にざかな酒店

おめでとう刻停間酒店

と、いうわけでかそあく的にもおっきい変化なのですが、とある演劇の第5章を読んでないと一部さっぱり話が通じないという困ったお話。
っていうか全部繋がってる仕様は読者の方が大変なだけという困った仕様。
ちなみに疲れ探偵までこっそりと話に出てきます(笑)もう何が何だか。
まあ大体タイトルとこの説明で何が起こるかはいっちゃったようなものですが。
まあ、よかったね。ということでつづきでどうぞ。
おめでとう刻停間酒店

冬口咲菜(F)が刻停間酒店にとある演劇第5章の打ち上げに関する礼を言いに行くと、刻停間酒店の次代店主であるところの勉が「ああ、待ってたんだ、ちょっと上に来て」と言った。と、現店主であるところの父に何やら耳打ちして、「ってわけで、部屋に彼女と行ってくるから」「おお、とうとうか!」などの会話をしている。?と思いつつ、部屋に通されたわけだが。

「まあ、そのー、今回俺うまくやったよな?彼氏としても商売人としてもな」
「うんおかげですごく助かったわ」
にこ、と笑いながらF。だ、だよなー、となんだか顔を赤くしてそわそわしながらT。
「そんなわけで、俺にご褒美をください。わふわふしよ、わふわふ」
と言って彼は抱きついてきた。
「ちょ、な、何よ!またおっきいわんこみたいに!!」
っていうかあなた仕事中でしょ!なにかんがえてるのよっ。と思いつつもいつもこのおっきいわんこ攻撃にあらがえないというか、大事なことは大体これでごまかされてしまうというか。大体彼が酒屋を継ぐと行ったときだって、あんなに反対してたのに知らないうちについでてそれなりによろしくやってるし、店やってて愛想いいもんだから他の店に行けば大概の店員さんに声かけて馴れ馴れしくなっちゃうし、もう、この人はーーーー。
「まあ、盛り上がるところだよ。俺も戸在大学のおかげで潰れかけの店がやっとちょっと若い客ついたしさ。君だって本番ギリギリにアリス間に合わせたし!」
「だ、だからってー。もう、女の体には都合ってもんがあるのよ!?」
彼が仕事中なことを彼女もちょっと忘れかけている一瞬であった。
「あ、ああ…えっと、そこ触んなきゃ大丈夫だろ。わふわふ」
「バカ、最低!人の話聞いてるの!?」
「冗談だってば、じょおだん…!痛い痛い痛い、本気で引っ掻くなって!」
Fは毛を逆立てた仔猫のようにふー、というモードになっている。
「ついついちょっとからかうモードになっちゃったけど、俺の言ってるご褒美はそんなんじゃなくってー。名実と共に君が欲しいというか」
「だからなんでそんなにわふわふしたいの!?」
「違うって。昔の言葉で言ったらミソスープだよ。つまり君のこと俺のもんにしちゃいたいっていうか…あ、俺のもんっていう言い方よくないか。一緒に歩いて行こう、くらいだな」
「茶化してないで、ちゃんと言って」
「俺もやっとこれで自信が持てたというか、やっと君を連れてやっていけるという気がしてるんだ、今なんだ、今。もうお兄さんにもご両親にも話通してあるし、あとは君が首を縦にふるだけでーーーつまり、結婚してくださーーー」
ちょうどそこで、刻停間父の怒号が聞こえてきた。
「おおい!勉!いつまでプロポーズやってんだ、お前がちんたらやってる間に配達3件もかかってるんだぞ!早く降りてこい!!」
………。
えっと、とTは苦笑した。
「君、うちの店のこういうとこ、嫌いだよな?」
Fはくすくすと笑いながら彼の指に自分の指を絡めていった。
「私も一緒に行くわよ。一緒に歩いて行くんでしょ?」
勉は何も言わずに手を握り返す、そうして二人の門出がーーー。

「ああ、もう男ってわかんない!!」
場所は変わって冬口家の居間である、やけ酒飲んだ酔っ払い(寝つぶれている)が約2名、とつきあいたての彼らの彼女が約2名付き合わされているのがまた酒を飲んでいる。
「なーんーでーやけ酒飲むのに男二人で飲んでればいいものを彼女呼びますかね!!」
「まあまあ、いいじゃん、美保ちゃん。そこがお兄さんたちの可愛いとこだよー」
間宮美也が笑って古木美保をなだめる。
「可愛いっていうか妹がプロポーズされてさみしいだけでしょうが、全く」
「男の人っていうのは大体さみしいもんですよ」
「あー、もうー。信野さん探偵さんより男前だしめんどくさくなくていい物件だと思ったのにー…もう振っちゃおうかなあ」
あら勿体無い、と言いつつ美也は笑っている。
「っていうか俺は商売の女しか相手にしない、ってあのセリフ聞いたら幻滅よ!うちは古本屋であって遊女かなんかじゃないんだから!!」
「まあまあまあ、商売してるというとこでは間違ってないから。いいじゃん、商売女は人間できてるとかそういう意味にとっておけば」
「だから商売女っていい方がね…そもそも…でも妹ってよっぽど愛されてるのねー」
「まあ咲菜ちゃん可愛いからね。仕方ないよねー」
「どんな妹だか見てから帰ろー、と。でも遅いわねー幸せついでになんかやっちゃってんのかしら」
遅いって、まだ八時ですよ…。あなたたちが五時から飲んでるから遅く感じるだけなの!?と、そこに語られていなかった冬口母の存在があったのだった。
もうこの娘さんたち、いつまで飲むのかしら…もう帰ってほしい…っていうか咲菜早く帰ってきてー!えーん。
お母さんは大変である。ついでに彼女が帰ってきたとき、もちろんこの一同は全員寝こけていた。何が起こったのかと思ったとは彼女についてきた勉の談である、めでたしめでたし(終)
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