まあとりあえず次の話はバトロワもので決まりっぽいようです。
と言いつつ、裏設定っぽいのでバトロワにしては女の子が多いからー、まどマギ的なバッドエンド繰り返しものでもいいかもしれないわねー、と繭子さんは微妙に揺れてたりするんですが、そんなことは全く関係なく、セリフの覚え方をちょろっと解説して見たりして。続きでどうぞ。
とある演劇 幕間なのか三章目なのか1 セリフの覚え方
「と、いうわけでヒロインが回ってきちゃったんですけど」
文月小夜香はもそもそと今までの落書き漫画で進めてきた話の事情を説明しつつ(微妙にぼかしつつ)休憩時間にこっそりと円城幹雄に指導をこうた。
「あー…小夜香さんってセリフ覚えるの苦手だっけ?」
「ええ」
ええ、ってそんなにきっぱり言われても困るんだけどな、と円城は頭をかきつつ、いう。
「別にきっちりきっちりセリフを覚える必要はないんだぞ。そうだな、例えばセリフが出てくるにはその状況に応じて、ってのがあるだろ。こう思ってるからこういう、みたいなな。案外俺も話し相手のセリフやら雰囲気やらでセリフが出てくるタイプだぞ」
「そうなんですか?」
「うん、そう。だいたい話の流れと雰囲気を覚えてたらきっちり覚えてなくてもなんとかなるなるだ。まあ、今回のはバトルロワイヤルものとか言ってるからもしかしたら状況がボンボン飛ぶとかそんな事態もありえるかもしれないけどな」
「う…私が余計なことしたから…」
変なところで演技力を発揮するからです。
「自然と覚えるが期待できないからな。俺もバトロワって言われたらどうしようかと思う。死ぬ演技とか悩むだろ」
「死ぬ演技、ですか?」
「そうそう、テレビなんかのガクってなるやつ、あれができる気がするか?死ぬ自分がそもそも想像できるか、ってやつだ」
はあ、と相槌を打ちつつ、私はその辺は大丈夫そうだけど、と心の中で思う小夜香だった。
「気絶もしたことないしな。刺されたことももちろんない。と、なるとそれ系のビデオとか見て研究せなならんわけだろ?…俺、苦手なんだよな。あの手の血ドバドバのやつな…」
あのー、いつのまにかあなたの悩みばっかり聞かされてるんですけど、私?と首をかしげるがまあ確かにバトロワしようと思ったらその手のものは研究しとかなきゃならないのか、というのはわかる。
「繭子がどんなもんをあげてくるかだよなあ…」
「ですよね…」
「まあ、小夜香さんはどうやらバッキバッキと殺してく側っぽいこと言ってるから、楽って言っちゃおかしいけども…ま、それもわからんけどな」
「でもどうでしょう、バトルロワイヤルとは言っても、インシテミルみたいに生き残りすぎとかそんな展開もあるかも」
「人数も少ないしな。五人で三万人の演技とかするわけじゃないし」
「ちょ、できないでしょ、そんなのっ」
思わず素っ頓狂な声の出る小夜香だった。
「いや、昔実際にそういう劇団がだな…あれやれって言われたら俺も死ぬな、多分」
「三万人のバトルロワイヤルって相当ダメですよ…武器もダメになっちゃう」
「もうわっけわかんないだろうな。三国志のゲームかっての」
「もう刀って五人くらい切ったらダメらしいですね。だから戦国時代の本当の戦争なんか矢を打ち合うところから始まって、チャンバラとかじゃなかったらしいですよ」
「だから結構生き残ってたしな、うん。それが正しいんだよ。むやみに殺しまくるようなんな、あれは正しくない戦争だ」
ウンウン、とうなずきあう二人。と、そこに冷ややかな視線が…。
「あら、お二人さん、仲いいわね」
「お、繭子。どうした?」
思わずビクッとなった小夜香に全く構わない円城だった。
(だ、ダメだ、また私のセリフが増えそうだわっ…)
しまった、せっかくセリフの覚え方聞いたのに、うっかり話しすぎて色々アウトだ。能天気に繭子と話し出す円城をよそに、小夜香は頭をかかえるのだった。
(うっかり。渋谷くんあたりに聞いとけばよかった…)
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