「社会福祉士」の独り言Ⅱ-日々の雑感

福祉に関わる事柄の他、日々感じたことを書き綴っていきます。

記録映画『道草』を観て

2019-12-29 15:04:04 | 映画
この夏、劇場公開の頃は出掛けられず、先月、市内の社会福祉法人による自主上映会を知り観ることが出来た。宮城出身の宍戸さんが監督・撮影・編集を一人で手掛けているこの映画は、「重度訪問介護」のサービスを利用して、1人暮らしをしている3人の暮らしを記録したもの。障害=生き難さとすれば、その難さを、最も和らげてくれるのが、介護者との外出。自然公園の遊歩道や送迎バス乗り場までの歩き方。電車利用の移動。その中で、時には、大声、通行人に手をかける、「物壊し」など、介護者にとっては、大変緊張する場面が起きるものの、辛抱強く寄り添っていく。その様子を、四季の自然の移り変わりを映像に重ねて監督は、介護者と一緒にカメラワークを続けていく。
Sさんが、以前居た施設の対応が背景にあるため起きてしまう、家の壁を、壊してしまうほど激しく叩き続ける場面では、胸が苦しくなる感じだった。結局、近隣からの苦情で、借家を退去、さらに、専門病院に入院。3ケ月後に退院。新たな住居での再出発となるが、散歩をしていた時に見せる笑顔の表情が印象に残った。最後の方は、相模原事件の被害者Aさんと両親が出られ、施設に戻らず実家のあるZ市に移り、1人暮らしをさせてみたいという話につながっていく。本人方の、「道草」しながらの行きつ戻りつしながらの暮らしぶりに関わっていく介護者の寄り添い方には脱帽するが、元々は福祉専門ではなくロックミュージシャンなど様々とのこと。感覚的に相手と通じ合えるこなし方を持ち合わせている気がする。


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