南英世の 「くろねこ日記」

宅配便の裏側で

 

 宅配便の取扱個数が急速に増えている。2020年度の年間取扱個数は48億個に上るという。私自身も最近は宅配便のお世話になることが多い。2022年3月だけで25回(Amazon8回、メルカリ17回)利用していた。ほとんど毎日だ。Amazonでは、朝注文するとその日のうちに配達されることもある。とにかく便利である。

増加する荷物の多くは個人宅配業者と呼ばれる個人事業主によって配送されている。個人事業主は労働基準法の残業規制が適用されない。彼らは、荷物を効率的に運ぶためにAIが出したルートが表示されているスマートフォンを片手に走り回っている。ちなみに、佐川急便は2013年、採算の合わないアマゾン配送から完全撤退した。

業務委託契約には様々なタイプがあるらしい。以前聞いたところでは、1件の配達で200円だった。しかし、今はもっと値下がりしクロネコの場合1件につき160円、ポストに入る薄型のものは1件30円である。月収は30万円ほどになるという。

そのほか、日当制のところもあるようだ。1日1万5千円。ただし、月収30万円あったとしても、そのうち車の維持費などを差し引くと手取りは20万円だという。

個人事業主は建前上は契約する事業者と対等であるとされるが、実際にはいつ契約を打ち切られるかもわからない不安定な立場にある。厚労省の調べによると、全産業の年間所得489万円に対して、中小型トラックドライバーの年間所得は388万円だという。

円安に加えて原油価格の高騰と、宅配業者にはさらに厳しいコスト増が待ち受けている。


 

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