京都府立医科大学 松原弘明の不正

京都府立医科大学循環器内科、関西医科大学第二内科の松原弘明氏の論文での研究不正疑惑について(捏造・改竄・人体実験疑惑)

毎日新聞: 降圧剤臨床試験:慈恵医大も調査へ 京都府医大論文問題で

2011-10-19 06:55:57 | 関連NEWS

降圧剤臨床試験:慈恵医大も調査へ 京都府医大論文問題で

毎日新聞 2013年04月24日 02時30分

 降圧剤「バルサルタン」の臨床試験を巡る京都府立医大の論文撤回問題に関連し、東京慈恵会医大は23日、同大学でも実施されていた類似の臨床試験の経緯を調査すると明らかにした。薬を販売する製薬会社「ノバルティスファーマ」(東京)の社員が、いずれの試験でも論文に統計解析の責任者として名前を連ねていた。バルサルタンの臨床試験を巡っては、専門家の間に試験結果を疑問視する声があり、関係者の積極的な説明が求められている。

 慈恵医大の広報担当者は「臨床試験を疑問視する週刊誌報道があったため調査する」と説明している。

 同大のチームの臨床試験は、高血圧患者約3000人を対象に2002年開始。バルサルタンを別の降圧剤と併用して服用すると、バルサルタンを併用しない場合より脳卒中が4割減少したという。この論文は07年に英医学誌「ランセット」に発表された。

 ノ社は取材に、この論文に記載された「試験の統計解析の責任者」は、ノ社の社員であることを認めた。だが論文には、この社員の所属は当時兼任していた「大阪市立大」とだけ記載されていて、ノ社の明示はされていない。この社員は、京都府立医大の試験の統計にも関係していた。

 ノ社は「当時、社員は大阪市立大の非常勤講師だった。統計手法の相談に乗っただけで、データの解析には関与していない」と説明している。

 論文には、試験費用がノ社から提供されたと明記されているが、金額は記されていない。大学側は、担当した研究者にノ社から奨学寄付金があったかについては、「開示を控える」としている。

 一連の臨床試験を巡っては、京都大病院の由井芳樹医師が昨年4月、ランセット誌で「薬を使った患者と使わなかった患者の群で、試験終了時に血圧の平均値や(データのばらつきを示す)分散値が一致しているのは奇妙だ」と、複数の大学の論文について指摘。

 その後、京都府立医大チームの6論文全てが、学術誌から撤回された。府立医大でも調査チームが検証している。【八田浩輔、河内敏康】

http://mainichi.jp/select/news/20130424k0000m040151000c.html

http://megalodon.jp/2013-0503-0913-39/mainichi.jp/select/news/20130424k0000m040151000c.html


読売新聞: 京都府立医大元教授の降圧剤論文、全て撤回

2011-10-19 06:55:57 | 関連NEWS

 

読売新聞: 京都府立医大元教授の降圧剤論文、全て撤回

 降圧剤「バルサルタン」の臨床試験に関する京都府立医大の論文が相次いで撤回された問題で、同大学の松原弘明・元教授(56)=今年2月末に辞職=らが、海外の学術誌に発表した関連論文3本が新たに撤回されていたことが、大学への取材でわかった。

 

 元教授らが発表したこの薬の臨床試験関連の論文は計6本あり、すでに撤回されていた3本と合わせ、すべてが撤回されたことになる。

 大学によると、新たに撤回されたのは、欧米の学会誌2誌に2011~12年に掲載された3本の論文。高血圧患者に対するバルサルタンの血管保護効果などを調べた内容で、両誌は撤回の理由を明らかにしていない。

 同大学は3月に、昨年末と今年2月に元教授らの論文3本が撤回された問題で、検証チームを設置、論文の調査を進めている。

(2013年4月21日10時06分  読売新聞)
 
 

京都新聞:元教授の3論文撤回 府立医大 臨床研究結果全てに

2011-10-19 06:55:57 | 関連NEWS

京都新聞:

元教授の3論文撤回 府立医大 臨床研究結果全てに

 

 京都府立医科大の松原弘明元教授(56)の論文不正問題で、元教授が責任者を務めた血圧降下剤の臨床研究の論文3本が新たに撤回されたことが22日、大学への取材で分かった。この研究結果を報告した全論文が撤回されたことになる。元教授の研究室は血圧降下剤を販売する製薬会社ノバルティスファーマ(東京都)から多額の寄付金を受け取っており、研究管理体制があらためて問われる事態となった。

 新たに撤回されたのは2004~09年実施の臨床研究「キョウト・ハート・スタディー」における血圧降下剤バルサルタンの脳卒中抑制効果などを解析した3本の論文で、12年に米国と英国の心臓病専門誌に発表された。府立医大が論文著者を通じて専門誌編集者に撤回を確認した。

 同スタディーではすでに3本の論文が「データ解析に重大な誤りがある」として日本循環器学会などから撤回されており、府立医大は同研究の調査委員会を立ち上げている。

 府立医大が開示した資料によると、元教授の研究室には研究への支援として08年から13年にかけて1億440万円がノバルティスファーマから寄付されている。

【 2013年04月22日 15時00分 】

 

http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20130422000071

http://megalodon.jp/2013-0503-0828-21/www.kyoto-np.co.jp/top/article/20130422000071

 

朝日新聞: 論文撤回さらに3本 京都府医大の元教授

2011-10-19 06:55:57 | 関連NEWS

朝日新聞: 論文撤回さらに3本 京都府医大の元教授

ニュース>社会>記事2013年4月22日17時15分

 京都府立医大の松原弘明・元教授(2月末に退職)が高血圧治療薬の効果を調べた論文3本が国内外の学会誌から撤回された問題で、松原元教授が海外の学会誌に投稿していた別の論文4本のうち3本も撤回されていたことが、同大学への取材でわかった。

 同大学によると、元教授らが発表し、問題になっている論文は高血圧治療薬バルサルタン(商品名・ディオバン)の臨床試験に関するもので、計7本あった。

 新たに撤回されたことが明らかになったのは、海外の学会誌2誌に2012年に公表された3本。いずれも血管の保護作用について調べる内容だった。

 

http://www.asahi.com/national/update/0422/OSK201304220020.html?tr=pc

http://megalodon.jp/2013-0503-0825-55/www.asahi.com/national/update/0422/OSK201304220020.html?tr=pc


毎日新聞: 京都府立医大:降圧剤の全論文を撤回…松原元教授チーム

2011-10-19 06:55:57 | 関連NEWS
京都府立医大:降圧剤の全論文を撤回…松原元教授チーム
毎日新聞 2013年04月20日 15時01分

 降圧剤「バルサルタン」の臨床試験を巡る京都府立医大の論文撤回問題で、松原弘明元教授(56)=今年2月末に辞職=のチームが、2011~12年に海外の心臓病専門誌2誌に発表した臨床試験の関連論文3本が、いずれも撤回されていたことが分かった。大学が取材に明らかにした。大学によると、元教授のチームがこの薬の効果に関して発表した論文は計6本あり、既に撤回が判明していた3本を含め、全てが撤回された。3000人の患者対象の大規模臨床試験の結果が、何ら論文として残らない異例の事態となった。

 ◇大規模臨床で異例

 撤回が判明した3本は、米国とアイルランドの心臓病専門誌に発表されていた。冠動脈疾患や慢性腎臓病などのある高血圧患者に対するバルサルタンの効果を検証した内容。掲載誌は撤回の理由を明らかにしておらず、大学も「理由は把握していない」としている。

 チームは08年、試験の実施要綱を論文にして英医学誌に発表。この論文には、薬の販売元の製薬会社「ノバルティスファーマ」の社員が、統計解析の責任者として名を連ねていた。だがノ社名の記載はなく、この社員の所属は兼任する「大阪市立大」となっていた。また、ノ社が08年以降、元教授の研究室に1億円余の奨学寄付金を提供していたことが毎日新聞の報道で表面化している。

 元教授は、今年1月までの大学側の調査に「データ集計のミス」などと説明してきたが、単純ミスなら撤回せずに修正で対応するのが一般的とされる。

 元教授を巡っては今月11日、大学の調査委員会が「元教授が関わった14論文に不正があった」と公表している。この14本はバルサルタンとは関係がない。【八田浩輔、河内敏康】

http://mainichi.jp/select/news/20130420k0000e040209000c.html

http://megalodon.jp/2013-0503-0822-46/mainichi.jp/select/news/20130420k0000e040209000c.html

共同通信: 14論文で改ざんや捏造 幹細胞移植の京都府立医大元教授

2011-10-19 06:55:56 | 関連NEWS

2013.4.11  共同通信: 14論文で改ざんや捏造 幹細胞移植の京都府立医大元教授

 

14論文で改ざんや捏造 幹細胞移植の京都府立医大元教授


 記者会見で、不正論文の調査報告書について話す京都府立医大の木下茂副学長=11日午後、京都市

 

 京都府立医大は11日、動物実験をせずに急性心筋梗塞の患者に幹細胞移植手術を実施した医学研究科の松原弘明元教授(56)がかかわった14論文で、改ざんや捏造、データの使い回しなどの不正があったとの調査報告書を発表した。

 臨床研究の安全性などを審査するため2003年に開かれた学内の倫理委員会に、松原元教授が幹細胞移植手術を実施するに当たって参考資料として提出した論文でも図表の改ざんや捏造があったとした。

 報告書によると、調査の対象となったのは、外部から改ざんなどの疑いがあると指摘された01~11年に松原元教授が発表した18の論文。

http://www.47news.jp/CN/201304/CN2013041101002058.html

http://megalodon.jp/2013-0416-2051-07/www.47news.jp/CN/201304/CN2013041101002058.html


毎日新聞: 京都府立医大:論文不正疑惑 文科相「大学で徹底調査を」

2011-10-19 06:55:56 | 関連NEWS

京都府立医大:論文不正疑惑 文科相「大学で徹底調査を」

毎日新聞 2013年04月12日 11時46分

 京都府立医大の松原弘明元教授(56)=2月末に辞職=を巡る論文不正疑惑について、下村博文文部科学相は12日の閣議後の記者会見で「研究活動の不正行為への対応は、研究者や大学の自浄作用が基本で、まず大学で徹底的に調査を行うべきだ。文科省としては今後、大学の調査を踏まえ、適切な対応をしたい」と述べた。

 また、山本一太科学技術担当相も同日の閣議後記者会見で「激しい怒りを感じる。こういうことをやると、他の真面目な研究者も疑われる。特に、これから本当に力を入れていかなければならない再生医療の分野。(不正は)あってはならないことだ」と述べた。【斎藤有香】

http://mainichi.jp/select/news/20130412k0000e040174000c.html

http://megalodon.jp/2013-0416-2047-13/mainichi.jp/select/news/20130412k0000e040174000c.html


テレ朝ニュース: 画像改ざん?京都府立医大元教授が14論文で不正か

2011-10-19 06:55:56 | 関連NEWS

テレ朝ニュース: 画像改ざん?京都府立医大元教授が14論文で不正か

 

京都府立医科大学の元教授が、画像を流用するなど、不正に論文を作った疑惑が浮上しました。大学の調査委員会は11日に会見を開き、元教授の不正を認めました。

 不正が見つかったのは、今年2月に京都府立医大を退職した松原弘明元教授の論文です。大学の調査委員会によりますと、元教授が一昨年までに発表した血管再生などに関する14本の論文に、データの使い回しや画像の改ざんなどが見つかったということです。このうち1本は、2004年に元教授が世界初とする臨床試験を行う前に、大学の倫理委員会に参考資料として提出していたものでした。松原元教授は、弁護士を通じて「ねつ造・改ざんなどした事実は絶対にありません」とコメントしています。


http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000003533.html



日テレニュース: 元教授の論文不正、京都府立医大が認める

2011-10-19 06:55:56 | 関連NEWS

2013.4.11 日テレニュース: 元教授の論文不正、京都府立医大が認める

 

元教授の論文不正、京都府立医大が認める

< 2013年4月11日 22:26 >

 京都府立医科大学の元教授が関与した複数の論文で、図表のねつ造や改ざんなどの不正疑惑があったとして、京都府立医大の調査委員会が11日に会見を行い、不正を認めた。

 調査結果報告書によると、今年2月に依願退職した松原弘明元教授が関与した再生医療に関する14本の論文で、細胞の画像を切り貼りして細胞が増えたようにねつ造したり、引きのばしたりするなどの改ざんが認められたという。

 論文は複数の執筆者が関与しており、松原元教授が不正に直接関与したかは分かっていない。しかし、報告書は「全ての論文に関与しているのは松原氏ただ一人で、責任者である松原氏の責任は極めて大きい」と指摘している。

 これに対し、松原元教授は「私が改ざんやねつ造をした事実は絶対になく、指示をしたこともありません」とコメントしている。

 

 http://news24.jp/articles/2013/04/11/07226571.html#

 


琉球新報: 京都府立医大手術 組織的な欠陥究明を

2011-10-19 06:55:54 | 関連NEWS

社説

琉球新報: 京都府立医大手術 組織的な欠陥究明を

2013年4月13日 

 京都府立医大の松原弘明元教授のチームが動物実験をしないまま、急性心筋梗塞の患者に患者自身の幹細胞を移植する手術をしていた。
 移植手術は臨床試験として実施されている。臨床試験をする場合、動物実験で安全性と有効性を確認することが大前提だ。動物実験なしに実施したとなれば、人体実験をしたと批判されても仕方ない。
 手術が実施された2004年2月当時、同チームは事前にブタを使った動物実験で治療の有効性を調べたと発表していた。うその説明をしながら「世界初」の手術成功と誇らしげにアピールした。医師としての功名心が優先され、倫理性が置き去りにされたというほかない。
 それだけではない。松原元教授が関わった論文14件で改ざんやねつ造データの使い回しなどの不正があったことが大学の調査報告書で判明した。
 うち5本の論文が手術の安全性を審査する学内倫理委員会に参考資料で提出されていた。虚偽にまみれた論文を手術許可の判断材料に使っており、極めて悪質だ。
 同チームに責任の一端があるのは間違いないが、大学の倫理委員会にも問題がある。動物実験をしていなかった事実を見抜けぬまま倫理委員会は手術実施にお墨付きを与えてしまった。
 大学側は主な承認理由としてドイツや韓国で類似の研究が先行して実施され、問題が起きていないことを挙げる。しかし幹細胞を濃縮するなど手法が異なっている。先行事例は数が少なく、しかも違う研究を根拠に安全性を保証したのなら、倫理委の審議は不十分と言わざるを得ない。
 幹細胞研究は臨床への応用に期待が大きい。一方で無秩序に進めれば予期せぬ問題が起きる恐れがある。だからこそ政府は06年に人の幹細胞を使った臨床研究を行う際に従うべき指針をまとめている。さらに厚生労働省は研究計画を審査する地域ごとの倫理委を設けることなどを盛り込んだ新法を近く国会に提出する見込みだ。
 病気やけがで機能を失った臓器や組織を修復する再生医療として幹細胞研究は重要な役割を担っている。今回の事態はその研究の信頼性をも揺るがした意味でも深刻だ。大学側は手術チームだけの責任に矮(わい)小化せず、組織として何が問題だったのかという抜本的な検証と究明を進めるべきだ。

 

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-205270-storytopic-11.html

http://megalodon.jp/2013-0416-2035-53/ryukyushimpo.jp/news/storyid-205270-storytopic-11.html


読売新聞: 元教授の14論文に捏造・改ざん…京都府医大

2011-10-19 06:55:54 | 関連NEWS

読売新聞: 元教授の14論文に捏造・改ざん…京都府医大 2013年4月12日09時23分

 

京都府立医大(京都市)は11日、2月末に辞職した松原弘明・元教授(56)(循環器内科学)が関与した論文計14本で52件のデータの捏造ねつぞうや改ざんがあったと発表した。

 松原元教授らが2004年に実施した臨床研究で、学内の倫理委員会に提出した論文も含まれており、同大学は「研究者としての倫理観が欠如している」と批判した。今後、懲戒相当として退職金の返還を求めるべきかどうかなどを審査する方針。

 同大学によると、11年6月頃からインターネット上の書き込みなどで不正の指摘があり、同年12月に調査委員会(委員長=木下茂副学長)を設置。松原元教授が03年まで在籍した関西医大時代も含め、1999~2011年に発表した計18本を調査した。

 論文は、特定の細胞を増やす作用があるとされる幹細胞の注入で、動物の血管が増えるかどうかなどを調べたという内容。この日公表された報告書によると、01~11年の14本で、細胞などの画像の一部を切り取って別の画像としたり、グラフの折れ線を上下反転させて別の論文で使い回したりしていた。松原元教授がデータの基になる実験ノートなどを調査委に提出せず、明確に反証しなかったことから、「捏造や改ざんが行われた」と結論付けた。

 松原元教授が直接捏造に関わったり、指示したりしたのかという点は確認できなかったが、14本すべてに関与しているのは松原元教授だけであり、「松原氏の研究室の指導監督体制に本質的な欠陥があり、責任は極めて重い」と指摘した。

 04年に松原元教授らが急性心筋梗塞の男性患者に行った血管再生の臨床研究については、03年に倫理委員会が研究計画を審査した際、松原元教授らが02年に発表した論文も参考資料となった。幹細胞の注入により、心筋梗塞のブタの心臓で血管が増えたという内容だったが、報告書は、血管本数が実際よりも多いように画像が改ざんされていた、と認定した。

 ただし、倫理委審査では、人間に対して類似の治療を行った海外の研究例も参照しており、安全性の確認に問題はなかったとした。

 この日、記者会見した木下副学長は「不正を見抜けなかったことは遺憾。今後こうした不正が起こらないようにしたい」と話した。

 松原元教授の代理人の弁護士も京都市内で記者会見し、「松原元教授は改ざん、捏造をしていないし指示もしていない。事実認定の手法はずさんで、適正な調査とはいえない」と反論した。

(2013年4月12日09時23分  読売新聞)
 
 
 
 

毎日新聞: クローズアップ2013:降圧剤 京都府立医大の論文撤回騒動 製薬社員も名連ね

2011-10-19 06:55:52 | 関連NEWS

クローズアップ2013:降圧剤 京都府立医大の論文撤回騒動 製薬社員も名連ね

毎日新聞 2013年03月28日 東京朝刊

「撤回」と記された京都府立医大の論文
「撤回」と記された京都府立医大の論文

 ◇1億円の寄付金/製品のPRに利用

 京都府立医大のチームによる降圧剤「バルサルタン」の臨床試験論文3本が、掲載した学会誌から「重大な問題がある」との理由で撤回された。血圧を下げる本来の効能は否定されていないが、脳卒中などのリスクを下げる働きもあるとした論文の信頼性は揺らいでいる。論文をPRに利用してきた製薬会社「ノバルティスファーマ」(東京)の社員が、試験に関係する別の論文で統計解析責任者として名を連ねていたことや、ノ社が論文責任者側に1億円余の奨学寄付金を提供していたことが取材で判明した。関係者の説明責任が問われている。【河内敏康、八田浩輔】

 問題の臨床試験は、京都府立医大の松原弘明・元教授(56)=2月末に辞職=のチームが04年にスタートさせた。高血圧の患者約1500人にバルサルタンを飲んでもらい、経過を追跡。薬の効果を確かめていった。

 松原元教授は試験中だった08年に、問題の3本に先だって、試験の実施要綱をまとめた論文を英医学誌電子版で発表する。この論文には、データの統計解析に責任を負う「統計解析の実施組織」として、ノ社の社員の名前が別の統計の専門家と共に記載されていた。しかしノ社の記載はなく、所属は「大阪市立大」とだけ記載されていた。

 この点について、3月に取材に応じたノ社の三谷宏幸社長は「どんな統計方法がいいかについてアドバイスしただけ。試験内容や、試験の組み立て方などデザインに関わる相談を受けたことはない。社員は大阪市立大の非常勤講師を兼任していた。統計の世界では有名な人物だ」と説明した。

 問題の3論文は、09~12年、日欧の2学会誌に相次いで発表された。09年の最初の論文は「従来の降圧剤に加えバルサルタンを服用すると、血圧の低下と関係なく、脳卒中や狭心症のリスクも下がった」と、欧州心臓病学会誌に発表された。

 ノ社は、この論文を基に、バルサルタンの効果をアピールする広告を医学雑誌にたびたび掲載するなど営業活動を展開。コンサルタント会社によると、11年度の売上高は、日本の医家向けの医薬品中3番目の約1192億円に上った。

 だが欧州心臓病学会は、今年2月になって「複数のデータに重大な問題がある」と、論文を撤回。関連する論文2本を掲載していた日本循環器学会誌も、昨年末に「データ解析に多数の誤りがある」との理由で撤回する事態となった。いずれの学会誌も「重大な問題」の詳細は明らかにしていない。

 

松原元教授は「データ集計の間違いでしかない。論文の結論に影響を及ぼさない」と声明を出し、京都府立医大は今年1月、学内3教授による予備調査で「研究に不正はなかった」と日本循環器学会に報告した。

 この試験を巡っては1年ほど前から、「試験終了時の血圧値の平均値と(データのばらつきを表す)標準偏差のデータが、薬を飲んだ患者群とそうでない群で一致している。試験終了時に異なるのが自然なはず」「同じ薬を使った国内外の臨床試験の結果と合わない」などと、専門家から不自然さを指摘されてきた。

 毎日新聞は松原元教授に一連の経緯について再三取材を申し込んできた。しかし松原元教授は「大学に聞いてほしい」とし、面談での取材に応じていない。

 ◇研究責任者と密接な関係 個人的謝金も

 京都府立医大は、毎日新聞の情報公開請求に対し、松原元教授への奨学寄付金などに関する資料を開示した。

 それによると、大学に記録が残る08年1月以降、松原元教授の研究室に提供された民間からの奨学寄付金は、253件計4億2800万円。このうち、ノ社からは18件計1億440万円あり、金額は約4分の1を占めていた。

 また、12年度は、ノ社から松原元教授個人に講師謝金として2件40万円が支払われていた。

 ノ社は「奨学寄付金を出してはいるが、大学を通じてであり、試験を行う医師に直接ではない。この臨床試験を目的に提供したことはなく、ノバルティスファーマが松原元教授に試験の実施をもちかけたこともない」と説明する。

 2月のノ社の社長定例会見では、記者が松原元教授側への奨学寄付金提供の有無を問うた際、ノ社側は提供してきたことを認めたものの、金額は明らかにしなかった。三谷社長は「大学側の同意が得られれば、一緒に公表していきたい」とする一方、論文が撤回されて営業活動に臨床試験のデータが使えなくなったことには「非常に残念。今後、(顧客の)医師にも説明していきたい」と話していた。

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 ■ことば

 ◇バルサルタン

 ノバルティスファーマが商品名「ディオバン」として、00年に発売を開始した血圧を下げる薬。血管を収縮させ血圧を上げる血中成分の働きを阻害する効果がある。約100カ国で承認を受けている。

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 ◇松原元教授チームのバルサルタン臨床試験をめぐる動き

00年11月    ノバルティスファーマが降圧剤「バルサルタン」の国内販売を開始

04年       松原教授(当時)のチームが臨床試験を開始

09年 8月    「脳卒中や狭心症などのリスクも下げる効果」と欧州心臓病学会誌(電子版)に発表

11年 3月    「心臓肥大の症状がある患者にも同様の効果」と日本循環器学会誌(同)に発表

12年 9月    「糖尿病患者にも同様の効果」と日本循環器学会誌(同)に発表

12月   27日 日本循環器学会誌が掲載論文2本を撤回。京都府立医大に調査を要請

13年 1月31日 京都府立医大が学内3教授による予備調査で撤回論文に「不正はなかった」と学会に報告

    2月 1日 欧州心臓病学会誌が掲載論文を撤回

      12日 ノ社が定例記者会見で「データ解析に会社は関与していない」と説明

      15日 日本循環器学会が京都府立医大に再調査を要請

      28日 松原教授が大学を辞職

    3月 1日 京都府立医大が検証チーム設置を発表

 

http://mainichi.jp/opinion/news/20130328ddm003040148000c.html

http://megalodon.jp/2013-0416-2028-37/mainichi.jp/opinion/news/20130328ddm003040148000c.html

http://megalodon.jp/2013-0416-2028-50/mainichi.jp/opinion/news/20130328ddm003040148000c2.html

http://megalodon.jp/2013-0416-2029-04/mainichi.jp/opinion/news/20130328ddm003040148000c3.html


毎日新聞: 論文不正:松原元教授関与、13本に不正

2011-10-19 06:55:50 | 関連NEWS

論文不正:松原元教授関与、13本に不正

毎日新聞 2013年04月11日 15時00分

 京都府立医大の松原弘明元教授(56)=2月末に辞職=を巡る論文不正疑惑で、大学の調査委員会は、松原元教授が関与した論文のうち少なくとも13本に図表の捏造(ねつぞう)や改ざん、流用があったことを指摘する報告書をまとめた。松原元教授本人が不正に直接関与したかは不明としつつも、「最終的な責任者である松原氏の責任は、極めて大きいと言わざるを得ない」と結論付けている。

 調査委は2011年12月、外部から指摘を受けた大学側が、学外の有識者を交えて設置した。松原元教授が関西医大在籍中(03年3月まで)に関与した論文を含む1999~11年の18本を調査対象とし、連絡先が確認できた共著者77人に書面や面談で聴取した。

 主に再生医療の実験に関するもので、04年の急性心筋梗塞(こうそく)患者に対する臨床試験の参考にしたとされる02年の論文(04年に修正)も含まれている。調査委は動物実験を経ていないことについて、「倫理上、重大な問題」と指摘した。

 報告書によると、18本のうち、少なくとも13本に掲載された顕微鏡写真などの画像で、回転させたり、拡大・縮小したりして別画像に見せかけるなどの不正があったと判定した。13本の他に2本は、内容が同じなのに、題名と共著者だけが変わっており、重複投稿と認定した。

 こうした結果について「松原氏の研究室管理体制に本質的な欠陥」があり「極めて異常」と指摘。「(仮に)意図的な改ざんや捏造がなかったとしても、図表の間違いの混在した論文を極めて高頻度に国際的に発表し続けた責任は免れ難い」とした。

 松原元教授は、日本循環器学会で理事や医道委員会委員長を歴任。最近は日本高血圧学会の理事だったが、3月6日付で辞任した。

 毎日新聞の取材に松原元教授は、自ら不正に関わった事実はないと主張した上で、「多数の執筆者が関わった論文の一部に改ざん・捏造があったと指摘される事実については、私が監督責任を果たさなかった結果で、十分反省している」などと文書で回答した。

 松原元教授はこのほかにも、降圧剤「バルサルタン」の効果に関する論文3本が「重大な問題がある」との指摘を受けて撤回。経緯などを大学が調べている。【八田浩輔】

http://mainichi.jp/select/news/20130411k0000e040227000c.html

http://megalodon.jp/2013-0416-2025-20/mainichi.jp/select/news/20130411k0000e040227000c.html


日本経済新聞: 元教授が14論文で不正 京都府立医大、退職金返還要求へ

2011-10-19 06:55:48 | 関連NEWS

元教授が14論文で不正 京都府立医大、退職金返還要求へ 

2013/4/11 22:10

 京都府立医科大は11日、2月末に退職した医学研究科の松原弘明元教授(56)が関与した14の論文で、画像を改ざんするなどの不正が見つかったと発表した。今後、退職金の返還などを求める。松原元教授は2004年に動物実験を経ずに急性心筋梗塞の臨床試験(治験)を患者に実施していたが、京都府立医大は「倫理上も手続き上も問題はなかった」との見解を示した。

 ただ、臨床試験の安全性などの審査のために学内の倫理委員会に提出した論文でも、画像の改ざんなどがあったという。

 大学側によると、11年にインターネット掲示板への書き込みや、大学への匿名による告発を受け、学外の有識者を含む調査委員会を設置。松原元教授が関与した18の論文について、関係者からの聞き取り調査などを進めた結果、14論文の計52カ所で、過去に掲載した画像を使い回したり、改ざんしたりしていたことがわかった。

 記者会見した伏木信次副学長は「誠に遺憾だ。研究者としてあってはならないこと」と述べた。

 松原元教授は、慢性心筋梗塞の動物実験しかやらずに、急性心筋梗塞の患者の血液から幹細胞を取り出す臨床試験を実施していた。京都府立医大は、海外で人間を対象にした論文が報告されており、倫理上の問題はなく、学内の倫理委員会が許可したことも問題はないと結論付けた。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1103W_R10C13A4CC1000/

http://megalodon.jp/2013-0416-2022-48/www.nikkei.com/article/DGXNASDG1103W_R10C13A4CC1000/

 


時事通信: 元教授、論文14本不正=動物の幹細胞移植でも-京都府立医大

2011-10-19 06:55:46 | 関連NEWS

時事通信: 元教授、論文14本不正=動物の幹細胞移植でも-京都府立医大

 

元教授、論文14本不正=動物の幹細胞移植でも-京都府立医大

 

 京都府立医科大は11日、松原弘明元教授=2月退職=が関わった2001~11年の論文計14本で、捏造(ねつぞう)や画像の使い回しなどの不正があったと発表した。元教授は04年、急性心筋梗塞の患者から取り出した幹細胞を直接注入する世界初の臨床試験をしたが、学内の倫理委員会に試験承認の申請をした際に提出した参考論文にも不正があったという。
 府立医大によると、松原元教授らのチームは04年2月、急性心筋梗塞を起こした男性患者の血液から幹細胞を採取し、カテーテルで足から冠動脈に直接注入する臨床試験をした。
 元教授は別の大学に在籍した02年に発表した豚の実験で、幹細胞移植により血管の数が増えたことを確認したとする参考論文を、府立医大の倫理委に提出していた。不正の指摘を受けた大学側が調査委員会を設置し、論文を調査した結果、「論文の画像は血管数が増えたように見えるが、実験ノートや生データの提示がない」とし、改ざんされたと結論付けた。
 伏木信次副学長は「改ざんが当時分かっていれば、倫理委として承認することはなかった」と述べた。
 松原元教授は弁護士を通じ、「捏造した事実は絶対にありません」とコメントした。大学側に再調査を求める申し立てをしたが、却下されたという。(2013/04/12-00:38)

 

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201304/2013041200016

http://jp.wsj.com/article/JJ10351128795984123759819393091262115319812.html?mod=wsj_share_tweet

http://megalodon.jp/2013-0416-2019-47/jp.wsj.com/article/JJ10351128795984123759819393091262115319812.html?mod=wsj_share_tweet