にざかな酒店

仮想悪夢研究会 新年

ってことで、おおう、「かそあくすっかり忘れかけてたよう…!」ってことで慌てて。
新年なのでお雑煮食べながらです。っていうか家族はいいのか、おまいら。と突っ込みたい気もするのですがね。まあこういう不自然な会(誰も欠員が出たことがないやのゲストこないやのなんやの)やから。
まあ気にせずにどうぞ。奇しくもこの回では物語のリアリティはどこまでよ、とか言っております。
そしてお雑煮の描写しかありませんが彼らは鍋をつつきながら会話してますよ。
お雑煮と鍋、って微妙に取り合わせおかしいかしら。
17音。
「食べる先から飢える鍋 マゾかしら」
鍋って微妙に煮える時間とかなんとか、マゾ的だと思うよ…!
では続きでどうぞ。
仮想悪夢研究会 イメージ無いよう

「ってことで、あけましておめでとうー」
Rの言葉におめでとうー。とみんな合唱する。
「しかし新年初めのマンスリーはミーシャか。イメージ無いな。ん?イメージ無い?ならば無色透明のミステリ、はどうだ」
「別にミーシャは無色透明じゃ無いと思うわ…」
Fのツッコミにまあまあ、とTがなだめる。
「まあでもある意味、無色透明な感じだろ、ああいう同じイメージの曲ばっかり歌う感じの女性アーティストって」
「確かになんでか女性アーティストの方がイメージ固定激しいのよね…」
Tの言葉に嫌々ながら相槌を打つF。その間にAは餅をみにょんと食べていた。
「イメージ崩したく無いのかしら、それとも冒険心がない?」
「無色透明、というと森博嗣あたり行っておくか?四季とか」
「それもいいけど、「人間がかけてない」っていうのもいいんじゃないか?」
「人間がかけてない、の意味がいまいちわからないのよねえ…」と、真剣な顔でF。
むしろ人間味溢れてたら殺人する意味あんまりないしな、とまた餅をみにょんとやりながらA。
「人間味のさじ加減がなあ…やっぱり冷徹な殺人者ってのは幻想としてあるし」
「やっぱりねえ。リアリズムというのもどこまで行くか、よね。物語でしょっちゅうトイレに行ってたらどうするの的な部分あるし」
「トイレで吐いて物的証拠流してたとかかな、その場面は」
「それってなんかあった気がするわ」
RとAは割と食べるのに忙しく、これは恋人たちの会話である。
「大体物語のリアリティってどこまでやればいいのよ。ご飯は毎食食べなきゃならないとかそんなんやってちゃんと日も暮れてってやるととんでもないページ数よ」
「一回も場面転換しない話とかとんでもないよな、そう言われてみると」
「でもミステリじゃないけど「一杯のコーヒーにありつくまでに災難が起こりまくる」って映画なかったか?」
「ああ、言わんとすることはわからんでもない。特に遊びに行って同行者の数が多かったりするとなかなか店が決まらんな」
「誰かが難をつけたりするんだよ…誰かが足を引っ張る、とかそんなん結構あるよな」
うん、とFはAとRの会話に頷きながらいう。
「案外ゲームとかじゃ下手に集団行動するとゲームオーバーに導かれる展開ってのは多いわよね」
「ゲームってなんなんだよ、って思うけどな。あれ。下手に物語読んで先の展開読んでもゲームオーバーだったりするし、わかってなかってもゲームオーバーだったり」
「作者は何がしたいの選択肢、とかなー」
「なんかメーカーは都合のいい読者探してるのか?とかってなあ」
「意図してないところに来ないとアウト!」
というTの言葉に、みんなで声を揃えて、厳しいなあ…と呟いた。
「ある意味ゲームほど自分勝手なメディアってないんだけどなあ…」
「最近の課金とかなんなのってやつよね。」
Fのお雑煮は餅なしだ。それ、お雑煮って言わない。
「まあ季節ネタとかは豊富なようだが」
「やっぱり我らは紙だよ、紙。紙だったらだるくなってきたらちょくちょく飛ばせるし」
「やだ、兄さんそれ邪道」
「でも「台本読み」とかあるだろ。とりあえずさらっと把握しといて、後でしっかりフォロー、みたいな。俺は割とそうだぞ」
「後でもう一回読むと割と伏線に気づくからな。俺も割とそうだ」と、A。
「気になったところはすぐ戻れるし」うんうん、とT。
「そういえば姑獲鳥の夏って「読者の読むスピードをこっち(作者)がコントロールする」がテーマじゃなかったかしら」
リアリティのどこまでも、だが。と重々しくつぶやきながら、A。
なんかそろそろ食べ飽きてきたらしい。
「作者のコントロールもどこまで行き届くか、というのも重要な案件ではある。」
「アレヤコレヤ、コントロールされてる感を読者に与えすぎても反発食らうからな」
「作者も何がしたいの、もあるけど読者も何が欲しいの、だよなあ」
Tの言葉に全員が、まさしくそれ!!と声を重ねた。
「それ、まさに何が欲しいのか、欲しいものがそのままの姿であってもいいのかってそういう話だよ」
「読者の「びいえる欲しい」はどこまで反映されるのかしら」
「いやいやいや。F。そんなんばっかり言ってたら作者の寡作化が進んでまうから。ってか女性読者がほぼそれ目当てとか言われたらもう情けなくなるやろ、きみ」
お兄さんの優しい言葉である。
「本当にそうよねえ…。もう最初から狙ってる作者もいるみたいだけど」
Aもため息をつきながら呻くように言った。
「やめてくれよな、そういうのは…。ネタとして押さえておくことか?それ」
「まあ読む側の自由ですって言ってしまえばそれまでよね」
「結局どこで反応するか、ってのはコントロールできないことだしなあ」
「コントロールしたいされたい作者読者、かー。なかなかいいところに落ちてきたな。テーマが。」
「そうなると、読者側もそこそこ鍛錬がいるのよねってことで、この辺でおひらきにしましょうか」
「じゃ、初詣行くかー」
「おうー」
ということで、今年も仮想悪夢研究会は普通に始まったのでありました。ちゃんちゃん。
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