にざかな酒店

とある演劇第6章 ブラッディローズ

本当は追記だけど先に短歌やらないと後が長いので先に短歌言っちゃいますね。
「この土砂降りは俺にだけ降った雨だった 俺が雨なの」
これは従兄弟のKK君(いや、従兄弟はあの兄弟両方ともKK君やけど、弟の方はダブルケー君(仮)で)の体験談でございます。どうやら出勤時の雨が本当に自分とこだけその時間だけ降ってた雨だったらしく、同じ会社の他の人は誰一人として全然雨に濡れてなかったと言う話で一人土砂降り体験をした、と…。その体験、短歌に読まずにどうするねん!ふんふん!(鼻息荒く)ってことで。俺だけの雨、雨独り占めでございます。よかったね。
(あ、そうそう今回の話はうっかりシロ先輩お休みです。うっかりです。
なんでかって言うと、シロさんが月影やの空斗やのと真面目に絡み出すと色々面白すぎて円城の演技がどうこうどころではないので、一応行間にはいる設定なんだけどシロ先輩には少し黙っていただきました。すんません…(苦笑))

実はこっそりと何週間か前くらいから「ヘビースモーカーの主人公」が描きたいなああーと思ってたのですが、本の雑誌5月号をみて(サイコドクターの日曜日、という記事参照)「薔薇の館が火事になる」と「ヘビースモーカーの主人公」をくっつけた話、良くない!?できればギャルゲー風味で!!って昨日閃きましたよ。
ああ、実在した事件を萌える、とか言っちゃってごめんなさい…(滝汗)
だ、だって虚無への供物を描いた中井英夫もこの事件にすっごい影響受けたとか書いてあるよ、よ?
本当にものになるかは不明。
でもなんとなくこの絵を描いてみたら、とある演劇でそういう役を円城が演じても良さそうだなあと思いました。それはそれでありか…!
とある演劇はこういう時に便利。って言ったら追記でとある演劇第6章(今回は1話分だけ)が付いてきましたよv割とシリアスネタなくせに分量が軽めですみませんと言う感じですが。まあちょっと力不足かな。
このネタはまた他のところで使う、かも…!とか思いつつ。
でも多分ちゃんとギャルゲー風味で作品として完結させようと思ったらゲームに対する熱が冷めないうちに「月光のカルネヴァーレ」とか「塵外魔境」とかをちゃんとプレイしておくべきでしたよ…。く。
残念ながらこれを描くために今からゲームをプレイする気にはなれないんだ!
両方ともすごく自分好みなんですけどねー。ええー。
カルネヴァーレは漫画版では(漫画版良かったけど)レベッカさんいなくて超残念でしたよう。
レベッカさんルートとルナリアルートはぜひプレイしたかったねえ…!(でも過去形)
あ、で、このにいちゃんは探偵かな。ロメオさんぽくタクシードライバーとかもありだけど。ヒゲもつけとけばよかった。この際。
ではまた短歌など思い浮かびましたらまたあげにきます。
とある演劇サークルの記第6章 ブラッディローズ

何を思ったのか、中学時代。
俺は寝室に転がっていた親父のライターで、隣の家からちぎってきた薔薇の花を焼いた。
むせかえる花の、死の匂い。

「本の雑誌に次回作のヒントがあったわ。薔薇と火事、これよこれ。たまにはしっかりと探偵物とかやりましょう!」
と、意気揚々と繭子が言った。
「探偵物…ですか?」
さりちゃんが眉をひそめる。
「そう、薔薇が出てくるならまた吸血鬼もいいわね。小夜香さんのv」
「またあ!?やめてくださいよ、あれ本当に何かに目覚めそうだから!」
「でも探偵モノやるには男子が足りなくないか?流石に俺と渋ちん二人だけっていうのはーーー」
「そうねえ」小夜香は少し首を傾げていった。「私の彼氏とその双子の兄、連れてきましょうか」
ああっらー。と横で藤村はオーバーアクション。
「とうとう連れてくるのね」
「今回だけね」
艶然と小夜香は微笑んだ。なんか、その腹は透けて見えてますけど、とうーさんが軽く頭をかかえる。なんだか、嫉妬して欲しいとかなんとかこの頃この界隈(とある演劇ワールドに限り)の女子、そんなこと言い過ぎじゃないのかしら、どうなのかしら。きっと小夜香さんてば、彼氏の前でさりちゃんにベタベタする気なんだわ…。
「ってことで、円城君はヘビースモーカーの探偵役ね」
「ヘビースモーカーって、また」
「でも円城さんってタバコ全く吸わんことないじゃないですか。たまーに吸ってるの見るよ」
「ああ…まあ、よっぽどイライラした時だけだけどな」
「そう。タバコかっこよく吸う仕草、研究してね」
うーん、でも。と繭子は少し考える。
「小夜香さんの彼氏さんって、吸血鬼役似合いそうだったらちょっと考えるわね」
「あ、それは無理」と小夜香と藤村は一刀両断に微笑んだ。
ええー、小夜香さんの彼氏さんなのにー。と鏡花ちゃんとか渋谷とかはブーイング。
げ、なんか鏡花ということ被った。渋谷は頭を抱える。
っていうか、あれ、小夜香さんの彼氏って、俺何回か見てたよな?今一瞬都合よく記憶抜けてたけど、確かに記憶通りあの人なら吸血鬼役は無理だわ。どう見てものほほんとしてそうなタイプだもん。っていうか繭子さんなんて人の彼氏は全く覚えていませんか、そうですか。きっとそうなんだろうなあ…。

というわけで、連れてこられた彼氏一団。(といっても二人)
「………うん、これは、どう見ても。吸血鬼の家の使用人の男子」
「ひでえ!?」
と月影が騒ぐ。
「で、あなたは…そうねえ、ちょっと腹黒もできそうな雰囲気があるから、ニコニコしててその裏で全てを操ってた真犯人、とかでもいけそうだけど」
「わーい。」
と空斗は手を合わせた。
「わーい、じゃないだろ。腹黒って言われてんだぞお前」
「あくまで役の話だろ?俺が腹黒って言われてるんじゃないよ。まあ使用人よりはいいんじゃないの。っていうかいきなり真犯人なんて大役もらっていいの?」
「他の人はできなさそうだから」
「そうかな。彼(渋谷を指差して)が真犯人とかでもそれはそれで意外性すごくて良さそうだけど」
「あ、そうね…でも渋谷君の清純なイメージを壊すわけには」
「おおおおおいい」
と全員大合唱で突っ込んだ。
「どういうことですか、その発言は…」
「っていうか男に清純って言葉使っていいんだ…さすが繭子だな」
「渋谷君って清純キャラなの!?ないわー…」「そう?渋ちん可愛いじゃん」「可愛いけどもー」「男ですよ、一応?」
とのみんなのセリフに若干不機嫌気味の渋谷が呟いた。
「俺最近マカ陶々酒頑張って飲んでるんだけどなあ」
「飲んだだけじゃダメなんですか。使わないと。」
割と上の方から降ってきた言葉に、な、何を使うの?と一同は顔を見合わせる。
うん、まあ確かにこれなら真犯人できるかな。っていうか悪徳領主とかでもオッケーだよね。
「で、結局どっちが彼氏なの?」
と鏡花ちゃんに引っ張られて小夜香は微笑んだ。
こういうところはクールビューティである。
「そっちのエロい人は彼氏じゃありません」
「エロい人ってなんだよ、文月…」
「あー、まあ最近こいつ随分とあれだからな。文月は近寄っちゃダメ」
「っていうか、双子って?」「全然似てないけど?」
「双子ですよ」
「まあその辺の方はギャルゲー風味小説参照な。反転の殺戮と反転の殺戮の反転と殺戮の言霊のこの三つがそれぞれルートだから、いたっ」
と小夜香に足を蹴飛ばされて月影は悲鳴をあげる。
「なんで蹴るんだよ…」
「このとある演劇とか、短歌短文リメイク三部作とか、ちゃんと私のルートですからv」
ちゃんと蹴飛ばした後に飴を与えるとばかりにちょこっとくっついてくる。彼女は色々月影のプロ化(?)していた。
「もうこのブログややっこしい…キャラ使い回しの鬼だよ」
っていうか刻停間から使い回し五人もいるよ。
「あれ、でも吸血鬼やらすんならロッドさん使いまわせばよかったんじゃ」
「彼は演技できそうにないじゃない。それに横文字名前だし」
「あ、そっか…」
絵的には十分ありなんだけどな。と一同は少し残念そうである。

まあそんなわけで、脚本の進みも早く、新顔二人もそこそこ演技が身についてき出したところで、事件というほどではないように思えたが異変が生じた。円城である。
「あの…繭子さん?円城さんてば、この頃なんか随分タバコ吸ってません?」
と、うーさんが言いにくそうに言った。彼女が言ってくるなんてよっぽどだと思った。
「そ、そうね…ヘビースモーカー役って、まずかったかしら…」
「っていうか、喋り方もなんかちょっと役に呑まれてるような気がするんですが…」

タバコの味が記憶を想起させる。俺は昔、ライターで花を焼いた。
灰皿の上で燃える炎。
花の断末魔が匂いがむせ返る。

「昔、か…」
燃えるような黄昏の中、影になった彼女が円城に声をかけた。
「円城君…この脚本、ちょっとやめにしない?」
「なんでそんなこと言うんだよ。お前がそんなこと言うなんてーーー」
「いいから!このままだと、きっとあなた帰ってこれなくなる…!」
繭子は円城からタバコを取り上げようと手を伸ばした。
「危な…!何するんだ。いいか、やるんだからな」
「ダメよ」
「危ないって!」
まだなおも取り上げようとするので、円城は自分の手でタバコの火をもみ消した。じゅっ、と軽い火傷の音に繭子は涙をこらえる。
「円城君…」
「お前がそんなこと言うなら、俺は絶対あっちいかないから…あー、やっぱいてーな。氷か水持ってきてくれ。いや、泣かなくていいから、な?」
負傷した手を軽く振りながら言うと繭子が胸に抱きついてきた。
だから、お前なー…と言いながら柔らかい髪の毛を撫でる。
「俺な、昔火事体験してるんだ、いや、俺の家の火事じゃなくてな。あれは近所の病院跡地で子供が遊んでたんだったか。その現場を見てたか連れてこられたかなんだったかでーーーこの役やって、色々記憶が戻ってきたんだ、うん。それだけだからな、心配すんな」
「本当に?」
「本当」
「約束するから」

「で、それでいきなり普通に戻っちゃうあたりが愛だよねー」
と、空斗は打ち上げでのんびりと言った。
「ああ、本当よかったよかった」
一同は口々に言う。
「円城さんちょっとやけど残っちゃったけど」
渋谷が言ったので繭子が少し苦い顔をする。
「こんなの手のひらにちょっとだけだろ、きにすることじゃねえよ」
「まあでも皆月君の真犯人役は相当面白かったわねえ」
「あー、俺も相当面白かったよ、君の吸血鬼役」
そうっとう、そうっとう、と言いながらふふふふふ、と笑い合う小夜香と空斗、なんだか微妙に確執がある気もしないでもない。恐ろしいなと月影はビールを飲み飲みしながら黙っている。
「で、結局円城さんの過去ってなんだったの?」
と渋谷。
「だから、そのー…火事にちょっと関連してた?だけ?別に好きな子が死んでたとかそんなんじゃなくってな」
「そんなんじゃないのに人格変わっちゃうほど反応したり役に入れ込んだりする?」
怪訝な顔をして、渋谷がいう。
「あー…まあ、なあ。人間の核の部分なんてちょっとしたことで揺らいだりするんだよ。よっぽど、なんか炎ってやつが核の部分に近かったのかもしれないな」
「まあでも戻ってこれてよかったわ。本当につきもの落ちたみたいにタバコの回数も減っていつも通りだったもの」
「繭子さんすごーーーい」
とうーさんが間延びした声で言う。
「よっぽどすごいんですね、繭子さんの愛情は」
「みんな、あ、あんまり言わないでよ。照れるから…」
もうさっきからずっと赤い顔のままである。
「繭子さんかわいv」
「だからーっ」
もうー、みたいな繭子である。そうそう、こんな繭子を見るためには過去をひっくり返してやけどしていてはいけないのだ、と円城は手を握りしめた。
「まあでもフィクションなれど、ちょっと怖いわね。自分の書いたもので色々過去が想起されちゃうなんて…」
「人って何で変わるかわからないから」
涼しい顔で藤村がカクテルを煽る。
「変わらないように、がそもそも無理なのよ」
彼女が言うとやけに説得力があるなあ、とみんな頷いた後に彼女はこう言った。
「まあでもしばらく繭子さんが薔薇色でいいじゃないv」
え、そんなオチ!?と全員ズッコケて。(終わり。)
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「ネタ、小説」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事