にざかな酒店

反転の殺戮の反転最終話

あー…結局扉絵空斗にしちゃったけど最終話です。一応琉留さんつけたのでまあいいか、いいよね!?な感じに…。
まあとりあえず、李々終わったら文月までちょっと間があく予定でその空いた間にそにしさん系パロとか猫ネタとか入る予定ですよー。よろしくー。
反転の殺戮の反転3話

「よ、月影」
ああ、皆月家の前で見た顔、どっかで見た事あると思ったら…
「この顔じゃねーか!!」
後藤はだいたい何を言うか見当がついていたらしく、驚いた様子も無くゴン太のことボン次郎とか呼びながらかまっていた。
「やっぱり…噂なんだよ、従兄弟の亡霊がでるって」
ぼーれーときたか。
俺は後藤の顔をまじまじと見つめながら。
「そういえば、微妙に違うな、髪型とか。でもよ、亡霊だとしてもなんで皆月家に用事あるんだ?」
「言ってただろ、超能力フェチだよ」
世の中おかしいフェチすぎるだろ…。俺は内心頭を抱えながらも、ようやくだいたいの構図が飲み込めてきた感じだった。
事件は超能力を中心に回っている。
超能力の研究所は、まさかとは思うがわざと犯行を重ねさせてデータを取っているとかいう可能性、なくはねーか。
超能力者の親分にぼこられたフェチ男は、研究所に通っていた。これが最初から捨て駒だったとしたら。
ふむ…。
俺の仮説を聞いて、皆月は「亡霊ときましたか」と感慨深げにいった。
「敵が卑怯な手を使ってくるんだったらこっちもそれなりにできるね。」
「お、なかなか強気だな。問題はいつ魅厘に言うか、だけどよ」
「すぐ言っちゃおう。敵の狙いはどうやら双子っぽいし逆に早くしないとこっちが危ないよ」
こいつも案外目についたらさっさとやっちまうタイプだな。
人のことは言えねーけど。
琉留が李々を連れて逃げようとしていたのはこの頃である。

「はい、これ、だいたいのは捕まえておいたわよ。あいつ見られた時点で危ないと思ってね」
なんというスピード解決。後藤に呼ばれて学校の外に行くと、紅亜と妹の絵夢がいた。持っていた写真には箱詰めっぽい被害者、いや容疑者の固まりがうつっている。
「でも、なんで味方する気になったんだ?」
俺はそれをしげしげと見ていたら、紅亜のだるそうな声が降ってくる。
「どっちが得かと考えたらこうなったの。もともと敵の味方でもなかったのよ。でも、首謀者がまだ逃げてるから注意した方がいいわ。」
「首謀者、って親父?捕まえていいのか?」
なんかそう協力体制だと逆に身構えてしまう。
「どうぞ、ただし、協力してるんですから、私たちにもご容赦くださいな。」
そっちも露払いか。
おぬしもわるよのう、の世界だな。
「まあ、助かりますけど、行く先に心当たりとか…」
「やっぱり、逃げるって言ったら、「外」じゃないかしら。どうやって行くかは知らないけど」
「外、か…」
どうやって行くか知らねーけど、とりあえず街の端まで行ってみるか。

外、へは正しい手順を踏んで行かないと、焼却されるらしい。
無惨に燃える信野剛地を見て、双子は足をすくませていた。
先にたどりついたものが、燃えているのだ。その燃えた手が、李々にのびる。
じゅっ。
どこからか、水。
しかし燃える赤い色はなおものびる。目が赤だけになったようだった。
「李々、琉留!早く逃げろ」
二人がいないことに気づいた魅厘が二人を追ってきていたのだった。
二人は魅厘の名を呼んで、すくんだ足を無理矢理動かせた。
「足遅くて助かったな、お前ら!」
俺は悠長な事を言うが、皆月はさっさとフォローに走っている。
「琉留さん、無茶だよ外なんて…!」
「だ、だって…」
「いいから、早くここはなれるよ、いい!?」
有無を言わさない調子に、琉留は半ばうなだれながらも従った。

「それにしても、間が良かったというか悪かったというか…。あの後藤の従兄弟見て、みんな気づいたの同時とかよー…」
剛地も見られた時点で逃げる事を意識していた。(多分)
魅厘、琉留も見た時点でだいたい真実に気づいた。
ただ能天気だったのは当の犯人の李々だけだったようだ。
まあ気づいてんの俺だけだと思ったらみんなめざとかったんだな。全く。
「もう少しで大変なとこになるとこだったんだよ」
皆月はさっきから双子に延々と説教食らわしている。魅厘は半ばだまされてたってのに、皆月の態度にもういいじゃんって態度。
「空斗、もうその辺でいいだろう。この二人だってそもはだまされてたようなものだし」
「魅厘さんもちょっと真剣味足りなくないですか」
「う…。まあそういうことなら、気が済むまで怒ればいい」
「みりんさまー」
えーん、と泣く双子であった。でも、本当は魅厘のこと見放そうとしてたのは双子の方だよな?

「だからー、空斗さんには外出たところで連絡取るつもりだったって言ってるじゃないですかー…だって空斗さん連れてたら目立って仕方ないし」
ぶつぶつぶつ。
あれ、真面目に怒ってると思ってたらいつの間にかそんな話になってんのか。
まーいーけどよ。
後は家族の問題だから。

で、後日談。
「うちで格ゲーできるなら最初から言ってくださいよー」と、李々。
ゲーセンを最初に口にだしたもんだからゲーセンとおもってしまった初歩的トリックだった。
「でもよ、結果オーライとはいえ、お前魅厘に殺されるとか思ってなかったのか?一族の反逆もんみたいなもんだぞ?」
李々は苦笑した。
「草二さんまで空斗さんみたいなこというー」
いやいや、そうじゃなくてな。
「魅厘様は最終的には味方してくれるって思ってましたよ」
「なんで?」
李々は無敵の笑顔でにぱっと笑った。
「私が魅厘様たちの味方だからー」
なかなか、最強である。格ゲー、弱いけどな。
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