いや、さりちゃんバーサスシロ先輩はちょっとはっきりさせとかにゃ。と思ってね。
では続きでどうぞ。
若干ネタバレですが、本人はこのように語っております。
まあ、良かったじゃないか。うん。
とある演劇 2020年打ち上げ
ってことで、「2020年の夏休み」も途中とんでもないゴタゴタがあったけれど何とか本番終了し、打ち上げである。と、いうか。いつもの打ち上げはお茶やジュースなのに、今回の打ち上げは刻停間酒店で酒買ってきての…っていうか、俺(倉田士郎)の、公開処刑…。わかってるけどこれは参加せずを得ない。
「あら、よくきたわね、あなた」
と外で待っていた繭子さんが眼鏡を光らせていう。
「まあみんな絶対大人げなくなると思うけど、他に娯楽もないんだから許して上げて」
「ええ、まあ、その…俺は大人ですから」
彼女に導かれ、俺はその公開処刑の場へとやってきた。う、みんなほんとにもうだいぶ酒入ってんな…!?
「あー、もう、本当に今回の舞台はどうなることかと思ったよな!誰かさんのせいで!」
昨日までの味方がもう今日の敵。っていうか、円城さんも昨日までは俺の肩を持ってくれてたくせに…。そのことを円城さんに告げると。
「うん、まあ俺もな。ヤラシイ夢の一つや二つは見るからな、うっかり昨日まではそういうこともあるかなあとは思ってたんだけどな…でも本当に寝ぼけてたんならピンポイントで狙ってる女子にキスはせんやろう、と。だから気持ちよく敵に回ったということで」
「そりゃそうですよねー」と、さりちゃん。
「本当は策略的にそうしたんじゃないかと、みんなの見解ですよ」
と、渋谷くんまでさりちゃんの横でビール飲んでる。
「本当に寝ぼけてたんだってば」信用してくれよー。
「おかげでずーーっとうーさんツンツンのぷんぷんだったし、もめてるせいで照明のプランも進まんかったし」
「だからー…」
「本当に、うまいことやりましたよね、シロ先輩!」
さりちゃん、嫌味全開やな。っていうかそのゴタゴタの後彼女二日くらい使えなくなってたけど、絶対俺を好きとかじゃないよな。
「そうよね、キスまでは寝ぼけてたにしてもその後がうまくやりすぎたからみんなわざとだって思ってるのよね」と、小夜香さん。「まあでもうーさんだってシロさんのアプローチに曖昧だったんだからちょっとくらい乱暴な手にでてもいいんじゃないの」
乱暴な手って。またエロ男扱いされてるような言われ方を…。小夜香さんにそういう言われ方は傷つき度高いよなあ。
「うう…だからー…」
「だいたい何でこんな寒いのに中庭で寝てたんだよ」
「その日はちょっと天気良かったじゃないですか。日光あたりたかったんですよ。冬季うつ病とか嫌じゃないですか」
「う、た、が、わ、しい…」
さりちゃんそのジト目やめてー。
事の次第はこうである。
本番の1、5週間前。朝まだちょっと授業まで時間あるからと俺はちょっと陽の当たる中庭でちょっとウトウトしてたらしい。そこに、通りがかったうーさんが「そんなところで寝てると風邪ひきますよ」と声をかけて、その、くだんのキスをしたという話で…。
それからのぷんぷんのツンツンのうーさんをみながら何とか名誉挽回しようとがんばっていたところ、とある瓶と缶のゴミの日の昼間、彼女はなんか知らんまに俺のことが好きだった女子三人に囲まれてさらに困ったことになった。
それも、なんかそのうちの一人が(実際は刃物ではなかったが)キラリと光る銀色の小物なんて持っていたのだから、危険を察知したうーさんはそのキラリと光るで連想し、寮の裏まで走っていって、そのゴミである酒瓶を手に彼女らと応戦しようとした。そこになるまでに俺はさりちゃんに呼ばれてうーさんを助けに来ていたので、誰にも危害が及ぶ前に彼女らには丁重に引き取っていただき。
そこからの展開が、証言を提供していないのでみんなに適当に言われてるんだけども。
あのシンパはびっくりしたよな。とか酒瓶はうーさん思い切りすぎだよな、とか。でも相手刃物持ってるって勘違いしてたら酒瓶もしょうがないんじゃないの?とか適当にフォローと憶測が混じりつつ。
「っていうか私が到着したらもうキスして仲直りしてるんだからびっくりするわ」
そう、そこをさりちゃんにみられていたので余計に話がややこしくなってるのだ。っていうかさりちゃんが来るの遅かったんだよ、中途半端に。
「誤解だってば…」
うん、みんなはうーさんが助けられて、うーさんが純情だからすぐにデレたと思ってる。
違う違う、本当のところは彼女はまだ酒瓶もったまま泣きもせずに無言で静かに怒ってたのだよ。
俺の方が必死だったんだから。
ほら、今だってちゃんと酒飲んで公開処刑されてる俺に何のフォローもせずに音響の三人と呑気に喋ってるし。だいたいすぐに缶の日思い出して酒ビン取りに行くだけで超展開っていうか、普通じゃないのにみんな気づいてないだろ。
ああ、背筋ゾクゾクしてきた。
案外うーさんが怖い女って、なんか俺本能的に見破ってた気がする。
っていうかだいたい本当に純情ならあのタイミングで酒瓶落とすよな。彼女はちゃんと酒瓶は置きましたよ。まあ、そんなこんなそれこそ逃げたらうーさんに何言われるか、なので俺はこの公開処刑に頑張って出てきたのだ。俺の純情をわかってくれ。うーさん。
「うーさんもそろそろみんなになんか言ってやって…ん、誰と話してるの、うーさん」
「ええっ!!音響さんって、幽霊なんですか!?」
「ええ!!」
みんなの声が唱和した。そういえばなんかゆらゆらと青白い光が…。
「そうなの、私たち本番の前しか現界できないからー」
「幽霊部員だと思ってたら、本当に幽霊だったのか…」
「でも同じ仲間(?)のよしみでうーさんをポルターガイストで祝ってあげるー」
その後の場の混乱は、それまでの騒ぎを打ち消すには充分の混乱であった。
ありがとう、音響三姉弟。
っていうか喋らなかったからって三人揃って幽霊とは知りませんでした。すみません。
そんなわけで、次は恐怖の合宿編へ…続く、のか?どうなんだ。
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