自民落選の和歌山1区で二階俊博が見せた「意気消沈」は嘘、「計算どおり」だと言えるワケ

「週刊現代」2023年5月6・13日合併号より

自民落選の和歌山1区で二階俊博が見せた「意気消沈」は嘘、「計算どおり」だと言えるワケ

二階の沈黙には意味がある

またしても「二階劇場」が開演した。 衆院和歌山1区の補選で、自民党の前職・門博文氏が維新の候補に敗れた。

結果を受けて二階俊博元幹事長は、無言で選挙事務所を立ち去った。県連会長を務める和歌山で、補選唯一の黒星を喫し意気消沈している―と言われたが、これは「死んだふり」だ。同県連関係者が舞台裏を明かす。

「県連内では当初、二階派参議院議員の鶴保(庸介)さんの出馬が有力視されていた。ところが、県連会長代行の世耕(弘成・党参院幹事長)さんが『参院に欠員を出したくない』と、門さんを候補に推した。衆院への鞍替えを目論む世耕さんは、存在感を出したかったのでしょう。最後は二階さんが身を引く形で門さんの出馬が固まりました」 

他方、次の衆院選で和歌山の選挙区は3から2に減るが、世耕氏の地盤は二階氏と同じ新2区だ。60代に差し掛かって焦る世耕氏は、二階氏お膝元への「殴り込み」も辞さないと言われていた。そのため、「実は今回、二階さんにとっての最重要課題は、補選の勝敗ではなく世耕さんの『鞍替え阻止』だった」という説が、和歌山県連や二階派内で囁かれている。

「鶴保さんも門さんも二階派なので、どっちが出ようが、勝てば和歌山での二階派の議席が増えて二階さんの求心力も高まり、安倍派の世耕さんの付け入る隙はなくなる。

門さんが出て負けた場合、つまり今回の補選のような展開になれば、敗戦の責任は門さんを推した世耕さんにあるということになり、早期解散が囁かれる中で世耕さんは身動きが取れなくなる。 つまり二階さんは、わざと鶴保さんを擁立する動きをして世耕さんを誘い、門さんを『推させる』ことで罠にかけたわけです」(二階派中堅議員)

老「怪」な二階氏の舞台回しで、世耕氏の出番は先延ばしとなった。

 

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