私達のたびの始まりは、11月26日。フッセは変な車を持ってきて、「さあ、行こう。」
どこへ行くのか、全く分からないまま、車に乗せられて旅が始りました。わたしたちは不安でしたが、フッセが一緒なのでついていくほかありません。
その日は小さな小屋で一晩を過ごしました。翌日、とても大きな町に連れて行かれ、知らない人にあいました。フッセは、その人としばらく話をして、メイヤちゃんにもケージを持ってきて入れました。フッセは私達に「じゃあ、またね。この中で待っていなさい。」と言って、私たちを置いていってしまいました。
次の日、へんな車が来て、私達を狭いところに積み込みました。大きな音がします。「メイヤちゃん、そこにいるの?こわいよ。」「いるわよ、でもなんだってこんなところに入れられてるのかしら。」
その日また、知らない人にご飯をもらったり、水をもらったりしたのですが、ほとんど食べられませんでした。疲れていたので、ただただ眠りました。
外では時々変な音がします。怖くて、フッセが恋しくて、なかなか落ち着けません。やがてまた変なところに積み込まれました。暗くて狭くて大きな音がします。今回はすぐには、下りられませんでした。とても長い時間、この狭いところですごしました。どのくらい長くこの中にいたのか分かりません。やっと出してもらえたときは、何か別の匂いがするところでした。「ここはどこだろう、メイヤちゃん、いるの?」返事がありません。
「飛鳥、どこ行っちゃったんだろう、私一人になっちゃったのかな。」
「あれ、この匂い、フッセ!マッテもいる!メイヤちゃん、フッセがいるよ。」
「飛鳥、飛鳥おりこうだったね。もう鳴かなくていいよ。」
「フッセ、マッテ、なにしてんのよー!」
「メイヤ、よかった元気そうで・・・」
でもそのあとしばらくして、また車に積み込まれ、こんどはコンクリートばかりのところに連れて行かれました。でもそこにはすごく優しい人たちがいて、私たちの身体をなぜてくれたり、散歩に連れて行ってくれたり。そこで一晩を過ごすと、再びフッセとマッテと、知らない人が来て車に乗せられました。ケージに入らないで車に乗ったのはよかったのですが、降りたらまたケージに入れられ、3度目の変な狭いところに入れられました。後で知ったのですが、これが飛行機というものだそうです。
飛行機を降りると、そこはすこし寒いところでした。フッセとマッテが車で待っていました。「これですぐに家に着くよ。もう少しの辛抱だからね。」そこから約二時間、車に乗せられ、ついたところは、雪に覆われたところでした。
一晩、フッセとマッテと同じ部屋で並んで眠りました。やっと安心しました。なかなか起きられません。
翌日、晴れたいい天気。フッセとマッテと一緒に外に散歩に行きました。
なんとなくいままでいたところと似ているよね。雪ばっかりだ。でもお日様が気持ちいい。
ここが私達の新しい家です。
ようこそ、私たちの家へ!
マッテより:犬達はスウェーデンの北の小さな町から、日本の北海道まで長い旅をしてきました。11月26日に始まり、12月1日まで、長い旅でした。本当によくがんばってくれました。犬達の顔を見るまでは、不安で泣きそうな毎日でしたが、今やっと、家族全員が揃い、ほっとしました。そのせいか、毎日眠ってばかり、犬も飼い主もです!これからは日本での新しい生活のことを書いていきます。