実はこういう設定でした&せっかく新婚さん設定なんだからちょっとはいちゃいちゃさせてやんぜの補強のネタです。っていうか、タイトルがちょっとネタばれなんですが、なんとかの酒~ってタイトル好きなのでそれにしてしまいました。
エルムが二人を見比べて呟いた。
「変ね…」
「っていうか、二人とも指輪してないよな?」
ずばり、とエルス。ちょっとの沈黙。そして。
「あんたはどうしてそう聞きにくい事をあっさり聞いちゃうの!?」
ある一種のうらやましさを感じつつも、もうちょっとデリカシーってもんが…と思うエルムだった。
「ああ、私の国、結婚指輪の風習ないのよ。」
受け取ったサラは本質的にのんきなもので特に気にした様子もなく答えている。
「似たようなものはあるんだけど、人に見られてはいけないことになってるの」
「わかったー、体のどっかに印がある、とかだろ?」
「ああ、なるほどー」
んじゃ見せてー、と言うノリがくる事がだいたいわかっていたロッドは珍しくさわやかな笑みを浮かべていた。
「納得したか?」
「おう」
「それじゃあなっとくしたところで、大吟醸だ。サラ」
「げ」
一番の嫌展開きたーーー!と逃げかけたマゼンダだったが、遅かった。
「いけ龍神」
しばらくして。
「うう、もう飲めない…」「よった、明日もう起きれないよう」「地面がまわるーちきゅうまわってるー」
かけるさん。
「厄介な記憶はさっさと消しておくに限る」
ふうやれやれ。
「しかし、結婚指輪がないのはやっぱり不自然か…?」
「そうねー。」
「確かレミーの鍛冶場、副業で飾り物も作ってたな。明日選びにいくか」
「えっとこういうの、棚ぼたっていうんだっけ?わーい」
素直に喜んだサラだが、次の日選びにいって、村人たちに結婚指輪?今更?とあやしまれるのであった。
つのる不審な空気に思わずロッドは呟いた。
「大吟醸行くか…?」
「いや、あんまり必殺技ぼんぼん使うものではないですよ」
そろっと旦那を押さえてみる、と
「必殺技ってのは使えるときに使っとくもんだ」
「それって貧乏性じゃないの?」
「できる事はできるうちにやっとくのは基本じゃないか?」
本気と描いてマジな顔だった。
「んーでもやめときましょ」
「そうだな。あんまり一般人に使うのも信用というものがある」
割とあっさり引き下がるのであった。
で。
「あれ、首から指輪かけてる?」
めざといマゼンダが次の日に聞いた。
「レミーに聞いてみたら俺の産まれたあたりの地方じゃ結婚指輪はこうらしい」
「まあ色々あるものねえ。ところで前からそうだったかしら」
「前からだ」
どうも違和感のある笑顔である。
しかし、この、印を見られたらまた龍神が縮むって言う設定はどうにかならんもんか…?とロッドは思っていた。またあんな大暴走をされた日には目も当てられんぞ。
仕事してないような暗殺者は意外と苦労が多いのであった。まる。
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