生活保護受給者が年をとった場合どうなるのか、それを以前ケースワーカーに尋ねたことがあるがはっきり答えてはくれなかった。
日本は寿命が伸びたのだが、貯金や年金に余裕があり看取ってくれる配偶者や子供がいる人は別にして、そうではない人がどういう最後を迎えるのか、なかなか具体的な情報は入ってはこない。
私は母の最後を病院に通いながら見守っていたが、たまに誰か見舞いに来る母は非常にマシな扱いだと感じた。
しかし見舞いに誰も来ない(と思われる)患者の扱いは悲惨だった。ある階の条件の悪い部屋の条件の悪いベッドに突っ込まれ、正気がなくただ呼吸をしているだけという感じの哀れな患者をたくさん見せられた。(母の部屋が頻繁に変わったので色々な部屋を覗く機会に恵まれた)
今一人で死ぬ人が増えているようだが、金もなく頼れる人もいない場合、ジワジワ衰退しながら死に向かうという事は最後はいつか病院で見たような立場に置かれる事を意味する。
だから今回心臓がやや悪くなってしまった事は考えようによっては非常に好ましいことだと発想の転換が出来るようになった。
消化器などの病気に比べて心臓関係の病気は勝負が早いと言われている。私たちのような生活保護受給者で、尚かつ身寄りがない立場であれば身動きが取れなくなって入院してから死ぬまでの時間はなるべく短い方が良い。
一時期は心臓が悪くなった事で非常に落ち込んでいたが、最近はそういう風に考えるとそれは一概には悪いとばかりは言えないのではないかと思えるようになった。
誰もが望むピンピンコロリは難しいだろうし、心臓病も苦しむ時は苦しむのだろうが、ダラダラと長期間苦しみ続けるよりはマシなのかも知れない。
まだ10年以上は生きるつもりでいたが、生活保護受給者である事、身寄りがなく独り身であるという事を考えると、心臓の病気になって寿命はかなり縮んだが、最後の最後はかつて母の病院で見たような境遇は短時間で済むと思えばハッピーだ。
※これは最初に診断をした病院にかかっている時に書いたものです。
その後、病院を変えてからは少し体調も好転し、今は心臓ではなく消化器の方が最重要事項に変わるほどになっています。