秋田市内は雪も溶け、これなら大丈夫。
レンタカーのお兄さんに連絡をしなくっちゃ。
と、1週間前に予約したレンタカーをキャンセルせずに、車で北秋田市の実家に向かう。
3時に引き取りスマホのナビを頼りに出発。
あれっ?すごい雪だなぁ。
路面はツルツル。
お尻フリフリ。
今だから、お尻フリフリとか打っているけど…
あっ!と思ったら、車は大きく蛇行して、右に左に… スリル満点のカーレース。
スピードは出ていない。
スローモーションで踊っている。
前にも後ろにも車はいない。
対向車もいない。
ひとりで何やってんの?
と、ツッコミ入れても、
心は落ち着かず、心臓はバクバク。
そして、ゆっくりと、左の溝にハマった。
レンタカーのお兄さんに連絡をしなくっちゃ。
私のiPhone、電波が一本。震えている。
話していて音声が途切れる。
切れた。
何度も繰り返して、外が暗くなっていることに気付く。ずいぶん時間がたったのか…
あ、私、携帯電話ある。
母のガラケーが今月で使えなくなるため、新しいやつを購入。使えるようにテストして、充電もバッチリし、今回それを持ってきたのを思い出した。
「もしもし…」
なんと、この電話が使えた。
怪我はない。状況の説明。などなど…話すべきことはたくさんあった。レッカーの手配も依頼。ただ、この場所の説明ができない。
真っ暗な山の中、ハザードをチカチカさせた車を心配して止まってくださる方に、場所の説明をしていただく。
これはまだまだ時間がかかりそう。
電話中の私に、数人のお兄さんやおじさんたちがよってきた。
「危ないからあっちに行って」
車を持ち上げるらしい。
「せーの」
みんなで持ち上げて…呆然としているうちに、秒で終わった。
車、動くみたいだから、大丈夫だよ。
怪我ないね。
ゆっくり行けよ。
滑るからな。
気をつけて行けよ。
本当にありがたい。感謝、感謝、感謝…
嬉しくて泣けてきた。
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