田舎で のんびり いいものを 生み出す それが 日本の 生きる道

山崎養世
なぜ、安倍、福田両政権は倒れたのか?
(日本で政権の運命を決めるもの:前編)


小さな政府、官から民、民営化、規制緩和だけで経済が活性化すると思い込みました。

そういった政策はあくまでも、80年代の先進国同士の間に競争が限られ、工場労働の賃金が新興国レベルに収斂するという、要素価格均等化の力が働かない世界では有効でした。21世紀の今は、先進国では、政府が放置すれば、国民の多数の所得と生活水準が低下する力が働くのです。それに対応するのが、新しい政府の役割であり、その対応に成功した欧州諸国の多くが一人当たりの国民所得で日本を抜いていきました

《求められていたのは世界経済の環境変化への適応》

《単なる小さな政府では国民力が低下するだけ》
新興国に工場の仕事を奪われた先進国が取るべき戦略は、小泉改革以降の日本のように、無理に人件費を下げて新興国と張り合うことではありません。そんなことをすれば、大切な国内の消費レベルが落ち、所得格差が世代間で受け継がれてしまい、結果として国民力の低下を招きます。

むしろ、新興国が喜んで高いお金を出すものやサービスや技術に経済活動をシフトすることが重要なのです。欧州がブランド品やワイン、そしてお城にいたるまで、世界中の新興国の憧れの的となっているのはそうしたマーケティングの成果です。

その上で、国民全体がより高い付加価値の仕事で高い収入が得られるように、教育や技術のレベルを上げることが大事です。そのためには、公教育を充実させるとともに、再就職や生涯教育を充実させなくてはいけません。90年代以降の北欧や英国は、経済競争と政府のセーフティーネットの充実を組み合わせて国民力を高めることで高成長を実現させました。英国ですら、単なる小さな政府ではないのです

《地方に経済の重心を移すことが必要》

国民の生活の質の変化
通勤地獄とは無縁で、時間にゆとりがあり、自然に近いことで、ブランド型農業、グルメ産業、観光、別荘・リゾート投資、国際会議などの巨大需要が生まれました。それだけではありません。ベンチャー企業も大企業も、田園やリゾートに立地し、ゆとりと遊びのある環境の中から、人間の能力が開花し、新しい技術やアイデア、ビジネスモデルが生まれているのです。そして、多くの地域で、知の中核体として大学や研究所が充実し、そこにベンチャー企業やトップ企業が集まり、さらに法律・会計・金融などの専門家が集まるという共同体も生まれています

《米国の新興大企業はみな地方から生まれる》

地方からの経済改革なくして長期政権はない
(日本で政権の運命を決めるもの:後編)


日本には計り知れないほどの潜在力がある
《180度、発想を転換した政策が必要》
東京以外の地方から日本の成長を促す

先進国の常識である高速道路の原則無料化くらい実行するのは当たり前
《無料の高速道路網がもたらす効果は歴史が証明済み》
《道路公団の借金を返す手段はたくさんある》
《無料化後、世界最先端の高速道路に転換を》

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 綿貫か亀井か... 落雷で重度の... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。