最近見始めた番組に「笑わない数学」(NHK総合)がある。これが実に面白い。先日は破られない暗号を考え出した数学者の話だった。で、今日見たのは確率の話。あまりに面白かったのでメモ代わりに残しておく。
17世紀、パスカルとフェルマーの間でこんなやり取りが行われた。
AとBとの間でコインを投げて裏か表を当てる5回戦のゲームをした。先に3勝したほうが勝ちで、賭けたお金を全部もらう。3回終わったところでAの2勝1敗。もしここで賭けたお金を分配するとしたら、どのように分配するのが合理的か。
この問題は次のように考える。
4回目にAの勝つ確率は2分の1。もしAが勝てばここで試合終了である。
一方、Bが4回目に勝つ確率は2分の1。さらに5回目、Bが勝つ確率は2分の1。したがってBが2回とも勝つ確率は4分の1で、4回目に勝って5回目に負ける確率も4分の1である。
したがって、Aが勝つ確率は2分の1と4分の1を合計した4分の3となる。(もちろん、1からBが2回とも勝つ確率4分の1を引いてもよい)。これを図に表すと、
となる。
続いてもう1問。
ABC3つの箱の中にお宝が一つ入っている。今、あなたがそのうちのAを選んだとする。ここで、どれにお宝が入っているかを知っているボクは、入っていない一つ(例えばB)を開けて見せる。
ここで、再度問う。もし今、あなたが「選ぶ箱を変えてもいいですよ」と言われたら、変えた方が得かそれとも変えても当たる確率は同じかという問題である。
これは数学者を巻き込んだ大論争になったというから面白い。
論より証拠、実際に実験を100回やったというからさらに面白い。NHKさんすばらしい!
結果は御覧の通り、箱を変えたほうが約2倍も得をする。
なぜか? 答えは次の図に示されている。
すなわち、箱を変えなければ当たる確率は3分の1のままであるが、箱を変えた場合の当たる確率は(3分の1)+(3分の1)=3分の2となる。
うーん、参った。見事に間違ってしまった。
現代において確率理論は精緻化されて株式取引に応用されている。コンピューターを使って100万分の1秒単位の高速で大量の売買を行ない、1000回売買して1000勝0敗の成績をあげるとも聞いた。オー、くわばらくわばら。近寄らないに限る。
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