日本でも同じような調査を内閣府が実施している。
http://www.esri.go.jp/jp/prj/current_research/shakai_shihyo/pdf/houkoku1.pdf
国民に幸福の度合いを11段階(点が高いほうが幸福度が高い)で評価してもらい、その分布をグラフにしたのが上のグラフである。日本もブータンと同じような形をしている。このことから、日本もブータンと同じくらい(あるいはそれ以上)に幸せな国だと結論付けることもできる。しかし、日本でアンケートをとれば「97%の人が幸せだ」と答えるはずもない。それにもかかわらず、なぜブータンでは97%の人が幸せだと出るのか?
実は、ブータンの調査は
「very happy」
「happy」
「not very happy」
の3段階で実施されており、それぞれ11段階の「10.9.8.7」「6.5.4.」「3.2.1.0」に対応しているのだという。驚くことに、調査項目に「どちらでもない」というのがないのである。この結果、「国民の97%が幸せだと答えている」という驚愕の調査結果が出てくるのである。
「6.5.4」の中流の人々の合計を比較してみると、
日本 47.2%
ブータン 48.0%
とほぼ同じである。
逆に「10.9.8」と答えた人は
日本 38.4%
ブータン 21.6%
と日本のほうが多い。元データをあたってみると、ブータンの国民の97%が幸せだという結果は鵜呑みにはできないことがわかる。
もっと根本的なことをいえば、幸せかどうかは主観的なものであり、この種のアンケート調査では本当のところはわからないというべきかもしれない。幸福度に影響を与える要因としては、所得、健康状態、仕事のやりがい、家族関係、人間関係、自然環境、時間的ゆとり、宗教、その人の価値観など、多様な要素が絡んでいる。
国家がマスコミを使い、ジャンジャン宣伝をすれば、地獄を天国のように思わせることも可能かもしれない。今の北朝鮮で同じようなアンケート調査をやったらどういう結果が出るか興味深い。
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