マンスリーで聞くと癖とか結構わかりますね。
いや、「全くわからない」印象に残らない人たちもいますが、コブクロは割とわかりやすいので続きがあったのでした。やっぱり案外聞きやすい方が歌詞とか印象に残らないことがあるんだ。
余談ですが、「コブクロってモチーフの挟み方がいつも唐突で…」と思ってたのはちょっと前からでいつも気づくと文脈にモチーフが組み込まれてる式の馬場さんとかで慣れてるとちょっと、「ん?」てなってたのです。まあ本文に関係あるよなないよな。続きでどうぞ。
仮想悪夢研究会 マンスリーとして聞くとよくわかる
「ってことで、コブクロパートツーだ!マンスリーで聞くとよく癖がわかってきたからな」
うん、とRの言葉にFは頷きつつ、コブクロは…と口の中で転がすように言った。
「癖と言うかなんというか、歌い出しがあまりよくない。低音で、それもいきなりモチーフから始まってる」
「そうそう、最新曲のバラに棘がなかったらどんな形の花びらを…ってやつ、あそこでまず「ん?」て思うからつまずいてるんだよな、なんとなく理解しようとするのを」と、T。
Aはふん、と腕組みしつつ言った。
「ミステリでいうと出だしが夢、もしくは殺人事件の場面でいきなり始まる感じのやつに似ているか。なんとなくだが」
おお、よく言った。と、R。
「まさしくそんな感じ。特にイメージを限定すると、ひぐらしの最初の夢のシーンでこの人は何を謝っているんだろう、みたいな感じだな」
「謎をとん、と最初に置くことで惹きつけるやり方っていうのはあるけど、ちょっと歌としては「自然じゃないなあ」っていう」と、F。
「で、低音で始まるわりにはサビはしっかり歌い上げるだろ。その辺がなんというか、劇場式というか、歌としての作為ってやつかな。けなしてるようだけどそういうやり方もやり方であるっていうことで」Rがそう続ける。と、Aが頷きつつ、言った。
「でもコブクロのうまいところはそういう感じでありつつも、割と歌詞が精神論で具体的なストーリーを入れてないことだな。ある意味聴いてるものが投影し放題というか」
劇場型でありながらユーミン的資質まで、と、Tが唸った。
「そりゃ最強だわ、売れるはずだわ」
と、なぜか女言葉でつぶやくようにまくし立てるTだった。
「それを肯定するエピソードが、こないだのテレビでやってたコブクロの好きな歌、特集な。やっぱり桜が一位だったじゃないか」
「なんだ、その、思いっきりなやっぱり感は」
「あれもちょっと歌い出しでキュッとくる。ひっかかる感じあるわ、確かに」と、F。
「やっぱりひっかかる感じってのは作為なのかな?あれで歌詞の内容とか意識して聞くもんな」
「うちのおとんはコブクロ頭悪いんじゃないかとか言ってたけどな…こうやって特徴羅列していくと頭悪いどころか…かなりの知能犯だぞ、どこまで計算してるかはわからんけども」
「堺の子だしね」
意味があるのかないのか微妙情報すいません。
「案外もっと研究するともっとミステリと相性いいかもな、コブクロ。」
「っていうかやっぱ売れようと思ったら頭使わなきゃダメなんだなー。この分析でよーわかった」
「頭だけじゃダメよ。空気読まないと。投影させないと」
うーん、と全員が腕を組んで、悩む仕草。
「売れるって…大変だなあ…」
好き勝手言ってちゃいかんのである。幕。
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