かつての明石市市長、泉房穂の本音を元朝日新聞記者の鮫島浩が引き出す対談集である。
◆私は四面楚歌という言葉が好きである。回りが全部敵に囲まれていてもまだ空と地下が残っている。私は半端じゃなくメンタルが強い。
◆(小選挙区制の弊害について) 党の幹部にペコペコして公認さえ取れれば当選できる。国民よりも党に忠誠を尽くしている。「どっち向いて仕事しとんねん」
◆(ケンカの仕方について )ケンカは腹をくくっている方が勝つ。強い者にペコペコしてもダメ。「俺をやるならやれ! その代わりお前も道連れにしてやる」。そうすると強い立場にいる(エリート)ほど、「こんな奴と共倒れしたくない」と対決を回避してくる。
そのほか労働組合、マスコミなどをバッサバッサ斬っていく。
◆連合の加盟率は10数パーセントにすぎない。しかも大半が正規雇用の正社員ばかり。非正規の労働者が4割いる時代にあって、連合はもはや「労働者の代表」とは言えない。しかし政府は連合の意見を飲むことによって労働者の意見を聞いたというアリバイ作りに利用している。格差社会を深化させたという意味で連合の罪は重い。
◆連合の持っている票自体は多くはない。しかし、労働組合は選挙になるとポスター張りなど選挙の実務を担っている。そのため連合を切ると選挙が回らなくなる。
◆新聞記者はやめた後大学教授になることが一番のステータスだと思っている。そういう記者が庶民目線で記事を書けるはずがない。新聞の購読者は今や高齢者ばかり。かつて朝日の一面広告は3000万円と言われた。しかし、今は数百万まで単価が落ちている。それでも広告を出してくれない。だから政府、自治体、電力会社など公的機関への依存度が増えている。その結果、広告料を払ってくれる団体を批判しにくい状況が生まれている。
泉房穂氏を総理大臣にしたら面白いと思うのは私一人だろうか。