にざかな酒店

とある演劇サークルの記 幕間のような三章めのような 脚本ぐるぐる

というわけでスイッチが入ったらすぐに続きが出てくるもんです。
何も浮かばない時は本当に何も浮かばないのに!
結局一周回って…。

ところで、スガシカオの「海賊と黒い海」っていう曲の最初のAメロが丸々私の描きたかったと思ってた世界丸々の歌詞で参ってしまいました。
いやー、「赤信号と濡れた路面」って素材、私何かに料理しようと思ってずっと考えてたんですけどねー。
自分の考えてた世界のはるか頭上をヒュルっといかれてて、それがすでに過去の作品だった時点でうわあ、ですよー。たまにあるんだなあ、こういうことが…。
で、何で急にスガシカオか、って結構ラジオでかかるので、でもってにゃにゅこさんが歌詞を褒めてはった(多分にゃにゅこさんだったと思う、いつもラジオズルズル聞いてるのでたまに誰の発言だったかわからなくなったり)ので気になって一枚買ってみたのですよ。単純。
ちなみに「おれやっぱ月に帰るわ」ってのもかなり好きなうたですよ。
まあ話は少し飛びますが。
パクリパクられ問題に関しては結構同じところに意識がいっちゃった場合というのもあり得るので、全文丸々のコピーでもない限り私は安直にパクられたとは言えないんじゃないかなあ、とゆるゆると思うわけです。
ただ影響を受けた、とかいって絵柄がもろにその方そっくりになっちゃうのだけはいただけないと思うのですが、やっぱり「影響を多大に受ける」くらいだから元々似たような意識ってのもあったとかそんなんもあるんじゃないかなあ。とか何とか。

まあブツブツ言っといて内容関係ないんですが。続きでどうぞ。
とある演劇サークルの記  幕間のような三章めのような 脚本ぐるぐる

ここは繭子の自室である。さて、役者陣もちょっとつまづきかけているのだが、ハードルの高さで言えば脚本書きの方も一緒である。もともと題材的にいじめものが多かったため、その辺は案外得意そうに思われていたのだが、繭子は戦闘シーンが大の苦手であった。
(いえ、というかそれ以前に…小夜香さんのセリフ増やしまくってあげようと思ってたのに、ミステリアスヒロインがベラベラしゃべってしまうのはどうかと思ってしまうのもあるのよね。せっかくの彼女の持ち味がセリフで消されちゃうのも勿体無いし)
そしてもう一つ、問題がある。
机の上の壁にかかっている工場の夜景のカレンダーを眺めながら、嘆息。
(恋愛問題もどうするかよ。円城くんを相手にしちゃうのは自分がどうかと思っちゃうし、渋谷くんだとなんだかツバメみたいだし、ヒロインが恋愛しないっていうのも…いっそ、さりちゃんと百合にする?それもねえ…)
バトルロワイヤル、意外とそれ以外の悩みも深かったわけである。
うーーーーん、とそんなに子供っぽくはないデザインではあるが、小学生の頃からの学習机の上で頭を抱えつつ、繭子はうなる。本棚にはそれっぽい本もあるが、いまいち参考としては役に立たない、ような。
まあ、こういう時は藤村さんに相談ね。そうしよ。

「そうねえ、別に小夜香は恋愛させなくていいんじゃない?」
「えっ」
佳奈恵にさっくりと言われて拍子抜けした繭子である。
「ミステリアスで行くなら逆に恋愛させるのは邪魔じゃないの?」
「まあ、確かに…そうなんだけど」
「そうね、っていうかバトロワも別に無理にする必要を感じないっていうか。…正直バトロワするならもうちょっと役者陣に迫力が欲しいっていうかね…不幸の繰り返しっていうのも、ちょっと役者たち耐えられなさそうだし、うん、ここはやっぱり普通のキラーワーズで行ったら」
「え、でも普通のキラーワーズでしょう?」
一周回ってありものネタで済ませるというのも、という繭子の気持ちも少し汲みつつ、佳奈恵はいう。
「演劇ワールドって同じ脚本を何回も使うとか結構普通じゃない?割と生もののものだし。それに、普通のキラーワーズでも結構みんなに越えるべきハードルはかせるわよ。キャスティングにしても普段の自分と全然違うの与えられるし。3話くらい使ってオムニバスにすれば話充分持つでしょ」
「そうね…じゃあ、2話を抜いて1話、3話、4話にすれば結構救いのある話にもなるし、いいかも」
4話の荒川役を円城に振れば確かにかなりのハードルになるだろう。殺人者予備軍の役で、小夜香に振り回される役だし。
「そうよ、私らのサークルで救いのない話っていうのはちょっと無茶だわ」
確かに、このメンツで全員がボソボソ喋る劇というのもそもそも無理という話だろう。

現段階で考えられたキャスティングが次のようである。
文月小夜香役、文月小夜香。
1話、日比野麗花役、藤村佳奈恵or本田繭子 今果耕司役、円城幹雄
3話 草下美苗役、後さり 矢吹健二役、渋谷染彦 相馬役、円城幹雄 霞役、藤村佳奈恵
4話 荒川忠志役 円城幹雄

「円城くん大活躍ね、このキャスティング」
ほう、と二人でため息。
「っていうか…男子が二人しかいないもんだから自然とこうなるわね…」
「いえ、でも日比野麗花役ってあなたでよくない?私霞役で行ってるし、他に出番ないじゃない、あなた」
繭子は思わず首を捻る。
「あの、忘れられがちだけど、私元々は役者志願じゃなかったんだけど」
最初はどうしても役者が足りなかったので無理に円城が役者に引っ張ったのであった。
「あらそうだったかしら?いいじゃない、やっちゃいなさいよ、麗花役。私も霞役は楽しそうだわー…一皮剥けるわよ、これみんな」
「案外いつもと変わらないのが普段の主役メンバーよね」
「さりちゃんと渋谷くんは安定してるから、そこくらい安定させたほうがいいんじゃないの」
「それじゃあ、案としてはとりあえずこれで円城くんに相談してみますか」
「そうすればいいと思うわ」
というわけで、脚本は一周回って普通のキラーワーズということに収まったのでありました。とさ
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