日本は島国であるゆえに伝統的に「和」が重視される。そのため人々は「和」を求めてその場の空気を読み、マジョリティの側につき安心感を得る。そこにはマジョリティは正しいという思い込みがある。
しかし、果たしてそうか。
第二次世界大戦のときの日本人のマジョリティは「鬼畜米英を叩け!」というものであった。しかし、それは正しかったか?
コロナ騒ぎの最中に、外出を控え、飲食店では酒類の提供の「自粛」が要請された。そして、そうしたマジョリティに従わない人は「非国民」とされた。 自分の思い込みを正しいと信じて他人に強制することは正しかったのか?
「正しい」とはいったい何なのか。価値観が異なれば何が正しいかも異なる。たとえば、中国で白いクラゲに黒い色を塗って、薬効がある「黒クラゲ」として大もうけをした人がいたそうである。その人はどう評価されたか? こんな簡単なことで大儲けをするアイディアを出したあいつは「すごい」と称賛されたという。中国では、だました人は賢く、だまされた人はバカだと考える人が少なくないらしい。
日本での「正しい」は世界基準でいうと必ずしも正しくはないと著者は主張する。