南英世の 「くろねこ日記」

マラソン大会は廃止を!

英語や数学の成績はたとえ悪い点数をとってもそれが人前にさらされることはない。しかし、マラソン大会では、走ることが苦手な生徒の順位(=成績)は否応なく人前にさらされる。みんながゴールをしているのに、なお走り続けなければならない「屈辱感」「みじめさ」。本人にとってそれは拷問以外の何物でもない。マラソン大会はもはや人権問題といってよい。

このことを訴えた興味ある記事を見つけた。

毎年2月になると高校ではマラソン大会が行われる。ある時、校長に訴えたことがある。「そろそろ全員参加型のマラソン大会を廃止してはどうですか、人権問題ですよ」。もちろん聞き入れられなかった。

いうまでもないが、私はマラソン大会を全面否定するつもりはない。スポーツが得意な生徒にとって、試合は自分の存在をアピールできる絶好のチャンスである。教育効果も大きい。ただ、やるなら何らかの工夫が必要なのではないかと言いたいのだ。

たとえば、全員参加ではなく自由参加にするとか、あるいは全員平等に10キロメートル走るのではなく、2キロ、5キロ、10キロなど自分でコースを選択できるようにする等々。柔道でも試合は体重別という工夫がなされているではないか。

文部科学省のホームページには、体育教育の目的を次のように掲げている。「体育は,すべての子どもたちが,生涯にわたって運動やスポーツに親しむのに必要な素養と健康・安全に生きていくのに必要な身体能力,知識などを身に付けることをねらいとするものである。」

全員参加型のマラソン大会はこの理念にかなっているのだろうか。

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