不自由な物語

今日はあるお話をしようと思います。

昔、昔あるところに、観音様を篤く信仰している目の不自由な男性がいました。

「私もこのように不自由の身、誰か私の目となってくれるお方はいらっしゃぬものかな」

彼は侘しい一人暮らしをしていましたが、縁あって心優しい女性を娶ることができました。

妻は甲斐甲斐（かいがい）しく尽くしてくれ、男性は何一つ不自由することありません。

「ああ、うれしやうれしや　ようやく私の目となり、手となり尽くしてくれるやさしい妻を娶ることができた。こんなにうれしいことはない」

彼は妻に感謝感謝の毎日で、「こんなによくしてくれる妻の顔が一目、一目だけでも見てみたい。そして顔を見てお礼が言いたい。観音様どうかお願い致します」

と観音様に一心に祈りました。

するとどうでしょう。ある日、男性の目はパッチリと開いたのです。

「ああ嬉しや」

と早速、妻を呼び顔を覗き込むと、彼は妻に礼を言うどころか、驚き嘆き悲しみました。

妻は大層不細工だったからです。

「やれ、こんなことならば見なければよかった」

・・・・・・・・そう愚痴った瞬間、彼の目は再び閉じ、二度と開くことはありませんでした。

彼は見た目にとらわれて、幸せを自ら手放してしまったのです。

おしまい。






彼はこの後、どうしたでしょうか？いつまでも嘆き続けたのでしょうか？そんなことはないでしょう。

そんなことはうむも言わず、ただひたすらやさしく尽くしてくれる妻に感謝して生きていくことができるようになったことでしょう。

このお話から学ぶことはたくさんあります。例えば愚痴を言えば願いは消えるとかね。

見た目に騙されるなとか

財産、名誉、地位、顔、形、などなど見た目に多く騙されていることはなんと多いことでしょうか。

その度に誰かと誰かを比べて落ち込んだり勝ち誇ったりして争っています。無駄な時間を浪費していますね。そんな人は

愚かな我欲の亡者になれば狎れの果ては死の岬でしょうね。

あれがほしい、これがほしい

やめましょう。

あれがない、これがない。

やめましょう。

完璧な人間はこの世にはいません。完璧ではないことを嘆くのではなく

あるものを感謝しましょう。

あなたが望むものが叶うならばそれはそれでしあわせでしょうね。

けどね、あなたが望む本当のたからものは経験なのかもしれませんよ。

どんな経験がしたいですか。

どんなことを味わって生きたいですか。

たくさんの感情をめちゃくちゃに味わってね

魂が輝くのかもしれません。

そう！本当はあなたの魂が輝くことを求めていたんでしょ。

この世にある物質じゃないですよね。


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