本日(3月3日)に判決があるとのことですが、昨日読んだ記事には「おいおい」です。
> 熊本地震の避難所で当時小学6年の女児に「わいせつな動画を見せた」として逮捕され、熊本家裁で刑事裁判の無罪に当たる不処分の決定を受けた当時19歳の会社員の男性=熊本市=が「違法な取り調べで苦痛を受けた」として熊本県に損害賠償を求めた訴訟の判決が3日、熊本地裁で言い渡される。
男性は17年6月、県公安委員会に苦情を申し立てたが、県警は「職務執行は適正」と回答。一方、うその被害を申告したとして女児の母親を相手に損害賠償を求めた訴訟で、二審福岡高裁判決は昨年9月、賠償請求は棄却したものの「母親の供述は信用性が乏しく、一部は虚偽で違法」と認定。判決は確定している。
熊本県警は「訴訟中のためコメントできない」としている。 (綾部庸介、松本紗菜子)
警察官の姿 今も恐怖心
3日の判決を前に、原告の20代男性=熊本市=が西日本新聞の取材に応じた。男性は逮捕当時を振り返り「熊本県警は冤罪(えんざい)と認めて謝罪してほしい」と訴えた。
「あなたに容疑がかかってます」。熊本地震1カ月後の2016年5月16日朝、勤務先に現れた警察官の一言で、男性の人生は一変した。
「思い当たることがない」と言っても聞き入れてもらえない。署で逮捕され、避難所で隣り合う場所にいた女児の母親が「娘がわいせつ動画を見せられたところを見た」と県警に訴えたと知った。
取り調べの口調は日に日に厳しくなった。非行を前提に「反省の色がない」「(男性に)不利になるものばかり出てきている」などと言われた。10歳ほど年上の警察官には「自分で自分の首を絞めよっとぞ」と詰め寄られた。
男性が否認し続けられたのは、面会に来る母親や弁護士に励まされたからだ。「認めた方が楽、とまでは思わなかったが、母や弁護士の支えがなかったら…」。27日の釈放まで続いた12日間の取り調べを「地獄」と振り返る。
(以下略)
略したところでは、釈放後男性が取り調べのPTSDに苦しんでいることが紹介されていますので、興味のある方はお読みになってください。
それで逮捕の過程ほかの記述が簡略なのでよくわからないところが多いということは前提としたうえで私見を述べますと、どうも取り調べがきわめて粗雑で荒っぽいですね。だいたいこのような事件というのは、逮捕状を執行する前に、そうとう念入りに任意の取り調べをするはずで、上の記事を読んだ限りですと、まともな取り調べをしているんですかね? そんなようには見えません。まさかいきなり逮捕? それで
>男性のスマホからわいせつな動画の閲覧履歴が確認されず
というのでは、そもそも逮捕なんかできる案件だったのかよと思います。こんなのは、任意の取り調べの段階で確認するのが当然だし、逮捕を見送るなりしてもう少し容疑を固めるべきでしょうに。
それでこれも何がどうしてそんな話になったのか見当もつきませんが、
>一方、うその被害を申告したとして女児の母親を相手に損害賠償を求めた訴訟で、二審福岡高裁判決は昨年9月、賠償請求は棄却したものの「母親の供述は信用性が乏しく、一部は虚偽で違法」と認定。判決は確定している。
>避難所で隣り合う場所にいた女児の母親が「娘がわいせつ動画を見せられたところを見た」と県警に訴えたと知った。
というのもお話になりませんね。娘がデタラメほざいたのを真に受けて、警察に話に尾ひれをつけて被害申告したのか。それとも空想的虚言癖の持ち主なのか。真相はともかく迷惑にもほどがあるというものです。
この男性の場合、勤務先も理解があったようで解雇にはならなかったようですが、警察の取り調べに負けていたら、たぶん裁判所(家裁)も有罪としたでしょうからね。そうなれば勤務先も解雇してしまうでしょう。これではまさに人生お先真っ暗です。裁判所は、母親への賠償請求は棄却したそうですが、熊本県警(熊本県)にはどういう判断を下すのか。もちろん裁判長は違うのでしょうからまたどうかですが、あいまいな話を真に受けて、それで事件にしたがまともな証拠もないので供述をとろうとしてだんだん乱暴な取り調べになる。典型的な冤罪ですね。もちろんこれは、検察官も悪い。こんなの事件にするようのものではない。
どうでもいい話ですが、かつて拙ブログのコメント欄で
>冤罪もそもそも必ずしも全く非の打ちどころのない人が疑われて牢屋にぶちこまれたわけじゃない
とまでほざいたクズ野郎がいましたが、このクズにとっては、この件も
>全く非の打ちどころのない人が疑われて牢屋にぶちこまれたわけじゃない
なんですかね? ほんと救いのない馬鹿なクズ野郎です(苦笑)。裁判の結果を知ったら記事を追記します。
記事発表当日の追記:熊本県に賠償命令が出ましたね。記事を。
>違法取り調べ、県に賠償命令 不処分決定の元少年に―熊本地裁
2021年03月03日19時55分
熊本地震の避難所で女児にわいせつな動画を見せたとして逮捕され、熊本家裁で不処分決定を受けた当時19歳の男性が、違法な取り調べで精神的苦痛を受けたとして、熊本県に損害賠償を求めた訴訟の判決が3日、熊本地裁であった。中辻雄一朗裁判長は男性側の主張を一部認め、県に計16万5000円の支払いを命じた。
判決は、警察官が男性に対し、取り調べで「調べるうちにどんどん不利になるものばかり出てきている」などと発言したと指摘し、「黙秘権を実質的に侵害した」と認定。警察官が男性と弁護人の具体的な接見内容を質問したことも挙げ、接見交通権を侵害したと判断した。
判決などによると、男性は2016年5月、県少年保護育成条例違反容疑で県警に逮捕され、12日間拘留された。男性のスマホからわいせつな動画の履歴は確認されず、家裁は同10月に非行事実なしとして不処分決定をした。
小山徳弘・熊本県警監察課次席の話 判決内容を検討し、対応する。
一応コメントなしにご紹介します。
https://www.sankei.com/affairs/news/210319/afr2103190010-n1.html
覚醒剤を使用したとして覚醒剤取締法違反の罪に問われた男性被告(45)の判決で、名古屋地裁は19日、「採尿前に警察官が、被告に提供した飲料に覚醒剤を混入させた疑いを排除できない」として、無罪を言い渡した。
警察官が所属する愛知県警は「判決文を精査しておらず、コメントは差し控える」としている。
判決などによると、被告は令和元年12月5日、愛知県東海市の自宅近くで逮捕された後、取り調べ中に警察官からコップに入ったお茶や水を提供され、数十杯飲んだ。警察官は薬物捜査に従事しており、板津裁判長は、この際に覚醒剤を飲料に入れた可能性があると述べた。