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And This Is Not Elf Land

SEINFELD 5-7 The Non-Fat Yogurt(ジュリアーニ市長誕生前夜)

※SEINFELD(となりのサインフェルド)5-7’The Non-Fat Yogurt’(フローズンヨーグルトの陰謀)の内容が書かれています。

このエピソードが放映されたのは1993年11月4日
この前日にジュリアーニ氏が次期のNew York市長に選出されています。
ここでは、ジュリアーニ次期市長、ご本人が早速登場


Jerryと仲間たちは新しくできたフローズン・ヨーグルトの店に入りびたり。とろけるような風味であるばかりでなく、何たってnon-fat(脂肪分ゼロ)なんですから。おかげで、このお店はヘルス・コンシャスなNew Yorkerで連日大繁盛なのでした。

ある日、この店で、Georgeは昔のご近所さんで、今はディンキンス現NY市長の政策アドバイザーをしているLloyd Braunに遭遇。Georgeは苦手なんですよね~、こういうタイプ。

(GeorgeとLloydのやりとりも、いろいろあるんですが、ま、ここは別の機会にして。)でも、一緒にいたElaine嬢は、バリバリの勝ち組で男前のLloydに一目ぼれ。彼もElaineが気に入り、お付き合いをすることになります。

デートでElaineは
ELAINE: …So, anyway, you're a..you're a big advisor to Dinkins, huh?
(…ところで、あなたってディンキンス市長のビッグ・アドバイザーなのよね。)

LLOYD: Yeah, yeah. It's coming right down to the wire.
(ああ、そうだよ。最後の一瞬まで職務を遂行するつもりだよ。)

ELAINE: Wow! You know what I would do if I was running for mayor. One of my campaign themes would be that everybody should wear name tags all the time to make the city friendlier.
(ステキね~。あのね、私が市長選に出馬したら、私は、みんなが常に名札をつける、ってのをキャンペーンのテーマにするわ。そうすれば、NYのみんなが仲良くなれるじゃない?)

LLOYD: Name tags, hmm?
(名札か…)

ELAINE: Well, everybody would know everybody. It would be like a small town.
(そうよ。みんながみんなと知り合いなの。まるで小さな町みたいに。)

LLOYD: Maybe I'll mention that to him.
(かもね。市長に進言してみようかな。)


ELAINE: Really? Wow.
(ホント?すてき!)


まじですか、Elaineさん…

彼は本当に市長にこのプランを進言するんですが、市民の失笑を買い、結局、Lloydはアドバイザーを解任されてしまいます。

この「名札」ネタ、ナチスがユダヤ人に強制した同様のことを皮肉っています。


さて、JerryとElaineは気がついたら体重がかなり増えている。なぜ?いつもと変わらない生活をしているのに?ヨーグルトはよく食べているけれど。だって、あれnon-fatなんでしょ?

…でも、それにしては体重が…。

ホントにあれはnon-fatなの???

というわけで、JerryとElaineはヨーグルトを研究所に持って行って、本当に脂肪分がゼロなのか確かめてもらうことにします。その店に投資しているKramerも責任を感じて(?)一緒に来るのですが、、。

ところが、Kramerはそこのセクシーな女性研究員に一目ぼれ。速攻でアタックし、夜の研究室で密会となりました。しかし、二人が熱く燃えている時に、ホンのはずみで台の上にあったNY市長選立候補者、ジュリアーニ氏の検査中の血液に他の血液が混入してしまうんです。

しかし、夜の研究室で起きたアクシデントのことなんて…知る人はだれもいない。

検査の結果、例のヨーグルトがnon-fat(脂肪分ゼロ)なんて真っ赤なウソだったことが明らかになります。



そんな時、TVニュースで…

NEWS: Rudy Giuliani, who underwent a physical last week, received some startling news today, when his cholesterol count turned out to be a whopping 375. …We now take you to Giuliani headquarters where Rudy Giuliani is about to make a statement.
(ルディ・ジュリアーニ氏は先週、健康診断を受けましたが、本日、驚くべき結果が出ました。彼のコレステロール値は375という驚くべき数値が出たのです。…今、ジュリアーニ氏がコメントを発表しますので、選挙事務所につなぎます。)

GIULIANI: It's hard to understand. Because I've been doing everything I normally do. I've been watching my diet very carefully. I exercise regularly. My only indulgence, I guess, would be that I eat a lot of frozen yogurt. But it's non-fat.
(信じられません。私は全て通常通りに生活していたのです。食生活に気をつけ、いつもどおりに運動をしていました。唯一、大目に見ていたのはフローズン・ヨーグルトを食べていたことなのですが、でも、それはnon-fatなのです。)

JERRY: Non-fat yogurt? Oh, my god. They got Giuliani and he doesn't even know it.…I'm calling Giuliani's headquarters
(non-fatヨーグルトだって?おいおい…。ジュリアーニは例のを食べていたのに知らないんだよ。…ジュリアーニの事務所に電話しなきゃ。)


その後、ジュリアーニ氏はTVでNew Yorkerに呼びかけます。

GIULIANI: My campaign staff has received some very disturbing information regarding the fat content in yogurt that's being sold throughout the city. I pledge to you now, that if I'm elected mayor, as my first order of business I'll appoint a special task force to investigate this matter. I promise you, my fellow New Yorkers, that Mayor Giuliani will do everything possible to cleanse this city of this falsified non-fat yogurt.
(私の選挙運動スタッフが非常に不穏な情報を入手しました。NY市内で売られているヨーグルトに脂肪分が含まれているというものです。私は公約いたします。私が市長になったら、真っ先にこの件についての捜査をする専門調査団を設けます。親愛なるNew Yorkerのみなさん、ジュリアーニ市長はこのようなインチキ脂肪分ゼロヨーグルトを市内から一掃するために、ありとあらゆる事を実行することをお約束します。


そうやって、例のヨーグルトは、実は脂肪分が含まれていることが人々に知られてしまいます。

店のほうでは、今度は「本当に」non-fatのものを売るのですが、味がさっぱりで客足が遠のくばかり。

市長選の後、Elaineが新聞を持ってやってきました。

ELAINE: Hey, you guys, listen to this. Listen to this. Apparently some blood spilled into Mr. Giuliani's test tube causing his cholesterol count to be 150 points higher than was initially reported. Ironically, the mishap by bringing the non-fat yogurt scandal to the attention of the public, probably clinched the election for the Republican. It was the one issue which seemed to electrify the voters and swept Giuliani into office.
(ねぇ、みんな、ちょっと聞いて。読むから聞いててね。「明らかに誰かの血液がジュリアーニ氏の血液に混入し、それで、当初伝えられていた数値よりも150ポイントも高いコレステロール値が出たのだ。皮肉にも、non-fatヨーグルトスキャンダルに大衆が注目し、これが共和党の勝利を決定付けたのである。選挙人を刺激し、ジュリアーニ氏を市長誕生へとつなげたひとつの理由となったと思われる。」)

JERRY: So, in effect, the yogurt won him the election.
(じゃあ、実際、ヨーグルトがジュリアーニを勝たせたってコトか?)

ELAINE: I wonder what actually happened in that lab.
(あの研究所で、本当に何があったのかしら?)

KRAMER: Yeah, me, too.
(全くだな)

あんただよ!



こういう筋書きなのですが、冒頭で述べたとおり、このエピソードはジュリアーニ氏が勝った「翌日」に放送されているのです。もちろん、ディンキンス氏が勝つ可能性もあったわけで…

実は、ディンキンス氏勝利バージョンも作られていたのです。これはDVDでのみ、観ることができます。

そのバージョンでは

まず、例のLloydはジュリアーニ氏の選挙対策アドバイザーなのです。それで、オマヌケな「名札」プランを進言したりして彼自身もジュリアーニ氏も痛手を負うことになります。

研究所にあったのはディンキンス氏の血液です。このエピソードでのジュリアーニ氏のコメントは、そのままディンキンス氏が言います。(しかし、ここはご本人ではなく、ディンキンス氏に扮した俳優が演じますが)

で、「ヨーグルト・スキャンダルが民主党を勝たせた。」という新聞のコラムをElaineが読むことになります。


面白いですね。

ジュリアーニ氏は2期にわたってNY市長を務めました。

その強権的な市政は批判も買いましたが、少なくともジュリアーニ氏が市長になってから、NYがみるみる安全になって、旅行者にとっては有難かったです。例の42丁目の再開発を積極的に推し進めたのも氏でした。

2001年9月11日以降の働きぶりは、世界中の注目を集めました。「皆さん、New Yorkに来てください。プロデューサーズを観るなら今です。」と世界に呼びかけたのも印象深いですね。(私だけ??)

また、ジュリアーニ氏の「TV出演大好き」も有名で、SATURDAY NIGHT LIVEではドラッグ・クィーン姿で登場して「アッ!」と言わせました。


しかし、二人分の血液が混じったら、コレステロール値も「二人分」の数値になるってのは、、素人の私でもおかしな話だと思うんですがネ

コメント一覧

ファイア-
訂正
「ユナイテッド63」ではなく「ユナイテッド93」のまちがいでした。失礼しました。



「一つのものに嵌まると、その周辺的なものにも目がいかなくなる」→わたしもそうなんですよ。最近は興味がだいぶ散漫になってきましたが、昔はもっとストイックというか凝り固まってました^^;でも、そこがいいんじゃないでしょうか!

master of my domain
9・11後
9.11後、アメリカではUnited We Standで国民がひとつになっている一方で、日本人は、ちょっとしたIdentity Crisisに陥っていたと思います。それが今も引きずっているような感じですね。



That 70s Showは観たことがありませんでした。私は、一つのものに嵌まると、その周辺的なものにも目がいかなくなるようなところがあります。とりあえず、Everybody Loves RaymondのDVDも(まだ開封もしてなかった!)観てみます。
ファイア-
わ~い
>パール・ハーバーやカミカゼ

確かに、あの時は「あ、やっぱり日本ってそういう目で実は見られてたんだな…」と妙に悟ったような暗うつな気分になってしまいました。



なんだか、non-fat yogurtから遠く来てしまいましたすみません。



ベルさん、That 70s Showおもしろいですね!わ~いうれしい♪でも終わっちゃったんだ~残念ですね。いまをときめくアシュトン・カッチャーも出ていましたね。あのバカップル好きでした(笑)。

登場人物の名前などはさっぱり忘れちゃいましたが、主人公の両親は最高でしたね。主人公のガールフレンドのお父さんも良かった(笑)。



もひとつ挙げたのはTitanじゃなくてTitusだったかな?忘れてしまいました^^;
belmont (ベル)
Fox
Master様、ファイアー様



Foxは私も見てますよー。 平日は毎日、それも7時と11時の2回「Seinfeld」を放送しているし、ファイアーさんもお好きな「That 70's Show」のリピートをやっています(私もこの番組、大好きなんですよー!)。今シーズンでThat '70s show が終わってしまって、出演者全員(エリック以外)涙、涙でオーディエンスに挨拶したんですよ。 この番組、サインフェルドに比べると子供っぽいけど笑えますよー(ね?)。



あと、Foxはスポーツ中継をするのでよく観ます。今日はNLCの優勝をかけてメッツとカーディナルスの対戦がありますね。 田口がいるのでカーディナルスを応援してますが、レッドソックスの時ほど熱が入りません。



9・11はあまりにも衝撃的でショックが大きかったので、多くの人はまだその2本の映画(良く出来ているみたいですが)を観るのに心の準備ができていないんじゃないでしょうか。 私はまだ観る事はできません。 



9・11のアタック直後、NBC等では「カミカゼ」、「パール・ハーバー」という単語をアンカーが使っていて、私等は反発を感じておりましたら、その後すぐにそれらの言葉は使われなくなりました。 ポリティカリー・コレクトなのでしょうか、、、。 ニューヨークにはよく行くのに未だに「グラウンド・ゼロには行っていません。 人類の歴史が始まって戦争が行なわれなかった時は無かったわけですが、最近の戦争とかつての戦争の違いは、一般人と子供が圧倒的に犠牲になっていることですね。本当にどうする気だと言いたくなりますね。 



最後に、マスター様は英語教育に携わっておられると推察申し上げますが、日本にもこんなクールな英語の先生がおられたなんて、嬉しくて、そして心強く思いました!

master of my domain
Fox
Foxエンターテインメントは放送しています。Fox Newsの方が、2年前ぐらいに打ち切られたと思います。



9.11関連の映画は、どれもまだ観ていないのです。とにかく、あの後、Foxのような超保守のメディアがみるみる力を蓄えてしまったことと、パール・ハーバーやカミカゼを引き合いに出しながらの報道が続いたことなどが、私にとっては、ちょっとしたショックでした。その後、グラウンド・ゼロにも何度か足を運びましたが、「しっかり見ておこう」とまでは思いませんでした。これからの世界はどうなるのか…と思いますね。
ファイア-
す、すごい・・・
master of my domainさん、ベルさん、こんにちは^^



これまた、なつかしいなあ、non-fat yogurt・・・

おぼえてるのは、Newmanが同僚を連れてヨーグルト屋さんに来ていたことです。Newmanの郵便局員のユニホーム姿をはじめて見たし、同僚には結構人気ありそうだったのが意外だったので(笑)。

Elaneがふとりすぎて、椅子に座ったらこわれたっていうのがありませんでしたっけ?そこまでいくか、と笑っちゃいました。

それにしても・・・2バージョン作っていたとは!いずれかひとつは絶対に放送されないとわかっているのにわざわざ撮った、その手間ひまのかけ方に感動しました!!さすがSeinfeld、あっぱれです!



ケーブルではFoxチャンネルはなくなってしまったんですか?日本のケーブルが視聴可能だった頃はよく見ていました(もっとも日本版だったのでしょうが)ラリーキングライブの他、ドラマをたくさん(しかもかなりラディカルなものまで)やってくれていたのがうれしかったです。TitanやThat's 70s Showとか好きでした。



9.11は、日本時間は午後10時ころでしたね。私は家で仕事をしながらニュースを見ていて、2機目突入の場面をリアルタイムで見てしまいました。あの夜のことは忘れられません。



政治のことはよくわからないんですが、今年、9.11関連の映画が公開されていますね。これらがどういう目的で作られたのかが興味ありました。いまいちど愛国心を煽るためか、反戦か、プロパガンダか…?

で、先日『ワールドトレードセンター』を観てきました。映画自体は、予測していたよりもいい出来ではありましたが、まだとても9.11を直視するドラマは作れる時期ではなかったのだろうな…という作り手の「慎重さ」を感じました。要するに凡庸な人間ドラマに終わってしまっていて、オリバー・ストーンらしさも出せていないと感じました。いろんな意味で、やはりまだ早すぎるのではないかと思いました。

アメリカ国内での反応は、どうなのでしょうか?『ユナイテッド63』は、私は予告を観るだけでつらく、本編はとても観に行くことはできませんでした。フィクションにすることで、痛みから逃げず、痛みを癒すことも、映画にする目的として大切ではあると思いますが…。
master of my domain
9.11
ベル様、こんにちは。



9.11の時は、ちょうど家でFox News(fair and balanced…というやつ{笑})を観ていました。Foxは一機目の突入の5分後ぐらいから現場中継しましたから、私は、日本国内で、極めて早い段階で情報を得た方だと思います。



しかし、その後の報道は、正直、見ていて辛いものがありました。



今はケーブルでFoxを観ることができないのですが(契約数が少なかったんでしょう。完全な英語放送でしたし。)私には、かなりインパクトのある局でした。それまでは「リベラルなアメリカの姿」しか知らないような感じでしたし。好奇心で、看板キャスター達の本を読んでみたりもしました。



9.11以来、視聴率キングとして揺るぎない地位を築いたFoxも今年で10周年なのだそうですね。これについての社説を載せたり、マードック氏のインタビュー記事を載せたりするメディアもあります。



日本もこれからどうなるのか分からない状況ですが、人間に自滅を避ける本能が備わっているのであれば、ぶれ過ぎた振り子を元に戻すこともできるはずだと信じたいです。Fox関連の論調を見てそう思いました。またそうあらねばならぬ、と考える人がアメリカには少なくないことも実感しました。



今度の選挙は民主党が圧勝らしいと言われていますね。目が離せませんね。これからも、よろしくお願いします。









belmont (ベル)
泣けるCM
Master of my domain様



お久しぶりです。私もジュリアーニ氏(とパタキ知事)の9・11直後のNYのコマーシャルに涙しました。 私はボストンに11年住んでいますが、9・11の時には人々の怒りが集まって雪だるまの様に膨らんでいく怖さを感じました(戦争に向う時ってこうなのかな~と実感しました)。 多くの家々、窓、車に星条旗が掲げられ、「United we stand」のスローガン、私も夫も日本人なのですが怖かった反面、アメリカ人の底力を見たような気がしたものです。逆境時にこそ明るく、力強くならねばと思うところ。(勿論私達は戦争には反対です、念のため)。 



こういう話をすると尽きないので、ジュリアーニ氏の話をしましょう。 私も大好きなSNLにも出演したり、昔は「ビル・コズビー」のシットコムにもニューヨーク市長役(そのまま)で出演していました。 出るのが好きみたい。 この方、リパブリカンですが、多くの人(デモクラットにも)に人気があり、2008年の大統領選にも(本人の意志は知りませんが)出馬してはどうかと思っている人が多いとか、、、。 ヒラリーさんとジュリアーニ氏の一騎打ちになるか? W・ブッシュ氏の弟ジェブ・ブッシュ氏が出馬するかも? なんて一体どうなるのでしょう。 大統領になったらなったで大変でしょうね。



最後に、「べるちゃん」さんという方がいらっしゃるのですね。 わたしはベルモントのベルです。 宜しくお願いします。
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