授業で、「小さな政府」「大きな政府」の話をよくする。
以前、テスト問題にこのテーマについて知るところを述べよと出したら(1問=100点の論述)、ある生徒が「大きな政府とはロシアのような大きな国のことであり・・・・」と書いてきたので、零点をつけた。
もちろん国の面積の話ではない。政府の役割が大きいか小さいかの話である。スウェーデンのような国は税金が高い代わりに社会保障が行き届いており「大きな政府」の代表格である。一方、小さな政府の代表格は言うまでもなくアメリカである。
意外かもしれないが、日本もアメリカほどではないにしても、小さな政府の部類に入る。租税負担率と社会保障負担率を合計した国民負担率で比較すると、日本の国民負担率はフランス、ドイツ、イギリスより小さいのだ。
(第一学習社 『政治経済』教科書より転載)
しかし、そうはいうものの社会保険料、介護保険料、所得税、住民税、固定資産税などを合計すると、結構な額になる。我が家の毎月決まって出ていくお金を計算してみたら(月額平均概算)、国民健康保険料7万円、介護保険料1万4千円、所得税3万円、住民税3万円、固定資産税4万円など、これだけで18万円ほどになった。
これに加えて光熱費、電話代、マンションの管理費、NHK受信料、生命保険料など約10万円が毎月銀行口座から自動引き落としされる。結局全部合わせると毎月約28万円になる。もちろん、食費などの生活費はこの中には入っていない。決して贅沢をしているつもりはないが、結構な額になるものだ。「日本は本当に小さな政府なのか?」と疑いたくなる。
偶数月の15日は年金が振り込まれる日である。全国の高齢者が指折り数えてその日を待っている。私の場合、40年間働いて1か月受け取る年金は手取り20万1669円。年金だけではやっていけない時代はすでに現実のものとなっている。