南英世の 「くろねこ日記」

老いるショック

人の名前が出てこない、耳が遠くなった、髪の毛が薄くなった。人はみな「老いるショック」を感じるときがある。

私が初めて老いを自覚したのは数年前のことである。天王寺高校の生徒と一緒にスキーに行ったとき、転倒した際ストックをついてすぐに立ち上がれないことがあった。普通ならストックをついてスッと立ち上がるのに、どうしても立ち上がることができない。仕方がない。板を外して起き上がった。「あー、もうスキーは終わったな」と感じた。

一般に、老化は目、耳、歯から始まるといわれる。目は去年、白内障の手術をした。耳はだんだん聞こえにくくなってきている。歯はだましだまし物を噛んでいる。

頭の方はどうか。90歳の6割、95歳の8割は認知症になるといわれる。今のところまだ大丈夫だと思っているが、「あー、うまかった。何を食べたか忘れたが」という川柳がだんだん他人ごとではなくなってきた(笑)。
 
特に困るのが、囲碁の勉強をしていて、覚えた後からどんどん忘れてしまうことである。去年、あれほど本を買って勉強したのに、今となってはほとんど何も残っていない。仕方がないから、今年は勉強方針を変えて1冊の本を完璧に覚えきるまで他の本には手を付けないことにした。
 
体の機能はあちこちガタが来ている。しかし、幸いにして「立ったまま、靴下をはくのはE難度」までは至っていない。ピンピンコロリは全体の3%でしかなく、多くは「ネンネンコロリ」であるという。失ったものを嘆くのではなく、まだあるものに感謝しながら、最期までイキでカッコよく生きたいものである。
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