にざかな酒店

仮想悪夢研究会 大阪

と言うわけで、大阪ラバー、なのでした。
って言うか、それしかあのバンドのイメージないよ!ってことで。いつものようなみんなのだべりです。
続きでどうぞ。
仮想悪夢研究会大阪

「マンスリーアーティスト、ドリカム。ってことで、ネタは大阪ネタしかないと思うんだがどうだろ」と、R。うーん、大阪ラバーね、とFはつぶやくようにいう。
「しかし、大阪は割とミステリ不毛の土地じゃないか?」と、メガネの位置を直しながら、A。
「こないだ大阪出身のミステリ作家、ってラジオで言ってて「ええ、誰々ーー?」って思ってたら有栖川でがっかりだったな、そういえば。」
と、T。
「…大阪、そのレベルでミステリ不毛か…」心底がっかりした口調で、R。
「大体大阪って元々の大阪のものがあまりいないじゃない。元々は道産子とか東北の人とかが大概の東京と一緒で」
Fがそうフォローした。
「四国とか九州とかの人、めちゃくちゃ多いよな。変わったところで淡路島とか言うのも結構いるけど」Tが頷く。
「やっぱり元々土地の人がいないところはミステリ不毛なんじゃない?そこいくと京都なんか、京大ミステリ研がすごいことなってるけど」
「だよなあ…」
「竹本健治と綾辻行人が同じミステリ研だったみたいなのがすごい。実際はもっとゴロゴロいるけど」Aが感心してつぶやく。
「って言うか、みんな、有栖川嫌いなのか?俺は実は読んだことがーー」
ない、と言う前に。
「そりゃそうよ、螺旋館の殺人って本の解説は、見たらこいつの本は二度と読むか、と思う迷文だったわよ。なんたって螺旋館の殺人の本の解説を書くまで、なんだから。螺旋館ってタイトル、館は綾辻だろ、とかブツブツ言ってるのよ。まともに解説もかけない作家、私は認めません。」
Fの珍しい剣幕に、他の三人は波のように引いた。こほん、とAは咳払いして。
「まあ、解説って一種楽しみではあるよな。うまいことネタバレしないように興味を引いてる人もいれば…」
「解説は最後に読むものだと割り切ってネタバレざんまいしてる人もいる、とネタバレざんまいも結構面白いけど、しないように書いてるその筆致のほうがどっちかと言うと楽しみだったりして」
「なんじゃこれ、って解説も多いけどな。解説の良し悪しはだいぶ読後感左右させるよな」
「そう、解説も気を抜いて書くなって言う話なのよ」
この話題、そろそろにしよう、とRが冷や汗をぬぐいながら、言った。
「大体さ、特定の作家の悪口って、この会向きじゃないんだ、な?」
「あら、ごめんなさい。」
Fは素直に謝った。なんとなく、かけらほど不服そうだが。
「でもなんか、土地のこと書くと名産品のうまいもの、とかになりがちだよな。旅行本とか見ると大体食べることを言ってるじゃないか」
「大阪はたこ焼きとお好み焼きと串カツってあのステレオタイプどうにかしてほしいわ。大阪は結構色々美味しいのよ」
「案外薄味だからなんでも食べやすいしな」
「そうそう」
「でも、大阪人がそうは思ってても他の県の人に同じような誤解がないとも思い難い。みんな、「京都人はいけずだからミステリが育つ」とか、思ってないか…!」
「いやいやいやいや。いけずは確かに有名だけど。俺ら京都の知り合いおらんやん」
「いけずだからミステリが育つ…、ね、言い得て妙だわ。ミステリって明るくないし」
「いやいや、失礼だから、それ」
「でも京都って割と音楽も良くない?くるりとか」
「京都音博かー、いいなー。ふちふなさんたちも京都だった気がする」
「大体、京都って美術展とかやたら良かったり」
「京都っていけずなんだかすごくいいんだか。」
みんなして、あー、京都ーってなってしまって、今回は終わりなのだった。
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