「フライの雑誌」第101号に掲載されている株式会社天龍の会長、塩澤美芳氏へのインタビューでは、戦後の混乱期から塩澤氏が釣具業界で何を見てきたか、ということが語られているのですが、そのなかに、
「釣りが食料確保のためでなく、純粋な趣味として楽しまれるようになったのは、1964(昭和39)年の東京オリンピック以降、昭和40年代に入ってからじゃないかと思いますね」
という一節があります。
知識として「そういうものだ」と知ってはいましたけど、でも経験として語られる言葉にはやっぱりハッとさせられるものがあり、自分が生まれた“昭和”という時代への認識が、それまでよりほんの少しだけ、明瞭になりました。
ここにシェアした映像は、その塩澤氏の言葉を強く思い出させたのです。

よく「激動の」なんて言葉で語られる“昭和”ですけど、決して大袈裟すぎるものではないってことがこういう映像なんかを見るとよくわかりますね。

さて。
国産クローズドフェイススピニングリールの代表選手「ダイワ ハリヤー120M」、フライリール「Abu Garcia diplomat 278」、黒いボディがカッコいい「Shakespeare ∑ 0002」、半世紀以上続く「Abumatic」シリーズのなかでも極初期の製品「Abumatic 40」など、ヤフオク!には現在、10台のリールを出品中です。

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店主敬白20140505 「Cardinal 6」修理完了

2014年05月05日 14時59分57秒 | 日記
ご無沙汰してます主イシダです。久々にカーディナルのオーバーホールしました。カーディナルは3系・4系と6系・7系は構造が違って、サイズの大きな後者のほうが弱いという意外なシリーズで、まあ写真をご覧ください。

本体を縦に貫いているスプールシャフト、メインギアから湾曲して伸びるアームがこのシャフトのエンドを掴んで回転に伴って前後させるオッシレート機構なのですが、この掴みの部分が3系4系は金属なのに対し6系7系は脆いナイロンパーツで、軒並み割れて故障します。

そしてこの部分がメーカーでも既に作っておらず、僕のこのカーディナル6は確か97年くらいに壊れてしまい、この状態のまま修理せずにおりました。いい加減なんとかしなきゃなと思い、図面引いて外注工場にアルミで制作を依頼しようかな、でも一個だけだと物凄い高いだろうなとか色々思っていた矢先にアメリカ人でこれを制作している人と運命の出会いを果たしまして、今回の修理となりました。

18年ぶりに正常な機能を取り戻したカーディナル6、ドゥルルルルルルルルという重めで個性的なラチェット音が心を昂ぶらせます。いいですね。七十年代の名機が復活しました。

近々商品ラインナップに並べると思います。お楽しみに。



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