まゆげクリニック

メンタル、フィジカル両面に弱点を有する患者のリハビリ日記。

【感想】アヒルと鴨のコインロッカー ~伊坂幸太郎~

2013-02-03 00:48:19 | 感想文
考えをまとめる力が極端に劣ることに定評がある私ですが、その弱点に対してこれまで何も行動を起こしておりませんでしたので、今年から本・映画・ゲーム等、私が触れたものについては、極力感想をまとめることにしました。極力。

今年何か新しいことを始めると宣言しましたので、まずは手軽なところから…
(ネタバレは少しあり?)

というわけで、伊坂幸太郎のアヒルと鴨のコインロッカー読んでみました。

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)
クリエーター情報なし
東京創元社



「重力ピエロ」にまったくハマらず、伊坂作品を諦めかけた私ですが、めげずに後輩から借りた「死神の精度」が素晴らしかったため、しばらく伊坂作品を読み漁ってみようと思い、同じ後輩の薦めで購入した作品。

変なタイトル、初対面の男に「近所の本屋を襲って広辞苑を盗まないか?」と持ちかけられ実行に移すという意味不明な設定。

おいおい大丈夫かよ、、、と思いながら読み進めていきましたが、途中からなかなかのミステリーに発展し、“現在(椎名目線)”と“2年前(琴美目線)”を行き来しながら少しずつ事件の全貌が明らかになっていきます。

それにしても、まさかあんな悲劇が起こっていたとは…

ペット殺し(鴨やアヒルは出てきません)が出てきた辺りから緊張感がぐっと増してきます。それに比例して、河崎のイケメンっぷり、ドルジのいい人ぶりも加速。

そして、散りばめられた伏線や謎はラストでしっかりと回収され、決してハッピーエンドとは言えないけれど、読後は非常に爽やかな感じ。

読んで良かった。

ラストの謎の特性上、映像化は難しそうだなぁと思っていたら、映画もあったんですね。今度見てみます。


で、伊坂幸太郎が何故こんなにも人気なんだろうって考えていたのですが、登場人物の描写の上手さが一つの理由としてあげられるかと思います。

どの辺でそう感じるの?と言われると即答できないので、そこは今後の私の課題ではありますが、読み終わった後数日経っても、主人公・河崎・ドルジ・麗子・琴美それぞれの人物像が頭にはっきりと残っています。忘れっぽい私にとっては珍しい現象。特徴づけるエピソード(麗子で言うと、いつも怒っているような顔をしている美女で、お客に対してストレートパンチを見舞うほどの気丈さを持ち合わせている等)の書きっぷりが上手いのかなぁ…

次はSOSの猿とオーデュポンの祈りが控えているので、そこでもう少しよく考えてみます。



あと、せっかくなので、一応評価は★5段階でつけることに。

今回は…★★★★で!
(1日で一気に読み終える程引き込まれはしなかったので…前半部分の軽さが原因か。。)


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