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And This Is Not Elf Land

SEINFELD 5-8 The Barber(ペンスキー・ファイル)

相手が途中で話を止めてしまったら…?
でも、その前に「君はのみこみが早い人間だね!」と言われていたら…?
「あなたなら、どうしますか?」…ってハナシ。
※SEINFELD(となりのサインフェルド)5-8‘The Barber’(愛と復讐の散髪バトル)の内容が書かれています。

Jerryが超絶ヘアカットをされたというThe Barberのエピソードは前回も紹介していますが、ホントはこちらのPensky Fileの話のほうがメインだと言ってもいいくらい。

このシーズンではGeorgeは失業中。幾度となく就職面接を受けるのですが、肝心なところでヘマばかり。ところが、何故か今回はなかなかいい感じなのです。

Mr. Tuttle: Well George we here at Sanalac like to think of ourselves as a fairly progressive company. We have a small but prestigious group of clients.
(George、私たちはこのSanalac社は非常に進歩的な会社だと考えているんだよ。小さくても{人数は多くなくても}名声のある顧客を抱えている。)

George: Well a lot of people consider me small and prestigious.
(そうですか。僕も小さくて名声があるってよく言われます。)

Mr. Tuttle: That's funny George. You're very quick. I feel like I don't have to explain every little thing to you. You understand everything immediately.
(君は面白いね。君はのみこみが早いようだ。君にはいちいち細かいことを指示しなくてもいいようだね。君は瞬時にすべてを理解するようだ。)

George: I enjoy understanding.
(僕は理解するのを楽しんでいるんです。)

Mr. Tuttle: I want you to have this job. Of course...
(君にここで働いてもらいたい。もちろん…)

ところが、大事なところで電話が入ります。


Secretary: Mr. Zimmer is on line 2.
(Zimmerさんから電話です。2番です。)

Mr. Tuttle: Thanks. I've got to take this call. Listen, I'm really glad that you came in.
(ありがとう。{Georgeに}私は電話に出なきゃならん。来てくれて嬉しいよ。)

で、結局、どうなったの???



いつものレストランで…

George: I want you to have this job. Of course...
(「君にここで働いてもらいたい。もちろん…」)

Jerry: Yeah?(で?)

George: That's it.(それだけさ。)

Jerry: What do you mean that's it?
(それだけって?)

George: He never finished the sentence. He got a call, that was the end of the interview.
(彼は言い終わらなかったんだよ。電話がかかってきてね。そこで面接は終わったってわけさ。)

Jerry: "Of course" was the last thing he said?
「もちろん」が最後だったのか?

George: Maybe he was going to say "Of course I have to check with my associates."
(きっと彼は「もちろん、君を社員に紹介するよ。」というつもりだったのさ。)

Elaine: "I want you to have this job, of course the Board of Directors is under indictment and will be serving time."
(「君にここで働いてもらいたい。もちろん、幹部社員は起訴されていて、服役することになるんだが。」)

Jerry: "I want you to have this job, of course sodomy is a prerequisite."
(「君にここで働いてもらいたい。もちろんホモセクシャルが前提条件なんだが。」)

George: All right.
(わかったよ。)

Elaine: Why don't you go ahead and call him?
(電話をかけて訊いてみたらいいのに。)

George: Because he made a big deal about how I understand everything immediately. That's what impressed him.
(だって、彼は僕の呑みこみの早いところを買ってくれているんだよ。それで好印象を与えたんだから。)

Jerry: So if you call and ask if you have the job, you might lose the job.
(ってことは、君が電話して、採用してもらえるのかどうか訊けば、君は仕事を失うかもしれない。)

George: And if I don't call...
(そして、もし電話しなかったら…)

Jerry: You might have the job, but you'll never know it.
君は採用されたのかもしれないが、君はそれを知らない。)


さ、これでSEINFELD的には「すべての伏線がが整った」ってことになります。
これでこれで面白くない展開になったら、タダじゃすまないわよ!…ってモードになる。

しばらくは、Jerryの驚愕のヘアカットネタが続くんですが、そんな中、Georgeは「ある決心」をするのです。それをJerryに話します。

George: I show up.
出勤するよ。

Jerry: What do you mean you show up?
(出勤するって…どういうこと?)

George: I show up. I pretend I have the job. The guy's on vacation. If I have the job, it's fine. If I don't have the job, by the time he comes back, I'm ensconced.
(会社に行くんだよ。採用されたかのようにね。面接した人は休暇中なんだ。もし、採用されてたのなら、それでいいじゃないか。採用されたなかったら、彼が戻ってくるまでは、とりあえずそこにおさまる。)

Jerry: Hmm. Not bad.
(んー。悪くない話だ。)

George: What's the worst thing that could happen?
最悪の場合はどうなる?)

Jerry: Well, you'd be embarrassed and humiliated in front of a large group of people and have to walk out in shame with your tail between your legs.
(ああ、つまり君は大勢の人の前で困り果てて、恥をかかせられて、恥ずかしくてシッポを巻いて逃げなきゃならないね。)

George: Yeah, so?
(ああ、だから?)


そうなんですよ。だって、それってGeorgeにとっては日常茶飯事。
「大勢の人の前で困り果てて、恥をかかせられて、恥ずかしくてシッポを巻いて逃げなきゃならない」コトぐらいにビビッていてGeorge Costanzaをやってられますか!…ってことなのね。

好きだな~、こういう自虐ネタ。

さて、そんなわけでGeorgeの初出勤となるのです。

会社の人も、多少驚きながらも、Georgeに「大きいofficeと小さいofficeがあるが、どちらを使いますか?」と尋ね(Georgeは「小さいところがいい」と希望)「新入りさんにはこれをやってもらいたい。」とPensky fileという書類の束を手渡します。

officeに落ち着くGeorgeですが、何もせず、一日中居眠りしているだけで勤務時間が終わって帰宅。そんな感じで数日が過ぎます。

ある日、書類の依頼主であるPenskyご本人がやってくるのです。

Pensky: Costanza? Arthur Pensky.
(君がCostanzaか?Arthur Penskyだ。)

George、大慌て…!

George: Mr. Pensky. I was just working on your file. I was transferring the contents of the file into this flexible accordion-style folder.
(Penskyさん。あなたのファイルを担当してきました。中のものをこの曲がりやすくてアコーディオンみたいなケースに移しましたよ。)

関係ない話ですが、文具コレクターの私には魅力的なアイテムですよ、これ。欲しい!

Pensky: Where's Tuttle?
(Tuttleは?)

George: He's on vacation.
(休暇中です。)

Pensky: He was on vacation the last time I dropped by. Give me my file. Looks like you put a lot of work into this.
(前回立ち寄った時も休暇だったな。ファイルを見せてくれ。…君はしっかりやってくれたようだね。)

George: Well you know in college they used to call me the little bulldog.
(だって、大学の頃はみんなから「小さなブルドッグ」と呼ばれていたくらいですから。)

Pensky: Hey, you are Pensky material. Would you ever consider coming to work directly for me?
(君はPensky社で働けるね。私のところへ直接来る気はないかね?)

George: Really?(本当ですか?)

Pensky: You are aware...
君は分かっていると思うが…

ところが、またまた、肝心なところで秘書から急用の連絡が入り、Pensky氏は最後まで言い終わらないうちにofficeから出て行かざるをえなくなります。

George: I am aware. I am aware.
(僕は分かっている…分かっているよ。)

Georgeは何やらゴキゲン。

私は「会社員」の経験がないので、このあたりはよく分からないのですが、今いるSalanac社よりも、ファイルを依頼したPensky社のほうが、いわゆる「格上」の会社で、Georgeにはこちらの方が有難い話だったってコトなのでしょうか?

その後も、一日中officeでボ~ッとしているだけで日が過ぎていきます。ある日、ついにTuttle氏が休暇を終えて戻ってきました。

Tuttle: George, I'm surprised to see you here.
(George、ここにいるなんて驚いたな。

George: You are?(そ、そうですか?)

やばいかも…

しかし、

Tuttle: I though you would have taken the large office.
(君には大きなofficeを使ってもらおうと思っていたのだよ。)

な~んだ…

George: Oh. Really.(本当ですか?)

な~んだ…
しかし、Tuttle氏はファイルを調べて

Tuttle: You haven't done anything with this.
(君は何もやってないじゃないか?)

George: Well bear in mind that I am in the smaller office.
(だって、なんたって小さいofficeにいたんですから。)

Tuttle: I'm beginning to wonder if you understand anything.
(君は本当に分かっているのかね?)

George: You are aware that Pensky is interested in me.
(あなたこそ。Pensky社が僕を欲しがっていることに気付いた方がいいですよ。)

Tuttle: You're not Pensky material.
({バカにしたように}君がPensky社で働くって?)

George: Well, we'll just see about that. Ta-ta, Tut-tle.
(そうですよ。今に分かるでしょ。バイバイ、Tuttleさん。)

Ta-Ta, Tut-tle
ここは「音」で笑わせるところ。

さて、嬉々としてPensky氏に会いに行くGeorgeですが

Pensky: Gee George, I'm sorry I gave you the wrong impression. What is was going to say was, now you are aware that our Board of Directors has been indicted, myself included, and we're prohibited from doing business until the investigation is completed. So obviously, we would have no use for you.
(これは驚いたな、George。君は誤解してしまったようだ。私が言いたかったのは「君は分かっていると思うが、私も含めて、幹部役員は起訴されていて、捜査が終わるまではビジネスは禁止されているんだよ。だから、君を採用することはないことは明らかなんだ。」)

George: Obviously.
(そうね…明らかね…)

Georgeに秘書から「急用なんですが…」と連絡が入ります。

ま、こういうオチってことで。

実際にTVでは、登場人物のちょっとした表情や口調の変化を読み取りながら見ることができるので、更に面白さも倍増することになります。

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master of my domain
パピィ
パピィは第5シーズンのThe Pieに出てくる、トイレで手を洗わないで、パイ生地をこねこねしていたシェフです。(パイをこねている時のキモい笑顔が何気にツボなんですけど!)

Seinfeldの放送の後、4人のキャラクターのPez dispenserが作られたらしいって話を聞いたような気がしますが…真偽の程は定かではありません。
ファイア-
パピー?
すいません、パピィって誰ですか?

パイロットを書いてたノートと同じもの…マニアックだあ!私、高校生のころ一年間テキサスにホームステイしていたんですが、みんな黄色いへんな紙のレポート用紙みたいなのを使ってました。もちろん私も使いましたが。

ベルさんはPezですか♪楽しそうですね。ちっちゃいころはよく食べてました。日本に千秋ってタレントがいるでしょ?彼女もPezコレクターらしく、以前歌を出した時に自分の顔で特別に作ってもらったらしいですよ。

master of my domain
>The Pie
パピーはその後も「不潔ネタ」で出てくるんですよね。ああいう役柄が多いと、俳優生命だけでなく、一般人としも、いろいろ大変なんじゃないでしょうか~なんて心配になってきます。

Pezのコレクターなんですか!このエピソード関連で、いろいろネットを調べてみたら、熱心なコレクターがたくさんいらっしゃるんですよね!

最近は、日本の「オタク」が世界的に認知されつつありますけど、西欧にも、もともとマニアックな趣味を持つ人が多いように感じます。
belmont (ベル)
The Pie
パピィーの話でしたよね。 トイレで手を洗わないでパイを作られたら、ブルブル~、ジェリーでなくても気持ち悪いですよね~! あとスニッカーズをフォークとナイフで食べるやつとか。



マスター様は文具マニアなんですか? 私はねー、ジェリーと一緒です。 さて、何でしょう? (Pezのコレクションを(ささやかに)してます!)
master of my domain
スーツの話は
The Pieでしたね。せっかく、スーツの誤解がとけて、面接もうまく行くかと思ったのに、デザートのパイを食べるのを拒んでしまったがために…って話でした。(ここでも取り上げています。)



そういえば、私、彼らがパイロットを書いていたのと同じノートを買ってきたこともありましたわ。文具マニアなんですよ
ファイア-
な、なつかしー!
そう!そうでしたね、Pensky File!Georgeが5時までだらだらしてて、しまいには寝てる画は爆笑です(笑)。Jerryと一緒にパイロットを書いてた時も、ふたりして眠りこけてましたよね、よだれたらして(笑)。

それにしても、こんなに詳しく解説してくださるのは、本当にありがたいです!細かいギャグもこれでちゃんと理解できます!

Georgeの就活ネタも多いですね。安物のスーツを買ったために、歩く時「シュッシュッ」とfabricが擦れる音がする、というネタがめちゃめちゃ好きだった(いま思い出しながら爆笑してますが(笑))んですが、あれはどのエピソードでしたっけ~?

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