このエピソードが放映されたのは1993年11月4日。
この前日にジュリアーニ氏が次期のNew York市長に選出されています。
ここでは、ジュリアーニ次期市長、ご本人が早速登場!
Jerryと仲間たちは新しくできたフローズン・ヨーグルトの店に入りびたり。とろけるような風味であるばかりでなく、何たってnon-fat(脂肪分ゼロ)なんですから。おかげで、このお店はヘルス・コンシャスなNew Yorkerで連日大繁盛なのでした。
ある日、この店で、Georgeは昔のご近所さんで、今はディンキンス現NY市長の政策アドバイザーをしているLloyd Braunに遭遇。Georgeは苦手なんですよね~、こういうタイプ。
(GeorgeとLloydのやりとりも、いろいろあるんですが、ま、ここは別の機会にして。)でも、一緒にいたElaine嬢は、バリバリの勝ち組で男前のLloydに一目ぼれ。彼もElaineが気に入り、お付き合いをすることになります。
デートでElaineは
ELAINE: …So, anyway, you're a..you're a big advisor to Dinkins, huh?
(…ところで、あなたってディンキンス市長のビッグ・アドバイザーなのよね。)
LLOYD: Yeah, yeah. It's coming right down to the wire.
(ああ、そうだよ。最後の一瞬まで職務を遂行するつもりだよ。)
ELAINE: Wow! You know what I would do if I was running for mayor. One of my campaign themes would be that everybody should wear name tags all the time to make the city friendlier.
(ステキね~。あのね、私が市長選に出馬したら、私は、みんなが常に名札をつける、ってのをキャンペーンのテーマにするわ。そうすれば、NYのみんなが仲良くなれるじゃない?)
LLOYD: Name tags, hmm?
(名札か…)
ELAINE: Well, everybody would know everybody. It would be like a small town.
(そうよ。みんながみんなと知り合いなの。まるで小さな町みたいに。)
LLOYD: Maybe I'll mention that to him.
(かもね。市長に進言してみようかな。)
ELAINE: Really? Wow.
(ホント?すてき!)
まじですか、Elaineさん…
彼は本当に市長にこのプランを進言するんですが、市民の失笑を買い、結局、Lloydはアドバイザーを解任されてしまいます。
この「名札」ネタ、ナチスがユダヤ人に強制した同様のことを皮肉っています。
さて、JerryとElaineは気がついたら体重がかなり増えている。なぜ?いつもと変わらない生活をしているのに?ヨーグルトはよく食べているけれど。だって、あれnon-fatなんでしょ?
…でも、それにしては体重が…。
ホントにあれはnon-fatなの???
というわけで、JerryとElaineはヨーグルトを研究所に持って行って、本当に脂肪分がゼロなのか確かめてもらうことにします。その店に投資しているKramerも責任を感じて(?)一緒に来るのですが、、。
ところが、Kramerはそこのセクシーな女性研究員に一目ぼれ。速攻でアタックし、夜の研究室で密会となりました。しかし、二人が熱く燃えている時に、ホンのはずみで台の上にあったNY市長選立候補者、ジュリアーニ氏の検査中の血液に他の血液が混入してしまうんです。
しかし、夜の研究室で起きたアクシデントのことなんて…知る人はだれもいない。
検査の結果、例のヨーグルトがnon-fat(脂肪分ゼロ)なんて真っ赤なウソだったことが明らかになります。
そんな時、TVニュースで…
NEWS: Rudy Giuliani, who underwent a physical last week, received some startling news today, when his cholesterol count turned out to be a whopping 375. …We now take you to Giuliani headquarters where Rudy Giuliani is about to make a statement.
(ルディ・ジュリアーニ氏は先週、健康診断を受けましたが、本日、驚くべき結果が出ました。彼のコレステロール値は375という驚くべき数値が出たのです。…今、ジュリアーニ氏がコメントを発表しますので、選挙事務所につなぎます。)
GIULIANI: It's hard to understand. Because I've been doing everything I normally do. I've been watching my diet very carefully. I exercise regularly. My only indulgence, I guess, would be that I eat a lot of frozen yogurt. But it's non-fat.
(信じられません。私は全て通常通りに生活していたのです。食生活に気をつけ、いつもどおりに運動をしていました。唯一、大目に見ていたのはフローズン・ヨーグルトを食べていたことなのですが、でも、それはnon-fatなのです。)
JERRY: Non-fat yogurt? Oh, my god. They got Giuliani and he doesn't even know it.…I'm calling Giuliani's headquarters
(non-fatヨーグルトだって?おいおい…。ジュリアーニは例のを食べていたのに知らないんだよ。…ジュリアーニの事務所に電話しなきゃ。)
その後、ジュリアーニ氏はTVでNew Yorkerに呼びかけます。
GIULIANI: My campaign staff has received some very disturbing information regarding the fat content in yogurt that's being sold throughout the city. I pledge to you now, that if I'm elected mayor, as my first order of business I'll appoint a special task force to investigate this matter. I promise you, my fellow New Yorkers, that Mayor Giuliani will do everything possible to cleanse this city of this falsified non-fat yogurt.
(私の選挙運動スタッフが非常に不穏な情報を入手しました。NY市内で売られているヨーグルトに脂肪分が含まれているというものです。私は公約いたします。私が市長になったら、真っ先にこの件についての捜査をする専門調査団を設けます。親愛なるNew Yorkerのみなさん、ジュリアーニ市長はこのようなインチキ脂肪分ゼロヨーグルトを市内から一掃するために、ありとあらゆる事を実行することをお約束します。)
そうやって、例のヨーグルトは、実は脂肪分が含まれていることが人々に知られてしまいます。
店のほうでは、今度は「本当に」non-fatのものを売るのですが、味がさっぱりで客足が遠のくばかり。
市長選の後、Elaineが新聞を持ってやってきました。
ELAINE: Hey, you guys, listen to this. Listen to this. Apparently some blood spilled into Mr. Giuliani's test tube causing his cholesterol count to be 150 points higher than was initially reported. Ironically, the mishap by bringing the non-fat yogurt scandal to the attention of the public, probably clinched the election for the Republican. It was the one issue which seemed to electrify the voters and swept Giuliani into office.
(ねぇ、みんな、ちょっと聞いて。読むから聞いててね。「明らかに誰かの血液がジュリアーニ氏の血液に混入し、それで、当初伝えられていた数値よりも150ポイントも高いコレステロール値が出たのだ。皮肉にも、non-fatヨーグルトスキャンダルに大衆が注目し、これが共和党の勝利を決定付けたのである。選挙人を刺激し、ジュリアーニ氏を市長誕生へとつなげたひとつの理由となったと思われる。」)
JERRY: So, in effect, the yogurt won him the election.
(じゃあ、実際、ヨーグルトがジュリアーニを勝たせたってコトか?)
ELAINE: I wonder what actually happened in that lab.
(あの研究所で、本当に何があったのかしら?)
KRAMER: Yeah, me, too.
(全くだな)
あんただよ!
こういう筋書きなのですが、冒頭で述べたとおり、このエピソードはジュリアーニ氏が勝った「翌日」に放送されているのです。もちろん、ディンキンス氏が勝つ可能性もあったわけで…
実は、ディンキンス氏勝利バージョンも作られていたのです。これはDVDでのみ、観ることができます。
そのバージョンでは
まず、例のLloydはジュリアーニ氏の選挙対策アドバイザーなのです。それで、オマヌケな「名札」プランを進言したりして彼自身もジュリアーニ氏も痛手を負うことになります。
研究所にあったのはディンキンス氏の血液です。このエピソードでのジュリアーニ氏のコメントは、そのままディンキンス氏が言います。(しかし、ここはご本人ではなく、ディンキンス氏に扮した俳優が演じますが)
で、「ヨーグルト・スキャンダルが民主党を勝たせた。」という新聞のコラムをElaineが読むことになります。
面白いですね。
ジュリアーニ氏は2期にわたってNY市長を務めました。
その強権的な市政は批判も買いましたが、少なくともジュリアーニ氏が市長になってから、NYがみるみる安全になって、旅行者にとっては有難かったです。例の42丁目の再開発を積極的に推し進めたのも氏でした。
2001年9月11日以降の働きぶりは、世界中の注目を集めました。「皆さん、New Yorkに来てください。プロデューサーズを観るなら今です。」と世界に呼びかけたのも印象深いですね。(私だけ??)
また、ジュリアーニ氏の「TV出演大好き」も有名で、SATURDAY NIGHT LIVEではドラッグ・クィーン姿で登場して「アッ!」と言わせました。
しかし、二人分の血液が混じったら、コレステロール値も「二人分」の数値になるってのは、、素人の私でもおかしな話だと思うんですがネ
コメント一覧
ファイア-
master of my domain
ファイア-
belmont (ベル)
master of my domain
ファイア-
master of my domain
belmont (ベル)
最新の画像もっと見る
最近の「SEINFELD」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
- JERSEY BOYS (舞台ミュージカル)(127)
- JERSEY BOYS(映画)(43)
- JERSEY BOYS(来日公演)(9)
- JERSEY BOYS(日本版)(18)
- JERSEY BOYS(音楽関連)(30)
- Jerry Seinfeld(36)
- SEINFELD Cast(22)
- BEE MOVIE(40)
- CUTMAN(27)
- Theatre(118)
- Books(33)
- Music(84)
- Movies(111)
- THE PRODUCERS(20)
- CURB YOUR ENTHUSIASM(6)
- New York(49)
- HAIRSPRAY(33)
- SEINFELD(139)
- English(1)
- Unclassified(84)
バックナンバー
人気記事