「グラスホッパー」の感想です。
(以下ネタバレ)
原作は読んでません
前に「重力ピエロ」(大好きな映画です)を観たあとに
「本の方はどうなのかな~」と思って
手に取ったものの、わりと最初のほうで脱落orz
なんか合わなかったんですよね。
それ以来、伊坂さんには苦手意識があって。
でも高校時代の話なので、いま読んだらまた違うかもしれません。
ちなみに「グラスホッパー」は2004年出版の作品だそう。
原作とは変更されてる点があるのかもしれないですが、
ストーリーは、男が薬物で狂いに狂ってる中
車を運転してたくさんの人をはねていくという
現実に最近よくある事件から始まります。
殺し屋同士の戦いとかドラッグとか裏社会とか、
「そんなの映画の世界だよ」って一見遠いもののように思いますが、
入りがそんな感じなので完全に他人事とは思えないですよね。
(外を歩いてて、まったく罪のない人が
こういうどうしようもない奴に巻き込まれる可能性の高い現代ですから。
そういう世の中だということが怖いわけですが。)
ニュースで見る限り今年の渋谷のハロウィンなんて
ほんとにこの映画のようなごった返し加減だったし、
いまどき、群衆の中にはどんな変な輩がいるか
分かったもんじゃありません。
ご多分に漏れず涼ちゃんと斗真くん目当てで行きましたけど、
けっこう深い話でしたm(_ _)m
菜々緒ちゃんも村上淳さんも浅野忠信さんも配役がぴったりすぎ!
菜々緒ちゃんは「サイレーン」の橘カラのまんまだし(笑)、
浅野さんはやっぱり渋くてかっこいい。
革のコート着せたら日本一ですw
そんで、涼ちゃんが想像以上にすごかった
「公開は『暗殺教室』のほうが先だったけれど、
撮ったのはグラスホッパーが先。これが初めての映画」とのことですが。
すごい人が出てきたよーーー!やばいよーーーーーー!
って、声を大にしていろんな人に教えたい(笑)
ファンが増えちゃいますね。確実に演技の仕事が増えますね。
これから大変なことになるでしょう。
ジャニーズじゃなかったら確実に新人賞総ナメですよ!
(報知映画賞にはノミネートされてますね)
殺陣はかっこいいし、血まみれになってもイケてるし、
目付きも声も予想のはるか上をいってました。
小柄だけど存在感ありまくり。
山田孝之くんや池松壮亮くんみたいになりそう。
耳を切り落とすシーンの表情なんかすごくよかったです。
(衣装も似合ってました。)
1993年とその前後生まれの役者は
ひしめき合うようにいっぱいいますが、
涼ちゃんがついに本性を現した感じですね。
これまでドラマはたくさん出てたけど、
今回みたいな役柄や映画出演はなかったからね。
同年代の俳優たちは危機感を持つべき!
涼ちゃんは宣伝活動もなんも問題ないですしね。
トーク番組だろうが生放送だろうが。
落ち着いてるし面白いことも言えるし。
この世代の中で稀有な存在になりそうな予感・大です。
涼ちゃんには可能性しかないですよ。
本人も演技のお仕事好きって言ってるし、
これからどんな作品に出演していくのか楽しみだなあ。
同じ93年生まれということがすごく嬉しいです。
(+act.では「恋愛ものに出たい!意外とやったことないんですよ。
誰か僕にキスさせてください」とか凄いこと言ってました(笑))
しじみを見て「ぷくぷくぷくぷく」って言うシーンは
ちょっと可愛かった
他にも、電気照明の中に入っちゃった蝶を逃がしたり
子猫を拾ったりと、人間以外の生き物には優しい^^;
蝉(←涼ちゃんの役名)にどんな過去があって
どんな経緯でこの世界に入ったかは
そんなに詳しくは描かれてませんでしたが、
心を許せるのは村上さん演じる相棒の岩西だけっぽいし
(この「相棒」か否か問題でもモメる)、
耳鳴りにも苛まれてるし、最期はあんなだし、
だいぶかわいそうな人ですよね。
蝉でスピンオフできるんじゃないかな、ってくらい
想像がかき立てられましたよ。
最初から最後までナイフ使いっぷりが素晴らしくて、
さすがの運動神経のよさ。昔からダンスも上手ですしね。
踊るようななめらかさで“仕事”をこなしていくんですよ。
クランクインだったらしいあの最初の殺しのシーン。
ワンカットで右から左に流れるカメラワークで、
やってることはヤバイのに「美しい」とすら思えてしまう映像でした。
冷徹で感情のない感じ、ゾクゾクしました。
レインコートを着てスイッチ入れる感じも好きだったな。
「実は“やられる演技”のほうが得意」と言ってるように、
やられるのも確かに上手でした。
転がり方とか、そこから起き上がる姿とか。
ところで浅野さんと「はじめまして」だったのが
最後の対峙する場面だったとか^^;
いきなりあのシーンとは!
うーんやっぱり映画の撮影って酷ですね。
基本的に順番とか関係ないですもんね。
とにかく普段の涼ちゃん(※かわいい笑顔、オシャレな自宅、
カフェ巡りとスノードーム作りが好きと公言する22歳男子)からは
かけ離れていて、そのギャップがたまらんでした。
元々のファンはより一層好きになるし、
知らなかった人は気になりだすだろうし。
これからジャニーズを代表して映画界を背負っていくのは間違いなしです。
褒めまくってますが贔屓からではないです、マジです。
さて、実は涼ちゃんとの共演シーンはほぼない斗真くん。
今回は「脳男」とは真逆のフツーの人の役。
(そういえば脳男でも役名が鈴木で、
石橋蓮司さんも出てましたよね?)
もう少し復讐に燃えたぎってる感じかと思ってました。
最後の、カボチャの男の子と指輪のくだりは
「そう繋がるのか!」と、
この場面になるまで予想もしてませんでした。
佐津川ちゃんが怪しいのはすぐ勘づきましたけど。
(相変わらずかわいかった
意外とセクシー路線でしたね。)
それにしても「押し屋」とか怖いわー。
続けて2台の車に轢かれるシーンは「うぎゃ!」と思いました。
これほんとにPG指定で大丈夫ですか、Rじゃないんですか。
HPのプロダクションノート曰く、実際の事故映像を参考に
相当な試行錯誤が繰り返されたそうですね・・・。
そういえば岩西が投身自殺するとき、
「俺はこれから死ぬんじゃないからな。飛ぶんだよ。
死ぬのはその次だ」って捨て台詞を吐くんですが、
それがちょっぴりかっこいいなと思いました。
突っ込みどころは、給食室で私用にケーキを焼くとか、
恐らく1年以上冷凍したままのスープを
解凍して飲もうとするところとか、
遺体(それも2人)の横を通る以外に出入り口ないのかよ!とか
若干ありました
でも全く眠くなることもなく、2時間みっちりのめり込めました。
ゾワっとするくらい気持ち悪い大量のバッタの羽音とか、
蝉(リアルのほう)の鳴き声とか、音にもこだわってる感ありました。
渋谷の交差点の定点カメラ早送り映像もちょこちょこ出てきますが、
ほんとに人の移動が虫の群れの蠢きに見えてすごかった。。
なんか色々考えさせられる映画でした。
涼ちゃん、出てくれてありがとう。
今回は上映前の予告が、
私の趣味を見透かされてるようでした(笑)
母と暮せば、orange、TOO YOUNG TO DIE、
ちはやふる、ピンクとグレー。
すべて観に行く気満々の作品たちです