以前、木田元さんの現象学の本を読んで挫折した記憶がある。木田さんの本は決してやさしくはない。しかし、題名に惹かれて買ったしまった。
日本人にはなぜ欧米人の哲学がわからないのか。
著者によれば西洋哲学では、自然を越えた立場(例えば、イデア、純粋形相、神、理性、精神といったもの)から「存在するもの=自然」を見る。
これに対して、日本人は自然の中にすっぽり包まれて「生かされている」と考える。だから人生観、道徳思想、宗教思想はあっても「哲学」はない。
こうした違いがあるため、日本人には哲学がなかなか理解できないのだと説く。「神は死んだ」と主張したニーチェの「反哲学」は日本人と同じ感性だという。
ふーん、という感じ。